塾のプリントの正しい管理法
2016年9月21日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/9/21号 塾のプリントの正しい管理法 監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com |
【今週の必修語】右顧左眄 (うこさべん)
「連休で家族旅行に行くんでしょ? どこに行くか決まった?」「父が家族の意見を聞いて右顧左眄したけど、ようやく決まったよ!」
右顧左眄とは、周りを気にして、なかなか決断を下さないこと。他人のようすをうかがって、決断をためらうこと。『右顧』は右を見る、『左眄』は左を見ることを意味します。
明日9月22日は、秋分の日。
祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日として、1948年に法律で制定されました。 秋分の日は7日間のお彼岸の中の1日で、昼と夜の長さがほぼ等しい日でもあります。お彼岸は、お仏壇やお墓を掃除したり、花や果物を供えたりして、ご先祖さまを供養して過ごします。
このお彼岸に供える食べもので代表的なのが、『おはぎ』です。小豆の赤い色に魔除けの効果があると信じられており、邪気を払う食べものとしてご先祖様へのお供え物に使われてきました。
みなさんもお彼岸にはお墓参りに行って、ご先祖さまにごあいさつし、おいしいおはぎを食べてみてはいかがでしょうか?
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中学受験において、多くの親御さんが頭を悩ますのがテキストやプリントの管理です。お子さまのカバンや引き出し、机の上にプリント類が散乱している、なんてことはないでしょうか?
塾から配布されるプリント量は膨大で、4年生から6年生まで塾通いをすれば、プリント類を収納した段ボール箱だけで1部屋が埋まってしまうほどになります。とてもお子さまの手には負えない量ですから、親御さんが整理整頓をサポートしてあげてください。
管理に際して守っていただきたいのは、受験が終わるまでテキストやプリント類はすべて保管しておくこと。
理由は2つあり、1つは復習したいときに役立つからです。
塾では次から次へと新しい単元を学ぶため、前に習ったことの記憶が薄れていってしまいがちです。範囲が限定されない実力テストで出題された問題がわからなかったときや、社会・理科の覚え直しを行うときなどには、昔の教材を引っ張りだしてきて、勉強し直す必要があります。
そのとき、「テキスト、どこにしまったっけ?」「あのプリント、捨てちゃったかも…」となってしまったら、大変です。教材を探し出すのに労力や時間を割くことのないように、ある程度整理して保管しておきましょう。
教科ごと・単元ごとに分類するのがベストですが、そこまでするのは親御さんにとって負担が大きいので、時系列ごとにまとめておければ十分です。
たとえば、4年生の4月~6月までのプリントを日付の古い順に積み重ねて段ボールに収納していくようにお子さまに促し、段ボールの上部や側面にマジックなどで『4年生 4月~6月』と書いておく、といった具合です。こうしておけば、復習したい単元が何年生の何月に習ったものかがわかれば、すぐにテキストやプリントを発掘することができます。
すべてを保管すべきもう1つの理由は、お子さまの努力を労うためで、こちらの方がより大切な理由になります。
積み上がっていく大量のプリント類は、お子さまが積み重ねてきた努力の証です。教材を示しながら、受験前には「こんなに頑張ってきたんだから大丈夫だよ」と自信を深める言葉をかけ、合格したあとには「こんなに頑張ってきたかいがあったね」と労いの言葉をかけてあげてください。
お子さまの努力が大量のプリントという形になって目に見えると、労いの言葉もぐっと説得力を増します。
とくに、受験の結果が期待通りではなかったとき、親御さんからの労いは必須です。
プリントやテキストの山を示しながら、「あなたはこれだけ頑張ってきたんだよ。希望通りの結果ではなかったけれど、これだけ頑張ったのだから、この先絶対いいことがあるからね」と声をかけてあげてください。
親御さんが明るく「よく頑張ってきたね」と言ってあげることで、お子さまは「また頑張ってみようかな」と思え、未来への道筋ができるのです。
お子さまがこれまでの自分の努力を肯定し、前向きな気持ちに切り替えるために、大量の教材はとてもいい証になります。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【 1~3年生 】入塾テストに向けた国語の対策
もうすぐ10月。
塾の入塾テストでは、漢字の読み書きが必ず出題されます。中心は、小3の配当漢字ですが、読み書きは小4の配当漢字からも出題されることがあります。ですから、漢字は、1学年先の範囲まで勉強しておきましょう。
漢字練習をする際には書くだけでなく、漢字を文章の中で使う短文作りを行っておくといいですよ。
また、3年生のこの時期になると、学校の宿題として音読が課されなくなる傾向にあります。宿題で出なくても、音読は続けることをおすすめします。
学校の教科書ではなく、『自由自在 3・4年生用』の国語の文章など、少し難しめの文章を音読するのが効果的です。
【 4年生 】塾の先生の鮮やかな解法に惑わされない
塾の先生の中には、鮮やかな解法を使って算数の問題を解説する先生が一定数存在します。お子さまがこのような解き方に触れると、『パッと解けることがよいのだ』と考えるようになりがちです。
そうなると、条件を整理したり、図を描いたりすることを『面倒くさい』と感じるようになってしまうことがあります。その結果、複雑な問題に弱くなってしまう可能性があります。
条件を書いたり、図を描いたりしながら、ああでもない、こうでもないと考えていくことで、考える力は育っていきますから、「パッと解く」ことだけをくり返すのは危険です。塾の授業で問題を解くときには、鮮やかな解法でなくても、知っているやり方を組み合わせたり、いろいろ試して自分の力で答えを出す努力をするようにお子さまに促してください。
ノートやテスト用紙をチェックし、途中式を省いたり、直感で解こうとしているようすが見えたら、自分で図や式をきちんと描き、納得感を伴った学習になるように修正してあげてください。
【 5年生 】応用力を伸ばす学習とは?
問題の難易度がグッと上がる5年生の2学期。これからは、親御さんがノートやテストの解答を見ても、成績が下がった理由がわからないことがほとんどになります。
頑張って勉強しているのに点数がとれないと思うときには、教える力のある第三者、塾の講師や家庭教師を見つけて、早めに手を打つことも選択肢のひとつと考えておいてください。
成績低下の主な原因は、これまですべてを暗記で解決してきたために応用問題に対応できなくなってきたことです。算数ですら、「とりあえず、この方法を覚えておこう」とすることが、学習の中心になってしまっていることがあります。
この時期からは応用問題で点数がとれないと成績があがっていきません。どんなに暗記力や計算力があっても、それだけでは応用問題は解けないのです。
応用力を伸ばすには、「だからこうなるんだ!」「なるほどなぁ」という経験を積み重ねる勉強をしていく必要があります。お子さまが暗記に頼っているようだったら、納得感を伴った学習ができるよう、『家庭内ミニ授業』を増やすなどして、修正してあげてください。
【 6年生 】親御さんは暗記のサポートを
この時期にお子さまが解いている算数の問題や国語の記述は、ほとんどの親御さんにとって手に余るものです。お子さまが悩んでいるようすだったら、塾の講師や家庭教師など、プロの指導を頼るように促してください。
そして、親御さんにぜひお願いしたいのが、理科や社会の暗記のサポートです。一問一答形式で、お子さまに問題を出してあげてください。暗記教材の質問と答えを反対にして、お子さまに問題を出してあげれば、より効果があります。
たとえば、「1582年に明智光秀が織田信長を討った出来事を何という?」という問題だと、答えの方には「本能寺の変」と書いてあります。これをお子さまに口頭で問題を出すときには、「本能寺はどんな出来事?」と、尋ねてあげてほしいのです。
質問と答えを反対にすることにより、グッと知識が定着します。
【 6年生難関 】記述は完ぺきな解答を目指さなくてもOK
国語の記述問題に関して、お子さまが自信を失っているようすはありませんか?
記述問題は、解答を作成したら、塾の先生に添削してもらっていると思います。塾の先生が添削した文章を見て、「こんなの書けないよ…」と、自信をなくしてしまうお子さまが、実は多くいるのです。
塾の先生の添削や過去問の模範解答は非常に見事ですが、実際に入試問題の採点をしている学校の先生に話を聞くと、「子どもらしい文章でも、点数をあげている」とおっしゃっています。
△の解答を積み上げていけば合格点には届きますから、記述問題では完ぺきを目指さなくてもよいのだということを、お子さまに教えてあげてください。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
長男は頑張って勉強に取り組むものの、注意力が散漫。
「正しいものを2つ記号で選んで答えなさい」という問題なのに1つしか答えなかったり、「小数点第2位を切り捨てて答えなさい」と指示されているのに勝手に四捨五入したりと、もったいないミスばかりします。
4、5年生の頃は「問題文はきちんと読もうね」と、私も優しく注意していたのですが、6年生になっても改善しないため、「なんで問題文を読まないの!」「もっと集中してテストを受けなさい!」と、テスト結果が返却されるたびに叱っていました。
でも、いくら怒ってもミスは一向に減らず、夏休み前の実力テストでは過去最低の偏差値をマークしてしまいました。
「こんな成績じゃ、K中学校なんて絶対受からないわよ!」と、長男を叱っていると、たまたま居合わせた高校生の長女に、「さすがに言い過ぎじゃない? なんでお母さんがそんなにイライラしているの?」とたしなめられて、ハッとしました。
私はずっと長男のためを思って叱っているつもりでしたが、いつも同じようなミスをして点数が上がらないイライラや、志望校の合格偏差値に届いていない不安を、長男にぶつけているだけだったということに気づいたのです。
それ以来、きつい言葉で叱るのではなく、「問題文を読みながら、条件の部分には線を引いておくとミスが減るんじゃないかな?」「テストを受ける前には深呼吸して、焦らず落ち着いて解いていこうね」と、具体的なアドバイスをするように心がけるようにしました。
すると、長男のミスは徐々に減っていき、無事に第一志望校に合格することができました。
中学受験に取り組んでいる時期は、親が子どもの成績やミスに対してイライラしたり、不安になったりしがちです。自身の言動を時々省みることをおすすめします。(アメイジング)
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