成績が伸び悩んでいるときの対処法
2016年4月6日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/4/6号 成績が伸び悩んでいるときの対処法 監修:西村則康(プロ家庭教師)by inter-edu.com |
【今週の必修語】絶体絶命(ぜったいぜつめい)
「4月末に、蚊を捕獲する空気清浄機が発売されるらしいよ!」
「蚊にとっては近づいたら絶体絶命の恐ろしい機械だね」
絶体絶命は、困難・危険から、どうしても逃れられないさま。追いつめられ、切羽詰まったさまを意味します。絶対絶命と書いてしまわないように注意しましょう。『絶体』と書くのは、この言葉だけです。
シャープは17日、蚊を取る機能がついたプラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清(かとりくうせい)」を、日本で発売すると発表しました。
蚊取空清は、もともとマレーシアやインドネシア、タイ、シンガポールなどのASEAN諸国向けに開発された製品。これらの地域で昨年9月に先行発売したところ、当初の計画の約2倍のペースで販売台数が伸びたといいます。
日本でも一昨年、約70年ぶりにデング熱の国内感染者が発生しており、蚊が多く発生する夏期に販売が伸びるだろうと、同社は期待しているそうです。
中南米を中心にジカ熱が流行するなど、蚊による病原体の媒介は世界的に社会問題化しています。蚊によってどういった病気がもたらされるのか調べて、整理してみると、勉強になりますよ。
メルマガ特集
お子さまの成績が伸び悩んでいるとき、「うちの子は集団塾に向いていないのかも」「うちの子は、この塾に向いていないのかも。転塾しようかしら」と考えてしまう親御さんは多いもの。
しかし、実は、成績不振の原因がお子さまの性格や塾にあることは少ないのです。こういうときこそ落ち着いて、成績が伸び悩んでいる理由を探っていただきたいと思います。
そもそも、本質的に『集団塾に向かない子』はいないはずです。塾独特の授業や雰囲気に戸惑う子どもはいますが、塾も小学校と同じ集団指導。小学校の授業をきちんと受けることができていれば、『集団塾に向かない』ということはないのです。
それでも、「人と点数を競い合う集団塾には向いていないのかも。個別塾や家庭教師に切り替えて、子ども自身のペースで受験を乗り切りたい」とおっしゃる親御さんはいらっしゃいます。しかし、子ども自身のペースで勉強していたら、普通は中学入試本番に間にあいません。
それに、中学に入学した後もクラスの集団の中で授業を受けるわけですから、本当に集団に向かないなら、なおさら今のうちに集団の中で授業を受ける練習をしておく必要があります。
塾は受験のために利用する“ツール”にすぎません。そのツールをどう利用するかは、お子さまと親御さん次第なのです。
ですから成績が伸び悩んでいるときにまずやっていただきたいのは、お子さまの勉強に対する姿勢のチェックと親御さんのサポート体制の見直しです。転塾を決定するのは、その後にしてください。
お子さまの勉強に対する姿勢に関しては、以下のことをチェックしてみましょう。
・きちんと授業を聞けているか
・先生の板書をノートに写し取れているか
・式や図を書いて問題を解いているか
・宿題をていねいにこなせているか
・テスト直しを行っているか
・暗記だけに頼るのではなく、理解して学習を進めているか
これらのいずれかができていないときは、まずそれを改善するようにお子さまを導いてあげてください。そのうえで、次の5つの項目についてチェックをお願いします。
・授業を聞いているのに、先生の口調が早すぎて理解が間に合わない
・先生の板書が雑すぎて、何を書き写せばいいのかわからない
・理解できない裏技ばかりを教えられる
・宿題が極端に多い、または少ない
・テスト直しをしようとしても、直す場所が多すぎて手が回らない
上記の5項目の中で3つ以上当てはまっているようなら、転塾が必要になります。
加えて、親御さんの子どもの勉強への関わり方も見直してください。親御さんは、先を見据えたスケジュール管理をしてあげてください。
また、学年があがったら、塾から出ている膨大な課題の中でどれを行うべきか、取捨選択を手伝うことが必要になる場合もあります。
スケジュール管理と課題の取捨選択は重要な作業ですが、小学生のお子さまには荷が重すぎます。親御さんのあたたかいサポートで、お子さまを合格へと導いてあげてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【1~3年生】通塾は4年生からがベストタイミング
ほとんどの進学塾では小学校3年生の2月から、本格的な受験内容を学ぶ『新・4年生の授業』がスタートします。中学受験を考えている場合は、このタイミングにあわせて受験勉強を始めるのが1番スムーズです。「受験勉強を始めるのは、早ければ早いほどよいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは間違いです。
4年生という年齢は、自分の頭で考えられるようになる成長の大きな転換期なので、それ以前に受験勉強を始めてもあまり意味がないことが多いのです。3年生まではできるだけ多くの生活知識を身につけ、先週もお話しした基礎学習(読み・書き・計算)をていねいに行っていれば十分です。
桜の花も、そろそろ散り始めました。桜吹雪の中で、春の草花を見つけに行くのによい時期です。
子どもの発達段階にあわせて、そのときに1番効果的なことを行うように導いてあげてください。
【4年生】スピードが速い塾の授業は、聞く姿勢が大切
学校と比べて内容が難しく、先生が話すスピードも速い塾の授業。塾の授業をしっかり理解するためには、“聞き方”が重要になります。
ポイントは、先生が話し始めたら、自分が考えていることや疑問に思っていることをひとまず横に置き、先生の話に集中することです。
授業中に自ら考えたり、「なぜだろう?」と疑問を持つことは非常に大切なことなのですが、そのために先生の話や解説が頭に入ってこなくなってしまうと、結果的に学びが遅れてしまいます。先生が話し始めたら、きちんと先生の話を聞く習慣が身につくように、アドバイスしてあげてください。
親子の会話でも、相手が話し始めたらちゃんと聞くことが大切です。相手の話すことを最後まで聞く習慣を身につけるように、日ごろから心がけてください。
【5年生】割合を『三用法』で習っていたら、要注意
割合はどんな問題でも、「○○が○○の○倍」という文章に数字を入れて考えるようにしましょう。
割合を『三用法』、つまり、『比較量=基準量×割合』『割合=比較量÷基準量』『基準量=比較量÷割合』という公式に数字を落とし込んで答えを求める方法で習っていたら、ちょっと注意が必要です。
『三用法』の解き方だと、「200円は□円の25%」という問題の答えを出すとき、「これはかけ算すればいいの? それともわり算?」と迷ってしまう子が必ず出てくるからです。『三用法』では公式を覚えただけで、納得感がないのだと思います。「200円が□円の0.25倍」という文章にして、ここから式を立てて考える方が、納得感があるので、理解が深まりますよ。
【6年生】1学期の日曜特訓は、必ずしも参加する必要はない
1学期から日曜特訓がある塾に通っている場合は、参加すべきかどうかをよく考えましょう。日曜特訓で解く問題は、この時期にしては難問ぞろいです。
普段の成績がよく、超難関校を志望している場合はメリットがありますが、基礎力がまだ身についていない場合だと、自信を失ってしまったり、やる気をなくしてしまうことがあります。
超難関校狙いではない場合、今の時期は難しい問題に挑戦するよりも、弱点を1つでも減らすことを優先した基礎固めが大切です。
日曜特訓に参加して難問に挑戦するのか、その時間を利用して弱点対策にじっくり取り組むのか、お子さまにとってどちらが最善なのかを考えてあげてください。
【6年生難関】第一志望を仮決定し、学習を進める
中学受験は学校によって問題の傾向が異なるため、志望校の傾向を意識した勉強をする必要があります。特に、難関校は学校ごとに出題傾向が大きく異なっていますから、6年生の1学期から行うのが理想的です。
そろそろ第一志望校を仮決定し、入試問題の傾向に沿った勉強を始めましょう。志望校の決定は、お子さまの勉強に対するモチベーションにもなります。親子でよく相談して決めてください。
1校に絞れない場合、候補に挙がっている学校の出題傾向を見てみてください。片方の学校は選択式が多く、もう一方の学校は記述が多いといったように、出題傾向が大きく異なる場合は、お子さまの負担が大きくなりすぎます。
早めにどちらかの傾向に絞った方が、学習がしやすくなります。決めかねている複数の学校の出題傾向が似ていれば、その傾向の問題対策をしながらゆっくりと話し合い、余裕を持って第一志望を決定してもかまいません。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
小さい頃からテレビが大好きな息子。
テレビをきっかけにいろんなことに興味を持ち、「これって何? 調べたい!」「ここに行ってみたい!」と積極的に行動を起こす息子の姿はとても頼もしいものだったので、テレビについては特別な制限をせずに過ごしてきました。
しかし、受験勉強が始まっても同じ調子でテレビを見続ける息子に不安が募り、「テレビなんて見ている場合じゃないでしょ!! 毎日やるべき課題がすべて終わるまでは、テレビ禁止!」と、一方的に決めてしまいました。すると驚くことに、テレビを見る時間は減ったのにも関わらず、成績がずるずると下がっていくのです。
不思議に思って息子の宿題ノートを見てみると、何が書いてあるのかわからないほどの汚い字……。テキストを読むときも、「きちんと理解しているの?」と疑いたくなるほど、速いスピードで読んでいました。
おそらく、「早く課題を終わらせて、テレビを見よう」と考えていたのだと思います。テレビに関して一方的にルールを決めてしまったのは逆効果だったのだと痛感し、きちんと息子と話し合って約束ごとを決め、やさしい口調で言いました。
「じゃあ、1日に1時間までは好きにテレビを見てもいいから、1時間以上ダラダラとテレビを見るのはやめようね」。新しくルールを決めてからは適当に課題を終わらせることがなくなり、勉強をする時間とテレビを見る時間のメリハリがつきました。
さらに、徐々に自分を律することができるようになっていき、5、6年と学年が上がるにつれて、テレビを見る時間が自然と減っていきました。テレビやゲーム、スマホなど、最近は子どもの周りに娯楽がたくさんあります。
一方的にすべてを禁止してしまうのではなく、親子できちんと話しあって約束ごとを決めたほうが、子どもの成長のためにもいいのかな、と思います。
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