第2回 「勉強しなさい」で、子どもが勉強したら、誰も苦労しない

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第2回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年4月12日)

「勉強しなさい」で、子どもが勉強したら、誰も苦労しない

子どもが遊んでばかりいたり、テストの点数が悪かったり、成績がなかなか上がらなかったりすると、つい「勉強しなさい!」と言ってしまいがち。でも、いくら「勉強しなさい」と言ってみても、子どもはやる気がなくて、成績が上がる気配もない・・・こうなると、親は焦るばかりでどうにもしようがなくなってしまいます。
うちもそんな時期を経験しました。でも焦れば焦るほど、「勉強しなさい」が口をついて出てしまい、子どもはますます言うことをきかなくなります。つまり、悪循環。

そんな悪循環を断ち切るには、自分がどんな気持ちで子どもを叱ったり、はげましたりしているのか、親のほうが自己分析すべきかなって思います(今だから思えるのかもしれませんが)。
というのは、子どもは、親が見栄で叱っているのを、ちゃんと見抜いていると思うからです。自分の子どもの頃を思い出しても、見事なほど親の欺瞞や嘘に敏感だったような気がします。
みなさん、「○○ちゃんに負けてくやしくないの?」とか、言っていませんか? そして、「じゃあ、お母さんのときはどうだったんだよ?」とか、「そんなに怒るんなら、お母さんやってみろよ。できるかよ」などと、言い返されたりしていませんか?

6年生の塾の算数ともなると、大人だって突然出題されたらできない問題もあります。子どもから、「やってみろ」と言われて、たじたじになりかねません。そういうときにごまかさず、きちんと子どもに向き合うのがいい親なんだろうな、と思うわけです(これがなかなかむずかしいんですが)。つまり、きちんと子どもに向き合うためには、その前に、自分自身を振り返っておかなければならないということなのだろうと思うわけです。

子どもは、親の心に敏感に反応するものですよね。だから条件反射のように、「勉強しなさい!」と言うのは逆効果なのだと思います。「お母さんは、ボクの成績が悪いと、見栄をはれないから怒っているのだ」と思われる前に、ちょっと立ち止まって、自分を振り返ってみるのもいいかもしれません。

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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