ケアレスミスを減らす方法
2016年8月24日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/8/24号 ケアレスミスを減らす方法 監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com |
【今週の必修語】無味乾燥 (むみかんそう)
「オリンピックが終わり、毎日の生活が無味乾燥でつまらないなぁ……」
「期間中は毎日のようにドラマが生まれていたからね」
無味乾燥とは味わいもおもしろみもないようす。『無味』は味わいがないこと、『乾燥』は物事に潤いや趣がないことを意味します。
8月4日からブラジルのリオデジャネイロで行われていたオリンピックが、22日に閉会。日本は金メダル12個、銀メダル8個、銅メダル21個を獲得し、合計で前回のロンドン大会を超える過去最多41個のメダルを獲得しました。
個人で活躍が目立ったのは、体操男子の団体総合と個人総合で優勝し、2個の金メダルに輝いた内村航平選手と、競泳男子で400メートル個人メドレーで金、200メートル個人メドレーで銀、800メートルリレーで銅と、3つのメダルを獲得した萩野公介選手。
ほかにも、バドミントン女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組がバドミントンで日本勢初の金メダルを獲得。
卓球の水谷隼選手やテニスの錦織圭選手、カヌー競技で初となる銅メダルに輝いた羽根田卓也選手など、快挙が相次ぎました。陸上男子400メートルリレーで、山縣亮太選手、飯塚翔太選手、桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手が銀メダルを獲得したのも印象的です。
自国開催となる2020年東京五輪に向け、期待をふくらませる成果を上げたリオ五輪。4年後がますます楽しみですね。
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受験勉強がスタートしてから入試本番まで、多くの親御さんが頭を悩ませるのが、お子さまのケアレスミスです。
ケアレスミスとは、実力からすれば当然正解できる問題を、不注意によってうっかり間違えてしまうこと。残念なことに、ケアレスミスは学年があがって精神的に成長しても、自然に減っていくことはありません。
急に減るものでもなく、地道な努力が必要なのです。1点を争う中学受験ではケアレスミスが合否をわけることも多々ありますから、放っておかずに、できるだけ早く対策を講じましょう。
ケアレスミスを改善するために必要なことは、やってしまいがちなケアレスミスのパターンをお子さまが自覚することです。
ケアレスミスは指摘されなければ気づかないことが多いため、親御さんが協力してミスに気づかせてあげてください。テスト直しをする際に、お子さまに「どこで間違えたのか、見つけてごらん」と、声かけをするのが効果的です。
ケアレスミスのパターンは多種多様ですが、大きく分けると2種類あります。
それは、計算ミスと読み取りミスです。
計算ミスは、ひっ算の桁が揃っていなかったり、文字が乱雑だったり、途中式を省いたりすると起こりやすいです。ていねいに計算に取り組む習慣をつけましょう。
「こんなふうに汚い字で書くからミスするんでしょ! もっときれいな字で書きなさい!」といったような言い方では、お子さまの心に届きづらいです。
「あなたが今見つけたように、式の途中の『6』と『0』を読み間違えたから、不正解だったんだね。ていねいな字で書けば、今度は正解できそうね」といったような声かけで、導いてあげてください。
くり上がりやくり下がりのミスも多いのですが、これもくり上がった(下がった)数字を小さく読みやすく書くようにすれば、防ぐことができます。
読み取りミスは、全教科で起こりえるケアレスミスです。
よくありがちなのが、算数や理科の文章題の「ただし、小数点第2位以下は四捨五入とする」といった文章や、国語や社会の文章題の「間違っているものを2つ記号で答えなさい」といった文章を見落としてしまうこと。
答えに直結する大切な一文ですが、テスト中に焦ると、子どもは読み飛ばしてしまったりします。問題文を読むときに、目だけで追うのではなく、文字の上を鉛筆でなぞって読むクセをつけると効果的です。
すべての教科においてあまりにケアレスミスが目立つ場合、正解を導くよりも、とにかく早く答えを出そうと焦っている可能性が高いです。普段の勉強からあたふたした学習になっていないか、チェックをお願いします。
また、お子さま自身が「これはケアレスミス」と言っていても、実はそうでない場合があります。それは、漢字の横線が一本多かったり、酸性とアルカリ性の特徴を反対に覚えていたりといった、根本的な間違いです。
この場合は、きちんと覚えなおしたり、テキストを読んで理解し直す必要があるので、注意してください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【 1~3年生 】地球儀は勉強に役立つアイテム
リビングや子ども部屋に地球儀が置いてあるご家庭も多いと思いますが、ただのインテリアになってしまってはいませんか?地球儀は地球の形をそのまま縮小した模型で、地球上の距離、方位、面積、角度のすべてをほぼ正確に表現しており、勉強に使える優秀なアイテムです。
「2022年はカタールでワールドカップがあります」というニュースを見たら、カタールがどこにあるのか調べてみる、といった具合に、生活の中で積極的に利用してください。地図帳もありますが、平面で距離感がわかりづらいので、地球儀で調べる方がおすすめです。
場所をチェックする以外にも、地球儀の傾きが地軸の勉強になりますし、緯度・経度が10度ずつ刻まれているので、「これはなんだろうね?」と言って親子で調べてみるのもよいですよ。
【 4年生 】 お子さまへの声かけはポジティブな言葉で
「あなたは計算が苦手なんだから、計算問題を毎日やりなさい」。お子さまに何かを促すとき、このような言い方をしてはいませんか?
子どもは「〇○ができないから」という否定の言葉を聞いた時点で、やる気を失ってしまいます。学習のアドバイスをするときは、「○○をすると、○○のようないいことが起きる」という話し方をするように意識してください。
「あなただったら○○すると、○○のようないいことが起きそうね」という言い方にすると、お子さまは成功の予感に基づいて努力しようという気持ちになれるのです。
このように、お母さまはポジティブな声かけを心がけて、お子さまが前向きな気持ちで勉強に向かえるようサポートをお願いします。『勉強は正しくやると成果が出て楽しい!』という実感が、受験勉強の成果をぐんぐんあげてくれます。
【 5年生 】お子さまのノートの図をチェック
夏休みが明けると、算数の文章題がより複雑になり、問題を解くときに図を描くことがますます重要になります。
図を描くことをめんどうくさがり、頭の中だけで考えて解いてしまおうとするお子さまが増える時期ですので、親御さんがしっかり見てあげてください。
ノートを見て、表の書き方や線分図、面積図の書き方のチェックをお願いします。図を描いていなかったり、乱雑になってしまっている場合は、図の重要性をお子さまに伝え、きちんと描くように導いてあげてください。
【 6年生 】疲れがピークに…お子さまの体調は大丈夫?
夏休みもいよいよ大詰めですね。身体的にも精神的にも疲れがたまっている頃かと思いますが、お子さまの体調はいかがでしょうか?
夏風邪をひくと約2週間分の学習がおろそかになってしまいますので、体調管理はしっかりお願いします。どんなにやることが多くても、睡眠時間は削らないことがポイントです。
また、秋も近くなってきて気温の変化もあります。夕方から夜にかけての授業であれば、長袖の上着を持たせるなどの配慮をお願いします。そして万が一、体調を崩してしまった場合は、回復を最優先に考えてください。
【 6年生難関 】合格可能性を高める学習法とは?
お子さまがまだ合格基準に達していない場合は、合格の可能性を高める学習を行いましょう。合格の可能性を高める学習とは、落としてはいけない問題で確実に得点できるように、解けるべき問題にのみ集中するというもの。
夏期講習の教材には、超難問や奇問が多く含まれています。難問や奇問にばかり時間をとられることがないように注意してください。
応用力とは、基礎知識を組み合わせる力です。抜け落ちている知識や忘れてしまった解き方を一つでも多く見つけ出して、その場で覚え込むようにしましょう。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
4年生から入塾した長男。負けず嫌いな性格が功を奏し、5年生になる頃には1番上のクラスに上がることができたのですが、そこで気が緩んだのか、3歳年下の次男とゲームに興じるようになりました。
何度となく注意をしても聞かないので、ゲーム機を隠したこともありました。でも、その度に探し出してゲームをやめないため、私はお手上げ状態。
そんな勉強に身の入らない生活が2か月ほど続いた結果、案の定、1つ下のクラスに落ちてしまいました。
落ち込んでいる長男を見て、「ゲームばっかりしているからクラスが落ちたのよ。自業自得でしょ!」と、叱責したい気持ちもありましたが、グッとこらえて、「クラスが落ちるなんて、よくあることだよ。また頑張れば、1番上のクラスに戻れるから!」と、笑顔で励ましました。
この言葉をきっかけに目を覚ましてくれたようで、長男自ら「お母さんが持っておいて」と私にゲームを預け、勉強に励むように。
それから半年ほどかかりましたが、無事に1番上のクラスに戻ることができました。第一志望校合格後に本人から聞いた話ですが、受験勉強で最も辛かったのは、クラスが落ちた時だったとのこと。
それでも踏ん張って頑張り、また1番上のクラスに戻れたことが大きな自信につながったと言います。クラス落ちは、大きな挫折をバネにして自信をつけるチャンスでもあるのだと感じました。
周りを見てもクラスの上下はよくあることでしたから、親御さんはあまり神経質にならずに、「また頑張ろう!」と明るくお子さまを導いてあげてください。(アイス)
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