思春期はこころの健康「メンタルヘルス」に要注意!−知っているようで知らない本当の「自己肯定感」とは(7)

これまで思春期と自己肯定感の低下について解説してきましたが、自己肯定感だけの問題ではなく、メンタルヘルスの危機も隠れているのでは?と思われる相談がインターエデュの掲示板に寄せられました。
子どもの発達科学研究所所長・子育て博士の和久田学先生に回答いただきました。

【相談】娘の暴言がひどい。毎日つらい状況が続いています。

【相談】娘の暴言がひどい。毎日つらい状況が続いています。

「中3になる娘の暴言に悩んでいます。家族状況は父子家庭です。
学校の課題や友人関係に悩んでいるのか、普段から「辛い」「もう無理」「死にたい」などと言っています。
学校の課題や予習復習などの家庭学習は比較的真面目にやっています。部活はやってません。
これだけなら良いのですが、私への暴言がひどく、私もかなり辛くなってきました。
食べ物などのストックが切れれば、すぐに激怒するし、お弁当を作ってもあれこれと文句を言い罵倒してきます。
怒ることを探しているようにも感じています。
会話をしても、すぐに突っかかってきて会話自体が成立しません。
たまに暴力もあります。
中1ぐらいからずっと毎日、娘がイライラしていて、私も生きた心地がしません。」

【子育て博士の回答】親が対応する範囲を超えしまっているのかもしれません

今回のご相談について、相談内容だけでは判断できないとしつつも、娘さんの言動から、専門家への相談が必要と和久田先生は語ります。
そのうえで、近年、大人の5人に1人がこころの健康「メンタルヘルス」の問題を抱える中、思春期にもメンタルヘルスの問題が起こりやすいことを、どの保護者にも知って欲しいとお話しされました。

このような感情的になったお子さんへの対応は「淡々と冷静に」。動画ではどのように接すればいいか、アドバイスいただきました。

お知らせ

子どもの発達科学研究所では、今回の連載の内容を含めたスペシャルセミナーを開催します!
子育て博士 和久田学が、「本当の自己肯定感」についての正しい知識や研究結果をお伝えするとともに、今注目の「アクティブラーニング」の観点から、自己肯定感を高めるコツを提案します。
本当の自己肯定感について知りたい方、アクティブラーニングを取り入れた学びをご検討中の方、お子さまの将来のために備えておきたいとお考えの方、ぜひご参加ください。

回答者紹介

和久田 学(わくた まなぶ)先生

和久田 学(わくた まなぶ)先生

公益社団法人子どもの発達科学研究所 所長・主席研究員。小児発達学博士。大阪大学大学院招聘教員、日本児童青年精神医学会会員及び教育に関する委員会委員他歴任。

教員経験ののち、博士号を取得した稀有な経歴を持つ研究者。日本の教育、子育ての世界に科学的根拠に基づく先進的な研究やプログラムを導入。「愛と科学は両立する」を信条に、子どもたちが本来持っている能力を存分に発揮できるよう、研究・開発・社会実装に力を注いでいる。
著書に『科学的に考える子育て~エビデンスに基づく10の真実~』(緑書房)、『学校を変える いじめの科学』(日本評論社)。その他論文多数。
本メディアでは、2021年7月から10月にかけて「反抗期を科学する」をテーマに全12回に渡り連載。

公益社団法人子どもの発達科学研究所 とは?

子育て、発達障害、いじめ予防、就労支援等に関し、科学的根拠に基づくプログラムの研究開発と提供を行う日本では数少ない社会実装団体です。
いじめ予防に関するオリジナル動画コンテンツの制作やプログラムの普及を行うほか、子どもの「こころ」の発達や「学び」に関する正しい支援・対応が学べる講座をシリーズで提供し、教育関係者や保護者の方々から高い評価を得ています。
すべての子どもの幼児期から思春期における成長を科学で支え、健やかな未来へと導くため、研究、開発、コンサルティングなど、幅広く活動しています。

公式サイト:https://kodomolove.org/

YouTube:「子育て応援チャンネル」