中学受験、塾に通い始めるのはいつから?
inter-edu’s eye
中学受験塾に入ると、子どもだけでなく家族の生活が一転するため、塾通いをいつから始めるかは大きなターニングポイントとなります。また小学校低学年からの塾通いが増えているなか、中学受験への不安も手伝って、少しでも早く通い始めたほうがよいのではと考える親御さんもいるようです。
そこで今回は、エデュママにいつから塾に通い始めたかをアンケートし、塾通いを始めるタイミングをどう考えたらよいかをまとめました。
◆調査方法:インターネット調査
◆回答数:739名
◆調査エリア:全国
◆調査時期:2018年1月15日〜2月13日
「塾通いの低年齢化」が進んでいる!?
中学受験のためにいつから塾に通い始めましたか?
アンケート結果は、小学3年生(新小4)の2月ごろが23.3%で最も多く、2番目には小学4年生(新小5)の2月ごろの10.7%となり、以下は多少の差があるものの回答が分散しています。
やはり、中学受験の大手塾が、新小学4年生の2月からカリキュラムをスタートさせている影響でしょう。しかし、76.7%がこの時期に通い始めるわけではないという結果にも注目しましょう。
中学受験のためにいつから塾に通い始めましたか?【学年別集計結果】
そこで、上のグラフの回答結果を学年に分けて集計をしてみました。すると、小学3年生以下で全体の50%、小学4年生以下では全体の約75%という割合になりました。
では、親御さん世代が中学受験時の30年前と比較してみましょう。
1985年~1990年は中学受験が増加した時代であり、そのころの中学受験塾では、新小学5年生の2月からカリキュラムをスタートさせていました。昔と比べると塾通いが1年早くなっていることが分かります。
つまり「塾通いの低年齢化」が進んでいるのです。
入塾時期の早い・遅いは受験に影響する?
塾通いはなぜ新小学4年生の2月開始なの?
大手中学受験塾では、2月入試に照準を合わせてカリキュラムを組んでおり、2月を新学年としています。
新小学4年生からの3年間のカリキュラムが組まれている理由は、生徒の囲い込みといった塾経営上の事情もありますが、入試問題を完全に網羅したカリキュラムと対策を組めるようした結果、塾で学習する内容が膨大になり、新小学4年生からとなったことがあげられます。
また、大手塾では、新小学5年生から急に学習進度と量が増えるようなカリキュラムのところが多く、新小学4年生から塾の学習スタイルに慣れてもらうという意図もあるようです。
よって、大手塾を基準に考えれば、早ければ早いほどよいという理由は特になく、学習習慣がついていれば、新小学5年生の2月からでもいいのでは、とも考えられます。
塾通い開始のタイミング、まわりに流されないで!
最近の教育熱心な親御さんは、お子さまにリスクを取らせたくない安全志向の傾向があるようで、それが塾の開始時期にも表れているように感じられます。
ですが、早くから始めすぎて息切れしてしまうお子さまもいるでしょうし、親御さんとしても、本当は小学生生活を受験一色にさせたくないという思いもどこかにあるのではないでしょうか。
合格するためには仕方ない…という判断ではなく、ご家庭の教育として何を大切にしたいか、子どもの年齢と性格に合った受験勉強への取り組みを考えた上で、まわりに流されない判断をしたいところです。
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1代表、小川大介さんは「成績アップと合格をかなえるコツとわざ もう悩まない中学受験」の著書の中で、
「自分たちはこうやって勉強を進めていくという『軸』をもつことです。お子さんがかなえたいことを目標に据え、それを実現するための最善の道を見つけること、やるべきこととやらなくていいことを取捨選択する判断基準を作ること。これが『戦略』です。」(エデュママブック「【中学受験】親だからできる成績アップと合格作戦」より)
と述べ、子ども一人ひとりにあった「家族の戦略」を作ろうと提案しています。
このように考えれば、大手塾に通う場合、比較的学習がゆるやかな小学4年生中の通塾開始であっても、やり方しだいで挽回もできるのではと思えますし、小学5年生からの通塾では遅いからきっと太刀打ちできないだろう…とネガティブに考えることもなくなります。
塾通いを始めるタイミングは、まわりに流されず、ご家庭の中学受験に対する考えを軸に判断することが大切ではないでしょうか。
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