第6回 中学受験が、反抗期に重なったら

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第6回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年5月10日)

中学受験が反抗期に重なったら

中学受験を目指す小学校高学年の時期は、反抗期、つまり子どもは思春期の入り口にいます。思春期は、子どもにとって自立への第一歩。そのため、精神的に不安定になることもあります。それまで親の言うことをすんなり聞いていた子が、突如、大声を張り上げて拒否したりします。

あなた自身、「勉強しようと思っていたのに~」っていう経験ありませんか? つまり今から勉強しようと思っていた矢先に、親から「勉強しなさい」と言われて、やる気をなくしたこと。

思春期には自意識が育ち、自分の趣味や嗜好を大事にするようになったり、自分のことを親に話すのが恥ずかしいと思う心情も生まれてきます。つまり、親とは無関係な自分の世界を作り始める時期ということなのでしょう。だからこそ、子どもが作り上げた世界に親が無神経に踏み込むと、「うるせえ、ババア!!」といった罵詈雑言さえ出てきてしまう。

中学受験があるのにそんなことじゃ困る…と思ってしまいますが、経験上、ここはいったん親の余裕で「引いてみる」しかないと思います。子どもにとって心の成長は何よりも大切なことだからです。親だからこそ、じっと耐える場面も出てくるでしょう。
それでもなお、なんらかの手を打たなければならない状況であれば、先輩ママや学校や塾の先生などに相談してみましょう。そしてできる手だてをすべてやり尽くしたら、どーんと構えて大人としての落ち着きを保ちましょう。

いちばん良くないのは、親まで不安定になってしまうことです。親が不安定になると、子どもは輪をかけて不安定になってしまうからです。踏みとどまるべきは親。少なくとも親は事態を悪化させてはなりません。「受験は高校も大学もある、でもこの子にとって思春期は今だけ」ぐらいの心の余裕を持ったほうがいいのかもしれません。大人になりきれていない思春期の子どもにとっては、親の心の余裕が大きな助けになるはずです。

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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