第5回 子どもに「バカ!」と言っていいとき悪いとき

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第5回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年5月2日)

子どもに「バカ!」と言っていいとき悪いとき

子育てで「バカ」という言葉は使ってはいけないといわれます。でも、それは時と場合によるのではないかと私は思っています。

実際私はよく言っていました。子どもが何かバカなことをしたら、そのたびに口をついて出ていました。でもそのことが子どもにそれほど悪い影響を及ぼしたとは、いまのところ思っていません。
よく「バカ!」って言われるものだから子どものほうも慣れたもので、「また言ってる」ぐらいにしか思っていないようでした。それに全人格的にバカだと思って言っているわけではないことは、十分に子どもにも伝わっていたと思います。

むしろ大事なのは、親のその言葉を、子どもがどういうふうにとるかではないでしょうか。“お母さんは、私のことをどうしようもないバカだと思っている”と、子どもが思ってしまうようなシチュエーションでは、絶対に言ってはいけない。それだけは確かだと思います。

親と子の関係って、一組一組違います。その親子の間だけでしか通用しないコトバや約束事があって当たり前。そういうのって、他人がとやかく言える世界ではありません。私にとっての「バカ!」は、そういうものだったように思います。
まあ、ただひとつ気をつけるべき点があるとしたら、それが万が一親のひとりよがりだったら大変!ということ。成長期の子どもはどんどん変わっていきますから、その点だけは気をつけておくべきかもしれません。

というわけで、あくまでも個人的な意見ですが、子どもがバカなことをしたら、「バカ!」と言ってもいいと思います。親と子という親しい間柄だからこそ、それが許される場合があるのだと。

おっと、もちろんいったん外に出たら人に対して軽口だろうとなんだろうと「バカ!」なんて言ってはいけません。そのへんは親子でけじめをつけておかないと!

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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