「東大受験と東大生」を東大生自身が完全ガイド！：第33回

inter-edu’s eye
「現役東大生がつくる東大受験本」が発売中です。受験のアドバイスから東大生としての生活、卒業後のキャリアまでが1冊にまとまっている中身の濃い本です。来年の東大受験生は必読ですが、毎年発売されているので中学受験生の親御さんにもいろいろと参考になると思います。

◆現役東大生がつくる東大受験本

『東大2017　とんがる東大』という本が発売されているのをご存じですか？　副題は「現役東大生がつくる東大受験本」。東大生自身が、さまざまな角度から東大を紹介している本です。実際に作っているのは、東京大学新聞を発行している公益財団法人東京大学新聞社で、毎年夏に発行されています。主な読者層は、東大を目指している受験生。編集長の横井一隆さん（教育学部3年）によると、昨年まで“現役東大生による東大情報本”としていたのを、今年はより明確に“東大受験本”と銘打ったのだとか。

その副題のとおり、東大受験生にとって貴重な情報が満載されています。第1章が受験編で、「必勝勉強法」「合格体験記」「不合格体験記」などに加えて、「中学受験と東大入試」や「お金がなくても東大に行ける」といった記事が並んでいます。

続く第2章は大学生デビューの駒場編で、入学後、東大生全員が最初の1年半を過ごすことになる駒場Ⅰキャンパスでの学生生活を網羅。第3章が2年秋の進学選択後の後期課程編。つまり文系・理系の各学部で専門を究める時代について。最後の第4章は将来編として、卒業後の東大出身者に関するさまざまな記事がのっています。

◆東大生の半数以上が私立中高一貫校出身！

「東大受験のためのアドバイスから、東大生としての生活、そして東大卒業後まで網羅して編集しています。ですから読者からは、“すごい！東大が1冊にまとまっている”と喜んでいただいています。その中でも毎年人気の記事は、合格体験記と、東大の教員による受験科目ごとの必勝学習法、それに学部紹介などですね」と編集長の横井さん。

来年東大を受験しようとしている高校生だけでなく、将来わが子を東大にと願っている親御さんにも一見の価値がある本です。しかも、それだけではありません。毎年発行されているだけに、東京大学の「今」をビビッドに語っていて、東大志望者でなくても興味深い記事が多数掲載されています。

そして今年のテーマである“とんがる東大”も、興味深い特集記事になっています。編集長の横井さんに企画意図をうかがいました。

受験で高い総合点が求められる大学なので、東大生というと、とんがったところがあまりないというイメージを持たれていると思います。でも、決してそうではないと訴えたくてこのテーマを選びました。記事としては、ノーベル物理学賞を授賞した梶田隆章教授へのインタビューで、東大が最先端の研究施設であることアピールしたり、在学中や卒業後に学業以外でとんがった業績を上げている人を紹介したり、今年初めて入学してきた推薦入試合格者が何を評価されたのかを紹介したりしています。

◆東大生編集長が語る東大の魅力

『東大2017　とんがる東大』は、300ページを超える厚い本です。ぜひ全国の書店かネット書店で購入して読んでいただくとして、今回初めてお会いできた編集長の横井さんに、ご自身の言葉で東大の特徴やメリットについて語っていただきました。

東大の1､2年、つまり前期課程は、第二外国語ごとにクラス分けされているので、高校時代に比べると同じ方向性を持った人の集まりという印象でした。そんな友達との雑談の中で、自分の見識を深めていくことができたと思います。
そして東大の特徴の第一は、学部が網羅されているということです。学部の数が10もあり、東大に入れば後期課程であらゆる専門を究めることができます。
東大の魅力といえば、やはり学生同士や先生とのコミュニケーションではないでしょうか。人の能力は周囲の人との会話の中で伸びていくと言われます。学生同士の会話、先生との会話がとても貴重だと思っています。忙しい先生が多いですが、それでも余裕を持ってメールでアポイントをとればお話する時間をとってくださるのですよ。

最後に、子どもを東大に行かせたいと願っている中学受験生の親御さんへのメッセージもいただきました。

東大生の半数以上が中高一貫校出身ですから、中学受験は早熟なタイプにはいいと思います。ただ子どもによって伸びる時期には違いがあるので、すでに伸びる時期を迎えていると思ったら中学受験を選択し、まだその時期ではなかったら公立の中学に行って伸びる時期を迎えるのがいいのではないでしょうか。