『社会=暗記科目』は勘違い!?

2016年5月25日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール
2016/5/25号
『社会=暗記科目』は勘違い!?
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】一挙一動(いっきょいちどう)

「オバマ大統領が広島を訪問するらしいよ!」
「当日はその一挙一動に注目が集まりそうだね」

一挙一動とは、ちょっとした一つ一つの動作のこと。『挙』は手を挙げること、『動』は動作を意味します。体の動きを表す『挙動』という言葉に、『ちょっとした』という意味を持つ『一』を加えてできた四字熟語です。

5月26日・27日に三重県志摩市の賢島(かしこじま)で開催される、先進国首脳会議。この直後に、アメリカのオバマ大統領が被爆地・広島を訪れる予定です。

1945年8月6日に原爆を投下したアメリカの現職大統領が広島を訪れるのは初めてのことで、実現すれば歴史的な出来事といえます。

2009年、チェコの首都・プラハでの演説で『核兵器なき世界』を提唱し、同年にノーベル平和賞を受賞したオバマ氏。広島訪問では、平和記念資料館を見学するほか、慰霊碑に献花する予定です。

本当に訪問が実現するのか、実現したらどのような行動をとるのか、当日のニュースに注目しておきましょう。

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『社会は単なる暗記科目』と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、これは大きな誤解です。社会という科目に暗記が必要なのは事実ですが、意味を考えずに丸暗記していても力はつきません。

確かに、以前は、単純に知識を問う問題が多く出題されていました。地図が示され、「この平野の名前を答えなさい」といった類の問題です。

しかし、現在は項目同士のつながりを理解していないと答えられない問題が非常に増えてきています。ひとつの点だけではなく、点と点がどうつながっているのかを聞いてくるのです。

たとえば「この平野では、この川とこの山がこうした位置関係にあることから、どんな作物が多いと考えられるか?」といった問題です。単語の暗記だけではなく、頭にある知識をつなげて考える力がないと解答できません。

また、社会の難問を解く場合には、その設問が何の分野について問うているのかを把握する力が必要です。

たとえば、地理の難問だと、天候や地形、産物についての記述や図表など、いろいろな情報が与えられます。それらを見て、何に関する問題なのか、『酪農』に関することなのか、それとも『稲作』に関することなのか、読み取る必要があるのです。

ただの暗記では太刀打ちできない社会の問題を解くには、『県別農産物ベスト10』を暗記するだけではなく、『この地域でこの農作物の収穫量が多いのはなぜなのか』といった具合に、その理由も一緒に覚えていくのがいいでしょう。

歴史も同じで、単に『1600年 関ヶ原の戦い』といったように年号と単語を覚えるのではなく、『1600年、徳川家康を総大将とする東軍と、毛利輝元を総大将とする西軍が争った関ヶ原の戦いは、なぜ起こったのか? その勝敗は、その後どのような影響を与えたか?」といったように、その出来事に至るまでの過程や、その出来事が及ぼした影響も理解し、覚えるようにしましょう。

このような覚え方の方が、キーワードだけを丸暗記するよりずっと記憶が定着しやすくなります。また記憶していないことについて問われた場合でも、類推して解答を導く力が培われます。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】辞書を引く習慣をつける

ご家庭の中で、辞書はどこに置いてありますか? 実は、辞書はリビングにあるのが理想です。

本を読んでいるときやテレビを見ているとき、会話をしているときなど、何気ない日常の中で、「今の言葉ってどういう意味だろう? 辞書を引いて調べてみようか?」とお子さまに声かけをしてみてください。

わからない言葉が出てくるたびに辞書を引くのは時間がかかるので、親御さんが意味を説明してしまっても構わないのですが、5回に1回くらいはお子さま自身が辞書を引き、『こういう意味なんだ』『こういう読み方もあるんだ』と、自分で発見できるように導いてあげてください。

【4年生】算数の問題がわからないときは、まず音読!

お子さまが算数の問題で行き詰まったり、「この問題がわからない」と質問してくることがあると思います。そんな時は、まず、「問題文を音読してごらん」とアドバイスしてあげてください。

算数の場合、『この問題、難しそう』という気持ちの高まりが、『この問題では今、何がわかっていて、何が問われているのか』を考えることを邪魔してしまっていることが多いのです。

問いの文章を理解することさえできれば解ける、ということが意外に多いものです。きちんと音読するだけで、少なくとも解けない問題の半数は自力で解けるようになるはずです。

音読してもまだわからないというときには、「この問題では、何がわかっているの?」「何を聞かれているの?」と、声かけをしてあげてください。

【5年生】成績低迷……『基礎学習』不足かも!?

『お子さまの成績が思うようにあがらない』と悩んでいる親御さんはいらっしゃいますか? この場合、『基礎学習』が不足しているのかもしれません。

『基礎学習』とは、『読み』『書き』『計算』のことです。問題文をていねいに読めているか、ノートをきちんと書いているか、計算問題が解けているかなどをチェックしてあげてください。

『読み』『書き』の練習は、これから難しくなってくる読解問題への準備にもなります。『計算』では、この時期からは、分数の計算が特に大切になってきますから、つまずいていないかよく見てあげてください。

『基礎学習』が不足している場合は、漢字や計算練習を毎日繰り返す、音読や黙読の練習をする、字をていねいに同じ大きさで等しい筆圧で素早く書く、といったことで成績があがる可能性があります。

【6年生】志望校別日曜特訓の受講条件をチェック

2学期から『志望校別日曜特訓』が開講する塾がほとんどだと思います。講座の中にお子さまの志望校がある場合は、そのコースを受講する資格を得られるようにしましょう。

入試問題は、学校ごとに「この学校は問題文が長い」「この学校は途中式を求められる」といったような特徴があります。

ですから、そういった特徴を徹底的に分析し、カリキュラムが組まれた志望校別コースを受けられるか受けられないかで、合格の可能性に大きな差が生まれてしまうのです。

どういった条件を満たせば受講することができるのかを調べ、その目標に向けて計画的な勉強を行いましょう。

【6年生難関】国語の問題は学校ごとに個性アリ

難関校の国語の問題を分析してみましょう。

物語文と説明文を1題ずつ出題する学校が多いですが、中には物語文しか出さない学校、文章が非常に長い学校、難しい言葉がたくさん使われている文章を出題する学校などもあります。

問いに関しても、選択肢が多い、記述が多い、抜き出しが多いなどの特徴があります。

国語の過去問をチェックすることで志望校の特徴を把握し、『国語の宿題は記述を重点的にやろう』『国語の宿題は、語句や知識をもれなくやろう』といった具合に、普段の勉強に活かしてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

授業や宿題でわからない問題があったとき、子ども自身が行うべきことは『先生への質問』だと思います。引っ込み思案なうちの娘は、これがなかなかできずに、苦労しました。

塾に娘を迎えに行くと、生徒が先生に質問するために列を作っているのですが、その列に並ぶことができないのです。

「こんな簡単な問題を質問するなって怒られるかも」、「授業を聞いていないからわからないんだって叱られたらイヤ」と怖がり、どうしても質問に行きたくないと言います。

4年生のうちは私が娘の質問に答えることができましたが、5年生になると解説を読んでも質問に答えられなくなってしまい、わからない問題はそのまま放置するように……。

これではよくないと思い、「先生に質問に行きなさい」と何度も娘に言ったのですが、「行きたくない」と拒み続けます。

そこで、少し言い方を変えて、「お母さんもこの問題の解き方が知りたいなぁ~。先生に聞いて、お母さんに教えてよ!」と、娘にお願いしてみました。 すると、驚くことに、あれほど質問に行くのを嫌がっていた娘が、「今日、先生に聞いてきたよ」と言って、私に解き方を教えてくれたのです。

先生はとても優しく質問に対応してくださったようで、それ以来、娘は何の抵抗もなく質問に行けるようになりました。

『子どもが質問に行かない』という悩みをお持ちの親御さん。一度この言い回しを使ってみてはいかがでしょうか?(プラネット)


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