第21回 ママの悩み『やらかし男子』の能力を伸ばす秘訣とは?:エデュママブック

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TVでもおなじみの脳科学者、篠原菊紀先生の『やらかし男子がみるみる変わる育て方』。男の子をお持ちのお母さまの多くが抱える“勉強以前(?)の悩み”を解決し、お子さまの能力を伸ばす秘訣が満載です。

「やらかし」の原因は成長途上の「男の子の脳」

脳科学者が教えるやらかし男子がみるみる変わる育て方,篠原菊紀,教育書

今回は、男の子のお母さま向けの本のご紹介です。タイトルにある「やらかし男子」って、どういう意味でしょう? なんとなくわかっちゃって、うちの子もあてはまるかも、と思われるお母さまも多いかもしれませんね。なんと、「やらかし男子度チェック」なるものがありました。まずはチェックをしてみましょう。左図の項目のうち3つ以上にあてはまるようなら、りっぱな「やらかし男子」です!

いかがですか? 3つ以上あてはまる息子さんをお持ちの方は意外と多いと思います。実際、男の子のお母さまから「うちの子、勉強うんぬんよりそれ以前のことが問題なの…」とか、「信じられないほどバカなことをするの…」といったため息まじりの声を聞くことはよくあります。でも、本書の著者、脳科学者の篠原菊紀先生は、そうした男の子の特徴的な行動のほとんどは、脳の成長段階に見られる通常のものだとおっしゃいます。心配しがちなお母さまのために、本書の「あとがき」にある、篠原先生の言葉を引用させていただきましょう。

 困ったことに(?)、世の中のお母さんはいい人が多い。ここでいう「いい人」とは平等主義的な人。相手のことを考えるとき、相手は自分と同じだと考える人。それはとても大事なことですが、平等主義の上に立ちながらも、違いを想定しておくほうが悩まずにすむことも結構あるのです。(「あとがき」より)

男の子の「ガマン力」や「やる気」を引き出す方法

わが子の言動に対して、「わたしならそんなことしないのに…」と無意識のうちにも感じて悩んでしまったことはありませんか? これこそ先の引用ででてきた「平等主義」のあらわれ。実際は、男女には、見た目だけでなくさまざまな違いがあることが科学的に立証されています。脳の違いもそのひとつ。ことに成長途上では、その違いが顕著にあらわれ、それが異性であるお母さまを悩ませる、さまざまな「やらかし」になっていると言うのです

そうとわかったら、深刻に悩むのではなく、「脳が成長の途上にあるからだ」とおおらかに見つめ、「やらかし」をリカバーできるように応援してあげようという気持ちになるのではないでしょうか。成長の度合いには個人差がありますが、大人になっても「やらかす」ことなどまずありませんからね。

第2章「生活習慣で鍛える『ガマン力』」、第3章「『やる気』をコントロールすれば学力も伸びる」には、脳科学の理論や研究成果を土台にしながら、「やらかし男子」を上手にサポートするノウハウが、シチュエーション別に具体的に紹介してあります。「わたしならそんなことしないのに…」とあきれながら叱るだけより、ずっと効果的な方法です。

最後の第4章は「子どもは遊びながら脳を鍛える」。ここには「親子でできる脳トレ遊び」や、「ゲームをやめさせる裏技」ものっています。

さらに本書には、お母さまの実体験をもとにした「やらかし男子のあるあるコミック」が多数掲載されています。「こんなアホなことするの、うちの子だけじゃなかったんだ…」といった安心感にもつながるかもしれません。

脳を鍛えるサポート法で、ママ安心、男子はのびのび

著者の篠原先生は、読者であるお母さまに、きまじめに読むより、ゆったりリラックスして読んでほしいと願っていらっしゃるようです。そんな姿勢が至るところに感じられました。読み終わっての印象ですが、どうも母親がほめること、母親が笑顔でいることは、女の子以上に男の子(の脳)に効果的みたいです

そういえば昔の母親、たとえば皆さんのお母さまやおばあさまの時代には、やんちゃな男の子の言動に対して、「男の子もいつかは落ち着くから」と言ってやりすごす習慣がありました。もちろん危険に合ったり本人が損をしたりしてはいけないので、注意深く見守る必要はありますが、欠点と思われる性質が成長するにつれて長所として輝いてくるのだ、という暗黙の了解さえあったように思います。

お子さんの脳を健やかに伸ばす何よりおいしいごちそうは、お母さんの笑顔。

これは、「あとがき」にある篠原先生からのメッセージです。「やらかし」ばかりに目が行っている自分に気づいた時、ぜひ思い出してみてください。脳科学者の篠原先生が、科学的知見に基づいてアドバイスしている「やらかし男子」対処法で、お母さまのイライラが少なくなれば、それだけでもお子さまにとってはメリット大です。さらにお母さまの笑顔が増えてくれば、「やらかし男子」の能力は、よりのびのびと翼を広げていくことでしょう。それに男の子は育てにくい子ほど、よく伸びるって言われていますよ!

やらかし男子がみるみる変わる育て方,篠原菊紀,小学館,教育書

やらかし男子がみるみる変わる育て方
著/篠原菊紀、画/カツヤマケイコ、小学館刊、1100円+税
母親にとって“異性”である息子は異星人。小学生になると不可解な現象はパワーアップし、びっくりするようなやらかし行動の数々が母を待ち受けます。毎日続く忘れ物、学用品の紛失、魔窟と化した子ども部屋など。さらに勉強なんてどこ吹く風のゲームざんまい。ついにはエッチなことに興味を覚え始め…。そんなお母さんの悩みの種を漫画化。「ためしてガッテン」「クローズアップ現代」「とくダネ」などでおなじみの脳科学者、篠原先生が、脳の発達の見地から原因と対応策を解説してくれます。さらに男の子を「賢く我慢強く自ら学べる」子にする方法を紹介します。「どうしてうちの息子はダメなのか」「育て方が悪かったのかしら」と息子さんやご自身を責めているお母さん、安心してください。男の子ならではの脳を知って鍛えてあげれば、みるみる立派な男の子に変わります。「えっ?これまさにうちの子じゃ…」という爆笑コミックもついてます。息子さんの悩みを笑い飛ばせるようになる1冊です。…購入はこちらから

篠原菊紀,エデュママブック

著者の篠原菊紀(しのはら きくのり)先生
1960年長野県茅野市生まれ。諏訪東京理科大学共通センター教授、学生相談室長。専門は脳神経科学、応用健康科学。一男一女の父。学習や運動、遊んでいるときの脳の活動を研究。著書『男の子あるある』(小学館)、『男の子の脳を伸ばすのは、どんな親?』(宝島社)『子どもが勉強好きになる子育て』(フォレスト出版)他多数。


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