第1回 「母親力」を正しく発揮して受験を成功させるには?:エデュママブック

エデュママブック
2015年4月17日

第1回 「母親力」を正しく発揮して受験を成功させるには?

inter-edu’s eye
『エデュママブック』は、これまでエデュママリサーチで紹介してきた『おすすめ書籍』の特設コーナー。小学生のママ、中学受験生のママに、ぜひチェックしていただきたい書籍を隔週でご紹介していきます。よろしくお願いいたします。

話題の本『中学受験を9割成功に導く「母親力」』

『中学受験を9割成功に導く「母親力』繁田和貴

「開成番長」と呼ばれるカリスマ塾長、繁田和貴さんの『中学受験を9割成功に導く「母親力」』という新刊が話題になっていると聞いて、早速読んでみました。なるほどタイトルに偽りなし! 中学受験生の母親は、どんなふうにわが子をサポートすればよいのか、とても具体的なアドバイスが紹介されている本でした。

まず、ご存じない方のために著者をご紹介しておきます。繁田和貴さんは個別指導塾『TESTEA(テスティー)』の塾長さんで、ご自身も中学受験を体験、開成から東大へと進んだ方です。受験生時代には、波瀾万丈の学生生活を送りながら、「SAPIXで3年連続1位」「開成で学年トップ」「ラスト3か月で東大に逆転合格」などの実績を残し、東大卒業後は、自らの体験を子どもたちのために生かしたいと考えて個別指導塾を開校。以来、中学・高校・大学受験生に受験指導を行っています。

そんな著者の繁田さんから、エデュママへメッセージをいただくことができました。

幸せになる中学受験を願って!

「インターエデュをご覧のみなさん、こんにちは。繁田和貴と申します。
杉並区で塾を始めて9年、たくさんのお母さんから相談を受けてきました。
みなさん、お子さんの勉強でなんらかの悩みを抱えて当塾にいらっしゃるわけですが、母親のわが子を思う気持ちは本当に美しいもの。
現状をより良くしようと一生懸命になってお子さんのことを考えていらっしゃいます。
ただ、焦って周りが見えなくなりかけているお母さんもいて、その様子に不安を感じることがあります。
そうした場合、たいてい子どもも、必要以上のストレスを感じているように見えるのです。
中学受験は、誰もが例外なく、お子さんの幸せを願って始めるもの。
まちがえても中学受験が親子の溝を深めるような形になってはいけません。
本書は、『中学受験が正しく子どもたちの幸せと家族の笑顔につながるように』という願いを込めて書きました。」

こんな愛情あふれるメッセージをくださった繁田さんですが、その指導方針である「開成番長メソッド」は、開成時代の繁田さんが、遊びの時間を作りたい一心であみ出した「超短期集中型勉強法」がベース。さらに15年間の指導経験から“成績の伸びる生徒と伸びない生徒の勉強法には、ちょっとした部分に大きな違いがある”ことに注目し、磨き上げてきたものです。これによって『TESTEA』は、難関校への合格実績をぐんぐん伸ばしています。

受験生と同レベルの学力がない親も、成績アップに貢献できる!

さて本書ですが、一番のおすすめポイントは、中学受験生に母親の立場でしてあげられることは何か? また、してはいけないことは何か?が、具体的にわかるということです。第1、2章で「母親力」を発揮するための心構えと「母親力」の実例が示され、次の第3、4章で、わが子の理解力を高めて成績を上げるのに有効な「母親力」の活用法が紹介してあります。

よく、わかっているのやらわかっていないのやら、子ども本人に聞いてもよくわからない…という親御さんの嘆きを聞きますが、第3章を読めば、「わかる」とはどういうことか? それを子ども自身に自覚させるにはどうしたらいいか? 「母親力」を発揮してさらに理解を深める方向へ導いていくにはどうしたらいいか?が、なるほど!とおわかりになると思います。

また、間違えた問題を叱るのではなく、弱点を教えてくれた問題としてポジティブにとらえて間違い管理をしていくとき、うっかりミスやその他の失点を減らしていくときにも、「母親力」が発揮できることがわかってくるでしょう。

中学受験の勉強内容は大人でもとても難しい、だから勉強そのものは子どもに任せるほかはないと思ってしまいがちですが、安心してください。「受験生と同レベルの学力が母親にも求められるというようなことはありません」と、【はじめに】に書いてあります。ただし、「中学受験においては、精神的に未熟な小学生に対し、自主性に任せて受験勉強をさせるのは酷な話です」とも。

この本を読めば、たとえ難しい問題が解けない母親でも、子どもの受験勉強の質を高めて成績を上げ、合格に導くために大いに貢献できるのだと納得できるでしょう。そして「私も今日からやってみよう!」とお母さまもやる気になっていただけるのではないかと思います。どんなに賢くてもわが子は小学生。成長段階にあるわが子へ、その様子を見ながら的確なアドバイスができるのは、誰でもない、いちばん身近なお母さまなのです。

加えて繁田さんは、「父親力」についても触れています。「母親力は基本調味料、父親力はスパイス」という繁田さんですが、家庭内での父親の役割については、ぜひお父さまにも読んでいただきたいものです。

ところで、この本には、繁田さんのご両親も登場しています。開成時代、退学寸前までいった事件を起こした繁田さんを、ご両親がどんなふうに見守ってきたかもわかります。本書の中で語られるさまざまな体験談やエピソードの中にも、エデュママの参考になる貴重なヒントが、きっと見つかると思います。

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中学受験を9割成功に導く「母親力」
副題:難関校へ合格させるわが子との向き合い方
繁田和貴著、主婦と生活社、本体1,000円 +税
開成、駒東、慶應、早稲田、渋幕……続々と超難関中学校の合格者を輩出する、いま注目の個別指導塾『TESTEA』のカリスマ塾長が、受験生をもつお母さんに「わが子への向き合い方」を徹底アドバイス。中学受験における親の役割という視点から、「いかに精神的に安定した状態で受験に臨ませるか」「学習効率を上げて成績アップさせるために親は何をすべきか」について、目からウロコのすぐに役立つハウツーを徹底的&具体的にたっぷりと解説。「第1章:正しい『母親力』を発揮させるための心構え」、「第3章:子どもの理解力を飛躍的に高める『繁田式記憶術』のコツ」、「第4章:短時間で得点力をアップさせる『繁田式勉強法』のコツ」に加えて、現役塾講師が語る「母親力」など、中学受験体験談も満載。中学受験体験談も満載。
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著者の繁田和貴さん
個別指導塾『TESTEA(テスティー)』塾長、1979年生まれ。開成中・高を経て東京大学経済学部卒業。小学生時代にSAPIXで3年連続一位を保ち続け「10年に1人の逸材」と言われ、開成・筑駒など最難関にのきなみ合格。中学時代は派手な遊びで退学寸前になる一方、独自の学習法を駆使して学年トップの成績をとる。その達成感から高校進学後は麻雀漬けとなり東大受験の失敗。浪人してなお自堕落な生活から抜け出せずにいたが、入試3か月を切ったところで生活と勉強のスタイルを改善し、逆転合格を果たす。しかし、さしたる目的意識もないまま入った大学生活に意義を見いだせず留年を重ねた。そのときの葛藤が原体験となり「才能だけではうまくいかない」ことを学んだ自らの経験を生かすべく、2006年に個別指導塾『TESTEA(テスティー)』を開校。生徒のモチベーションを高め、勉強法を次々と改善していく高い指導力と人間的魅力で、生徒・保護者からの信頼は絶大。中学受験の部では開校8年で開成をはじめとする御三家や早慶など、最難関校に合格者を多数輩出。

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