「できる子」は常に考えている
同じ勉強をしていてなぜ差がつくのか。誰もが一度は感じる疑問でしょう。ところがいくら考えても答えが見つからない。そうなると「もともとの頭の作りが違うんだ」と自分を納得させてしまうのではないでしょうか。
その理由を解き明かすのが本書の第一のテーマ。そして、「できる子」と同じ能力を身につけるにはどうしたらいいのか。その手法を具体的に解説、すべての家庭で取り入れられる手法を紹介するのが第二のテーマです。本書は、この2本柱で構成されています。
まずは第一のテーマ、「一生懸命勉強しているのに、できる子とそうでない子の差はどこにあるのか」について、著者は「差がつく理由はかなりシンプル」と書いています。そして、3つの学びのタイプで、その差がつく理由を解説します。
・タイプ1=学んでいるように見えるが、学ぼうと思っていない人
・タイプ2=授業中・仕事中だけでしか学ばない人
・タイプ3=寝ているとき以外、日常すべてが学びになっている人
もうおわかりですよね。勉強のできる人というのは「タイプ3」の人。起きている時間すべてで学んでいるのですから、「タイプ1」や「タイプ2」の人は、かなうわけがありません。こうして文字にされると、非常によくわかります。
しかも、同じ「学ぶ」でも、別に「勉強するぞ〜!」と意気込んでテーマに取り組んでいるわけではなく、すべての学びが日常生活そのもの。テレビを見ているときも、友達と話をするときも、駅までの道を歩くときも、さまざまなことを発見し、考え、自分なりの意見を持つことが習慣となっているのです。
だから、経験から得ている情報量が「タイプ1」や「タイプ2」の人とはまったく違う。しかも、「机上の勉強以外の学びが圧倒的に多く、それが机上の勉強へと応用されている」といいます。圧倒的な知識量が、机上の勉強に応用されているわけです。
このタイプ別の「学び」については、本書の第2章で詳しく解説されているので、じっくりとお読みいただきたいのですが、「タイプ3」の人は東大生に非常に多くいるとのこと。こうなると、「タイプ3」の人は特別な人だから、普通の人には真似できない、と思えてきます。
しかし、著者は「後天的に身につけることは可能」と断言します。では、どうやって? それが、第二のテーマ。子どもに問いかけることによって「脳のスペック」を向上させる10のマジックワードとは何なのか、です。