第8回 叱られ慣れた子は、成績が伸びないかも

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第8回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年5月24日)

けんかする親子

ある塾の先生がおっしゃっていました。
「3、4年のころから叱られてばかりいた子は、成績が伸びないばかりか、家庭も毎日が喧嘩状態ということが少なくないようですね。『この子は叱らないと何もやらない』というお母さんもいますが、それは叱らないと何もやらない子に育ててしまったからではないでしょうか。」

中学受験をすることには「うん」と言っておきながら、どうも勉強にやる気が出なかったり、興味を示さなかったり。またテストの点が悪いと、一時は落ち込んでいてもすぐにテレビやゲームに夢中になっている…。そんなわが子のことを「情けない」「恥ずかしい」と思って、つい口に出てしまうのが「ゲームばかりやってないで、さっさと勉強しなさい!」。

でも、勉強をやらせるために叱るのは良くないのです。子どもはゲームを悪いことだとは思っていません。お母さんだってゲーム自体を悪いとは思っていないでしょう。悪いことをしたときは叱っていいけれど、勉強をさせるために叱るのは逆効果で、そのために子どもは勉強嫌いになりかねません。

子どもがまったく勉強に興味を示さないとしたら、勉強が楽しいと思っていないからです。勉強から充実感や達成感を得ていないのです。また、勉強がらみでいつも叱られていたとしたら、勉強に対して嫌悪感を持っているかもしれません。それに、そのことで親子の信頼関係に傷がついているかもしれません。

叱られてしかたなく勉強するときの気分と、ほめられてわき上がるやる気とでは、もう勉強する前から勝負がついていますよね。それに、叱ることで自分の不安を子どもにぶつければ、今度は子どもが不安になります。

やる気を見いだしかねている子どもには、何のために勉強するのか、学校説明会や学校見学に連れて行って、目的をしっかり持たせてあげるのがいいと思います。

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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