11月のテーマ「志望校へのモチベーション維持と学校見学 前編」
inter-edu’s eye
今月は、和田みゆき先生、たなかみなこ先生にモチベーション維持と学校見学というテーマで、2週にわたりアドバイスをうかがいます。大人でもなかなか維持するのが難しいモチベーションをどう維持すればいいのでしょうか? 学校見学のコツも必見です。
成績が上がらず苦しいときはどうする?
和田 みゆき先生
過去最低の模試の結果からの立ち直り
みなさま、こんにちは。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスをしている家庭教育家の和田みゆきです。
入試まで2か月強になり、気忙しく学園祭や学校説明会に足を運ぶ毎日をお過ごしのことと思います。
毎年この時期は、憧れの志望校と模試の結果に向き合うために、不安やストレスを感じる方が増えます。そこで今月のテーマは、ストレスからの解放を目的に、脳の機能や心理学を参考にした、モチベーション維持と学校見学の活用についてお届けいたします。
10月にメンタルサポートを強化したことで、なんとかモチベーションを維持していた娘ですが、さすがに過去最低の模試の結果を見たときはショックを受けていました。
努力が結果に表れないのは、辛いものです。しかし勉強の成果は、すぐには反映されません。この時間差を理解していないと、成果が上がらないことに強いストレスを感じてしまうので、解き終えた何十冊もの問題集やノートで今までの努力を見せたり、時間差の説明をして励ましました。
東大教授で脳研究者の池谷裕二先生によると、ストレスがあると記憶力は低下するのだそうです。ですから受験生にストレスは厳禁です。そして意欲や集中力を高めるには、大脳を覚醒させるための楽しい感情や快い感情を抱くことが必要なのだそうです。
つまり成績が上がらず苦しいときほど、ストレスをなくし、楽しく勉強した方がいいのです。
そこで私は次のサポートをしました。
11月以降試してほしい7つのこと
1.ストレス排除のイメージトレーニング
①自信を失わせるワードの禁止
②目的を確認する未来会話
③感情を整理するコーチング交換日記
④開運合格グッズ
⑤在校生から得た学校レア情報
2.笑いを生む環境づくり
⑥面白エッセンス注入~問題編~
⑦面白エッセンス注入~お弁当編~
サポートの詳細は来週のコラムでお伝えしますが、まずはこの時期ならではの受験校を絞り込むための学校情報の収集についてお届けします。
娘の志望校への思いは堅かったので、私だけが最終確認の意味で、情報収集のために説明会に行きました。そして「学校情報・入試情報の収集」、「学校の印象の記録」、「学校グッズ購入」、「生徒への質問」を行いました。
自作の表に3段階評価で感想(設備や生徒・先生の様子など)を記録したり、日頃身に着けられる文具やハンカチなどの学校グッズを買い足しました。その効果はてきめんでした。またそれらのグッズは、合格後に塾が縁起物として引き取ってくださり、次年度の受験生に役立ててくださいました。
それから生徒への質問とは、在校生にレア情報を教えてもらうことです。人気の部活や食堂メニュー、校則、流行しているもの、受験の苦労話、塾の話など、娘が知りたそうな話題について、校内を歩く生徒さんに質問をして集めました。生の声なので娘はとても喜び、モチベーションがかなり上がりました。入学後のイメージも深まったようです。
声掛けには勇気がいりましたが、どの学校の生徒さんも大変親切で、生の情報を教えてくださり感謝しています。
和田みゆき先生からのアドバイス
不安やストレスは、記憶力にもやる気にも悪影響が出ることが知られていますので、いち早く手放したいものです。そのために効果的なのは、セルフイメージを高め、モチベーション(動機付け・目的意識)を整えることです。
セルフイメージとは、自分自身に対する思いや意見であり、自由に描ける自分の未来の設計図です。自分の経験や周囲の言動を基に作られていると言われています。とくに子どもの場合は、親や先生の言葉をそのまま信じ「自分はこういう人間である」と思い込んで、そのイメージに合わせた行動をとるのです。
もしお子さまが「自分には無理」「きっと失敗する」とネガティブなイメージを持っているならば「あなたならできる」「諦めなければ成功する」などのポジティブワードを届けながら、気持ちが上向きになる過去の事実を示し、セルフイメージを高めてあげましょう。
モチベーション(目的意識)を整えるには、中学生活をイメージしてもらい、憧れる中学生活を具体的に語ってもらったり、書いてもらったりすると、自分の受験の目的に気づくことができます。自分のためだけでなく、ご両親やご祖父母、塾の先生を喜ばせたい思いや、友達を見返したい思いなど、他者への思いもモチベーションになります。
また学校名や合格の文字、入学したい理由(部活の写真、制服、先輩の名前など)を書いて貼ったり、学校グッズを置いたり、志望校に生徒を見に行くこともモチベーション維持に繋がります。
学校見学はいつからスタート?
たなかみなこ先生
学校見学できる機会は多いけど
みなさま、こんにちは。「最高に楽しい中学受験を叶える!」勇気づけ子育てコーチのたなかみなこです。
6年生のお子さまをお持ちの方は、いよいよ受験日まで100日を切って本番が近づいてきましたね! 今どんなお気持ちでしょうか? 焦り、不安、祈り…いろいろな気持ちでいらっしゃることかと思います。最後まで「うちの子は大丈夫!」と信じて見守っていきましょうね!
今月のテーマは「志望校へのモチベーション維持と学校見学について」です。前編では「学校見学」について、後編では「志望校へのモチベーション維持」についてお届けしたいと思います。
みなさまは、お子さまが何年生くらいのときに学校見学をスタートされましたか? また、お子さまが低学年の方は「いつから行ったらいいのかな?」と考えていらっしゃるかもしれませんね。
学校見学と言っても、学校説明会のときに同時に校舎見学ができる学校もあれば、学校説明会と学校見学会が別のイベントになっている学校もあるようです。それぞれ保護者のみであったり、お子さまもご一緒でよかったり様々です。その他、定番ですが、文化祭、体育祭も学校見学のよい機会ですね。また、オープンスクールなど、最近ではさまざまな趣向で門戸を開いている学校が多いようです。塾によっては、その塾の保護者限定での学校見学会を特別に開催してくださっているところもあるようですので、アンテナを立てておくとよいかもしれません。
親と子の思いが入り乱れる学校見学
我が家の学校見学のスタートは、娘が4年生のときでした。その当時、娘が憧れていた共学校と、御三家と呼ばれる女子校のうちの2校、そして私の母校の全部で4校の文化祭に行きました。娘が憧れていた共学校以外は私自身のチョイスです。御三家の女子校は「中学受験を志すならば一度は!」という私の野望からでしたが、高望みばかりしていても…と私の母校も含めてみることに。
4校の文化祭で「トキメキ度」を娘に採点してもらったところ、娘が憧れていた志望校の点数がダントツの1位!
2位は驚いたことに私の母校でしたが、「女子校って楽しそう!けどここは受けないと思う。」とあっさりでした。
3位は今通っている女子校、当時はまだピンとは来なかったようです…。ですが、実はこのときに文化祭に行っていた事が後々の志望校決定に大きな影響を与えたのです! その話は後編にてお伝えいたします。
4位がもうひとつの御三家で、学校に入って15分で「無理」という感想でした。
5年生のときには、娘の憧れの共学校とその系列の共学校の文化祭にのみ行きました。「トキメキ度」は憧れの学校に対して上がる一方!
ですが、6年生になり、その共学校は受かる可能性がないとのことで、まさかの志望校から外れることになったのでした。4年生からの文化祭巡り、顛末はまさかの「トキメキ度2年連続第1位の学校は受験せず」でした…。
子どもが絶賛成長中!の時期に取り組む中学受験とは、本当に一筋縄ではいかないものだなぁと今思い出しても苦笑いです。
たなかみなこ先生からのアドバイス
「学校見学に行かなくちゃ!」そう思ったときに大切なことは「なんのために学校見学をするのか?」を明確にしておくことだと思います。
学校見学とは、お子さまを6年間、もしくは大学付属校であれば10年間もお世話になる環境として、「この学校の雰囲気、理念、校風はうちの子どもに合っているかな?」という視点を持って未来を見に行くということだと思います。ということは、その未来を少しでもくっきり見るために、お子さまの性格が中学入学に向けてある程度形成されていることが必要かもしれません。
では、いつ頃から学校見学をスタートすればよいのでしょうか?
アドラー心理学では子どもの性格(ライフスタイルといいます)は10歳までに確立されると考えています。ということは、10歳前後には、お子さまの性格、傾向がハッキリするということです。年齢的にちょうど小学校4年生~5年生が10歳に当たります。とはいえ、精神年齢が高いタイプのお子さまであればもう少し早く始めてもよいかもしれません。それぞれのお子さまに合わせて学校見学をすることで、性格とのギャップがない学校選びを考慮できそうです。
実際に学校見学をして、今まで抱いていた学校のイメージとリアルに感じたことの違いを冷静に比較しながら「どの学校が我が子に合うかな?」と想像してみましょう。そして、毎年見学に行く度に「この学校ってどんな感じ?」と肌で感じたことをお子さまに訊いてメモをすることをオススメします。その感想が、来たる6年生での志望校決定の際に活きてくることも! 我が家の場合、結果として4年生のときに行った文化祭が決め手のひとつとなりました。ぜひ将来の学校選びのためにやってみてくださいね。
11月のワンポイントアドバイス
和田みゆき先生の心理学「自律と伴走【前編】」
今月は、家庭教育家の和田みゆきが、子どもの自律と親の伴走についてお伝えします。
「願書は誰が書きますか?」
我が家では、娘が自分のことだから自分で書きたいと言うので、名前も受験理由も振込み用紙への記名も全て本人が書きました。子どもの字ではありましたが、文章を考え何度も字の練習をし思いを込めて書きました。受験の主体が誰にあるのか、この時期に改めて親子で再確認しました。
子育ての目標は「親子の自立(精神的自律と生活の自立)」です。その大きな第一段階が中学進学であり受験です。とくに中学受験は小学生という早い段階で、自分の未来を自分で考え、自分の努力で切り拓いていく最高のチャレンジです。子どもが失敗して傷ついて欲しくはないですが、自律の機会を使わないのはもったいないので、本人と相談しながら子離れをしていきましょう。
「子育てに転ばぬ先の杖は不要です」
子ども時代の失敗は、社会人の失敗に比べたら実に小さなもの。失敗からたくさんの学びを得た人ほど自主性が育ち就職でも社会人になってからも有利です。
子どもの人生は親の人生ではありません。できるだけ早い段階で子どもに自分の人生を考えさせ、子どもの年齢に合った親子の距離感を作り、子どもが親元から安心して世界に飛び立てるように準備していきたいですね。まずはやってみましょう!
次週は、受験における伴走についてお伝えします。
次回は自律と伴走【後編】です。
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和田みゆき先生 プロフィール
家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。 他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて人材育成研修を提供している。
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たなかみなこ先生 プロフィール
娘が2歳半のときにコーチングでの子育てを開始。毎日、娘をコーチングで育ててきた自称「リアル子育てコーチ」。幼稚園受験、小学校受験を経験するも、コーチングスキルも道半ばで、誘導的になってしまったこともあり、敗退。その後、日々の娘との対話により、コーチングのスキルを高め、さらにアドラー心理学の「勇気づけ」を学び実践することで、独自の子育てコーチング「勇気づけ子育てコーチング」を確立。娘を女子御三家合格に導くだけでなく、中学受験ママを支援し、御三家を含む多数の第一志望校、難関校合格をサポート。「中学受験で子どもと一生の絆ができた」と好評を得る。 元ANAグランドスタッフであり、大学・専門学校でキャリア教育を行う講師でもある。
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次回はモチベーション維持と学校見学【後編】です。
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