徹底したキャリアマザーサポート!新渡戸文化小中学校
第20回では、東京都中野区にある新渡戸文化小中学校校長の朝倉寿夫先生にインタビュー。今年から正式にスタートした「小中一体教育」の内容や、東京都23区内では最初に導入したアフタースクールなどについて詳しくうかがってきました。
今年から正式にスタートした「小中一体教育」
共働き家庭の強い味方アフタースクール
エデュ:まず貴校の教育の特徴を教えてください。
朝倉先生:本校は初代校長の新渡戸稲造先生の、「人の子を預る以上は、親心を以てこれに対すること」、「学課を授くるに智育のみに偏せざるよう思慮と判断力の養成に努むること」という教えを守り、子ども園から小中学校、高校、短大まで続いているのが特徴です。
大きな取り組みとしては伸び伸びと学べる環境により、一人ひとりの個性、学力、そして人間性を着実に育んでいけるように今年から正式にスタートした「小中一体教育」があります。これは1~4年生を「心を耕し、種を蒔く時期=Primary(プライマリー)」として、基礎・基本を中心とした学び、学校生活を楽しみ、安心して過ごせる環境を作り、5~9年生を「芽が育ち、実を結ぶ時期=Secondary(セカンダリー)」として、個に応じた学び、心も身体も鍛える環境作りを目指しています。本校としては9年間の教育体制を浸透させていきたいと考えていますが、6年から7年生の進級の際は、お子さんに合った進路を検討されるご家庭も出てくると思いますので、こういった場合には、できる限りのサポートをさせていただく予定です。
エデュ:入学後、個に応じた選択肢もあるということですね。そんな手厚いサポートを行う貴校は、東京都23区内で初めてアフタースクールを導入したとうかがっています。
朝倉先生:おっしゃる通りです。ご存知のように今は、共働きのご家庭が非常に増え、本校に限らずアフタースクールを導入する私立小学校は非常に多くなっています。ただその中でも本校は他校様にはない強みをもっています。
エデュ:それは何でしょうか?
朝倉先生:3つお話しします。
1つ目は「受け入れ態勢」です。平日毎日開いているのはもちろんですが、夏休み、冬休み、春休みの長期休暇も朝7時30分から開校しています。さらに行事の代休や台風・大雪などによる臨時休校時も、学校が休みでもアフタースクールは朝7時30分から利用することができます。共働きのご家庭にとって強い味方だと思っています。
2つ目は「安全・安心」です。入退室はメールでお知らせするのはもちろん、17時30分、18時、18時30分に最寄りの駅やバス停までスタッフが付き添っています。さらにケガや体調が悪くなったときのために、看護師が19時まで保健室に常駐しています。
3つ目は「多彩なプログラム」です。「好きなことを見つけ、得意を伸ばす」ためにSPORTS、STUDY、ARTの3つにジャンルを分け、22種類以上のプログラムを一流講師陣が教えています。例えばSPORTSにはサッカー、バスケットボール、体操。STUDYにはプログラミング、英語、そろばん。ARTには書道、クッキング、合唱などがあります。講師陣は小中学校のクラブ活動「新渡戸クラブ」でも指導にあたっていますので、一人ひとりが自分の興味を持ったことをさらに深く身につけることができます。
また、これはアフタースクールに限定されるものではありませんが、本校は給食も強みの一つです。短大に栄養士養成の学科があるのでそこと連携し、食育のレクチャーなどもしてもらっています。アフタースクールでは温かみのある、手作りおやつを出しています。
子どもたちへの強い刺激「立志塾」
第一線で活躍する著名人のお話
エデュ:貴校の特色あるカリキュラムを3つ教えてください。
朝倉先生:1つ目は縦割り教育で行われる「体験活動」です。本校では「縦割り生活班」と呼んでいますが、1年生から6年生までを12~13人の1つの班にまとめ、毎日の掃除をやったり、スポーツ大会を行っています。そして夏のキャンプでは低学年の2年生と3年生。高学年は4・5・6年生が3泊4日一緒のテントで過ごします。異年齢の子どもたちが触れ合うことで、これから生きていくための社会性や協調性を育てています。
2つ目は本校独自の教科として一昨年からスタートした「サイエンスコミュニケーション科」です。授業は外部の機関と連携しオリジナルの教材を開発。1年生から段階的に難易度を上げながら、高学年では実社会での問題をテーマに、解決に向けて他者と意見交換の中で多角的に問題を捉え、答えが一つではない問題を解決できる能力を伸ばすことが目的になっています。例えば5年生では、視覚障害の方に協力してもらい、目の見える人だけでなく、視覚障害のある方も楽しめるラジオ番組制作を手がけました。
3つ目は心を耕し、種を蒔く時期、プライマリーの集大成として小学4年生で行われる「立志塾」です。第一線で活躍される著名人の方々に接することで、大きな志を持ってもらうのが目的になっています。
2017年度は4回の特別授業を実施し、女子サッカー選手の安藤梢氏、プロ将棋士の瀬川昌司氏、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏、元女子マラソンオリンピック代表のスポーツジャーナリストをお呼びしました。成功したお話ばかりでなく、挫折してどう乗り切ったのか、きつかったとき誰が支えてくれたのかなどの話を聞くことで、たくさんの刺激を受けてもらいたいと思っています。
新しい取り組み以上に大事にしたいもの
あくまで主役は子どもたち
エデュ:貴校を受験するご家庭に向けて、これだけは身につけておいてほしいことはありますか?
朝倉先生:本校ではペーパーテストはあまり重視していません。それよりは年齢に応じた生活習慣がきちんと身についているかどうかを見させてもらっています。具体的には挨拶、ありがとうという感謝の気持ちを言えるのか、お箸や鉛筆を正しく持てるか、きちんと人の話が聴けるかどうか。そして、いただきますやごちそうさまのきちんとした食事の態度をとることかできるかどうかです。
一見簡単にできるのではと思われがちですが、共働きのご家庭が増え一緒に食事をする機会が減っているので、正しいお箸の持ち方や、食事のマナーを知らない子が増えています。出来る限りでいいので、一緒に食事をとる機会を増やしてほしいと思っています。
エデュ:最後にこれからやってみたい取り組みはありますか?
朝倉先生:先ほどお話しした本校の教育の特徴の一つ「小中一体教育」の充実です。セカンダリーの教育内容がさらに魅力あるものとなるよう子どもたち、保護者の方と一緒に作り上げ、確立していきたいと思っています。それと同時に大事にしたいのが、子どもたちに「学校は楽しいところ」と思ってもらうことです。一人ひとりに居場所があって、毎日楽しく通うことができる、そんな学校にしていきたいです。
新渡戸文化小中学校データ
学校名 | 新渡戸文化小中学校 URL: https://www.el.nitobebunka.ac.jp/ |
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男子・女子・共学 | 共学 |
所在地・アクセス | 〒164-8638 東京都中野区本町6-38-1 東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」より徒歩5分、「新中野駅」より徒歩7分 |
制服の有無 | 有 |
給食の有無 | 有 |
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