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inter-edu’s eye
中学受験において、志望校の選択肢のひとつとなるのが「面倒見の良さ」です。塾や予備校に行かなくても、学校が勉強面のサポートをしてくれるというイメージが強いですが、果たしてそれだけで面倒見がよいと言えるのでしょうか。城北学園 城北中学校・高等学校(以下、城北)の勉強だけではないサポート体制について校長の小俣力先生にお話をお聞きしました。
──まずは小俣先生のプロフィールについてお聞かせください。
──城北の勉強面のサポートについて教えてください。
小俣
校長
中高6年間を2年ずつに分けそれぞれ「基礎期」「錬成期」「習熟期」と位置づけて、発達に応じた指導を行っています。ですからそれぞれの期でサポート方法は変わってきます。
──中1、2の基礎期はどのようなサポートを行っているのですか。
小俣
校長
基礎期は、自分の力で立つための基本的な生活習慣を徹底して指導します。挨拶や約束、時間を守るなど人として大切なことを身につけると同時に自分に合った学習方法を自身で身につけられるようサポートします。まだ分からないことが多いと思うので先生は生徒一人ひとりに丁寧に指導していきます。
──中3、高1の錬成期、高2、3の習熟期はいかがですか。
小俣
校長
錬成期に入ると先生は少し手を引いて自分でやっていけるように促します。高2、3になれば先生が直接指導するというより生徒の主体的な学びをサポートする側に回ります。段階を踏んで生徒が一人で巣立って歩けるようにサポートしています。
──勉強面について具体的にはどのようなサポートをするのでしょうか。
小俣
校長
学年によって目的は変わってきますが、小テストや確認テスト、補習、夏期講習などを実施し充実した学習環境を作っています。夏休みには、高3を対象に長野県で勉強合宿を行い集中して勉強できる場も設けています。
──先生方はどのようなサポートを心掛けているのでしょうか。
小俣
校長
先生方には常に「生徒に寄り添って、生徒の夢の実現に向かってサポートをしましょう」と呼び掛けています。できるだけ生徒のニーズに応えたいという熱意を持った先生が多く、高3の夏期講習では30講座も設け熱心に指導しています。また、中1では学習で遅れる子を作らないようにほぼ毎日、英語と数学の小テストを実施し、さらに朝や昼休みなどで補習も行っています。
──生徒は中高6年間でどのように成長していくのでしょうか。
小俣
校長
最初は何をやっていいか分からない中1の生徒も毎日の小テストで継続して学ぶことの大切さを実感します。そして、少しずつ先生からの手を離れ生徒自らが進みたい道を選び、そのために必要なことを学ぶようになります。高3になれば、学びたい問題を先生に要望したり、質問に行ったり自分自身の手で進路をつかみとるようになります。
──生活面のサポートについて教えてください。
小俣
校長
まずは学期に1度アンケートを実施しています。気になる回答があった場合は個人面談や場合によっては三者面談をすることもあります。ただ、アンケートに書けないという生徒もいると思いますので、普段の生活から担任、副担任、学年主任をはじめクラブの顧問、保健室の先生に至るまで情報を交換するようにして一人ひとりの変化に気付けるようにしています。
──相談したい生徒への対応はどうしていますか。
小俣
校長
臨床心理士がスクールカウンセラーとして週に2回来校しています。そのほかにも臨床心理士のメールアドレスを生徒、保護者に渡しているのでいつでも相談できる体制を整えています。緊急性のある場合には校長・教頭で共有して対応を取る場合もあります。また、学校には来たけれど教室には行けないという生徒のために「生徒相談室」という部屋を設置しています。
──生徒相談室はどのような部屋なのでしょうか。
小俣
校長
相談室には2人の本校OBの教員がいます。話を聞いたり、時には勉強を教えたり、自由にくつろげるスペースを作っています。
──いじめへの対応を教えてください。
小俣
校長
いじめに対しては早期発見と情報共有が大切だと考えています。担任の先生だけではなく、生徒に関わる先生すべてが「いじめは許さない」という気持ちでしっかりと対応していきたいと考えています。
──勉強への手厚いサポートを行う一方でクラブ活動にも力を入れている理由を教えてください。
小俣
校長
現在、48のクラブがありますが、クラブ活動や委員会などを通して先輩後輩のタテの関係を学んでほしいと思います。中1から高3の一番大きく変化する時期のお子さまをお預かりするので勉強だけではなく、人間形成も大事にしたいと考えています。
──今後、城北が目指す先について教えてください。
小俣
校長
現在は、グローバル化に対応した取り組みとICTを進めています。希望者に試験休みを利用して3日間英語漬けの時間を送る国内留学や語学研修などを実施しているのですが、参加する生徒が増えニーズの高まりを感じています。ICTも含め目指す先は、生徒の発信力を高めたいという思いがあります。自分が伝えたいことを当たり前に発信する力を育てていきたいですね。そのためにこれまで行ってきた理科の自由研究発表や私の主張コンクールなどに加え、発表する機会を増やすようにしています。
──最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
小俣
校長
私たちは子どもに寄り添いながら夢を叶えてあげたい。そのために全力で生徒と向き合う気持ちでいます。好奇心や向上心の強いお子さまにぜひ本校に来てほしいです。
編集者から見たポイント
小俣先生の言葉からは、常日ごろから生徒のことをよく見て、親身になっているという姿勢が伝わってきます。そのおかげで生徒の変化にもいち早く気付くことができますし、対応できる環境をすぐに整えることができると感じました。その環境が作れるのは、現場の先生方の強い熱意があるからこそ。校長の立場から見ても、先生方が切磋琢磨しながら生徒によりよい教育を提供しようとしている姿に感銘を受けているそうです。城北をさまざまな角度から見ても面倒見の良さが分かるインタビューでした。
中学イベント日程
第1回中学校 入試説明会 | 11月23日(金) |
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第2回中学校 入試説明会 | 12月1日(土) |
第4回中学校 学校説明会 新小学5・6年生対象 |
2月23日(土) |
高校イベント日程
高等学校 入試説明会 | 11月23日(金) |
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施設見学会 | 12月16日(日) |
第3回高等学校 学校説明会 新中学2・3年生対象 |
3月9日(土) |
小俣
校長
都内の中高一貫の男子校を出て、大学では林業を専門に学びました。高校時代の恩師に勧められて教員になり、城北では33年指導して今に至っています。