『○△×学習法』で効率アップ

2016年6月15日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/6/15号
『○△×学習法』で効率アップ
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】一日千秋(いちじつせんしゅう)

「海外に単身赴任していたお父さんが、来週帰ってくるんだって?」
「そうなの! 家族みんな一日千秋の思いで待っていたんだよ!」

一日千秋とは、非常に待ち遠しいこと。ある物事や、人が早く来てほしいと願う気持ちが非常に強いこと。一日が千年にも長く思われる意から。

今週の日曜日、6月19日は父の日です。

父の日は、アメリカのワシントン州に住むジョン・ブルース・ドット婦人の提唱によって始まりました。

彼女の父であるウィリアム・ジャクソン・スマートは妻に先立たれ、ドット婦人ら6人の兄弟を男手一つで育てあげました。そんな父に育てられた彼女は、すでに始まっていた『母の日』の存在を知り、「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願したのです。

その後、父の日は各地へ広まり、アメリカ全土で行われるようになりました。日本では1950年代に広まり始め、1980年代に一般的な行事になったそうです。

母の日のカーネーションと同じように、父の日にもお花を贈る習慣があるのをご存知ですか?実は父の日には、薔薇(バラ)の花を贈るのが定番となっています。

皆さんにとってすてきな1日になれば幸いです。

メルマガ特集

中学受験において成績を伸ばすためには、家庭でどのような学習を行うかが非常に重要です。塾の予習・復習、宿題、計算と漢字など、やるべき課題がたくさんありますから、時間を上手に使って、効果的な学習を行いたいですよね。

そこで、ぜひ取り入れていただきたいのが、学習効率をぐんと上げる『○△×学習法』です。

方法はとてもシンプルで、授業を受けているときに、解いたすべての問題に『○』か『△』か『×』をつけていくだけです。

大問ごとにではなく、小問ごとにつけましょう。それぞれのマークを付ける基準は、以下の通りです。

『〇』…同じような問題が出題されたとき、必ず解ける自信がある 『△』…同じような問題が出題されたとき、解けないかもしれないと感じる 『×』…先生の解説を聞いても、さっぱり理解できない

この3つのマークが、塾の復習を行う際に役立ちます。

集中的に取り組むべきなのは、『△』がついている問題です。『△』をつけた問題を重点的に、もう一度解いてみるように導いてあげてください。加えて、『お母さんに教えて』と声をかけ、お子さまに説明してもらう『家庭内ミニ授業』を行いましょう。

お子さまはお母さまに教えることにより、あやふやだった部分がはっきりとわかり、自信を持つことができるようになります。お子さまの説明がたどたどしく、つい口を挟みたくなってしまうかもしれませんが、お母さまは笑顔で聞き役に徹してあげてください。

『○』をつけた問題は、時間がなければやり直さなくても構いません。注意したいのは、『×』をつけた問題です。

『×』の問題は、原則として解き直さなくてよい問題だと考えてください。問題を教えるプロである塾の先生の説明を聞いてもさっぱりわからなかった問題ですから、それを家に持ち帰ってから自力で解けるようになることは期待できません。今はまだできなくてよい問題だととらえてください。

しかし、テキストの基本問題の中に『×』印がある場合は、何とか理解できるように協力してあげてください。

塾の先生に質問に行かせる、親御さんが直接教える、家庭教師に聞く、よくわかっていそうな友達に聞くように促すなど、お子さまにあった方法を考えてあげてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】本の斜め読みは危険!

お子さまは、本を斜め読みしていませんか?文章を正確に読む習慣がついていないと、中学受験でも成績が伸びにくくなってしまいます。

本を読んでいるお子さまに「どんな話だった?」「どんな人が出てきた?」「どこがおもしろかった?」と、質問してみてください。答えられない場合、ストーリーだけを追って斜め読みしていたり、飛ばし読みをしている可能性が高いです。

早めにチェックして、読み飛ばしや斜め読みをしているようなら、音読などで修正してください。

【4年生】熟語は短文を作って覚える

漢字の熟語を覚えることは、中学受験の国語において大事な要素の一つです。親子で楽しく短文作りを行って、熟語を覚えていきましょう。

親御さんは「『形相』という熟語はどのように使うのかな?」といった具合に、声をかけてあげてください。すべての熟語で短文作りを行うのは大変なので、一部で構いません。

一つひとつを書いていくことにすると子どもの負担感が増してしまうので、口頭で言って終わりでいいでしょう。

【5年生】『比』や『速さ』が苦手な原因は『割合』かも!?

お子さまが『比』や『速さ』の問題でつまずいていることに、お悩みの親御さん。その原因は、『割合』の単元の理解が十分でないからかもしれません。

『割合』は、その先の単元にも影響を与える重要な単元です。『割合』の学習が得意になれば、『比』が得意になり、『比』が得意になれば『速さ』の問題も得意になります。

『割合』『比』『速さ』の問題は、入試問題の配点でほぼ4割を占めます。点数の4割を占める問題の中でも、一番重要になる考え方が『割合』の考え方なのです。

お子さまが『比』や『速さ』でつまずいているようすだったら、『割合』の基礎部分だけでも再度復習するよう促してみてください。

以前もお話ししましたが、『割合』は、「割合の3用法」の公式を利用する意識ではなくて、「○○が○○の○倍」という文章に数字を落とし込んで考えると、スムーズに理解することができますよ。

【6年生】社会は毎週コツコツ覚える

中学受験の社会で要求される暗記量は、非常に膨大です。

社会は地理・歴史・公民と3つのジャンルに分けられますが、その1つの『日本の歴史』だけでも、大学入試のセンター試験レベルに達します。

6年生の社会が得意な生徒にセンター試験の日本史を解かせてみると、80点くらいとれてしまうほどです。ですから、「最後の数か月で一気に暗記しよう」というのは、現実的ではありません。

毎週勉強時間を確保して、コツコツと覚えていってください。

【6年生難関】塾の宿題の取捨選択は過去問を目安に

授業に復習、宿題、テスト直し、特別講座など、やるべきことの多さに頭を悩ませている親御さんも多いのではないでしょうか?

「全部やらなければならない」と思わずに、親御さんがやるべきことの取捨選択をしてあげてください。

得意教科においては志望校の過去問を見て、その傾向にあわせ、塾の宿題を取捨選択し、不得意な部分を強化する学習時間を確保するようにしましょう。

たとえば塾で国語の選択問題と記述問題の宿題が出たとき、「志望校は記述重視だから、選択問題は多少捨ててでも、記述問題をていねいにやろう」といった具合です。

こうすれば、限られた時間を有効に使い、志望校の傾向対策をすることができます。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

息子が新5年生になったとき、塾で算数の担任がY先生に変わりました。Y先生は6年生の最難関校特別講座を担当する実力があり、ママ友の間でも熱意があると評判の先生でした。

しかし、うちの息子は初回授業で当てられて答えることができず、叱られたことがトラウマになったようで、先生の授業を受けるたびに文句ばかり言うのです。

「Y先生の授業ってつまんない」「字が汚くて読みづらい」「今日のY先生の服はすごいダサかった」と、授業内容から見た目のことまで、散々にこき下ろします。

私は適当に相槌を打って息子の愚痴を聞いていたのですが、先生への嫌悪感からか算数に対するモチベーションがどんどん低くなり、成績も下がってしまいました。

私は事態を軽く見ていたと反省し、息子が先生の悪口を言うたびに、「Y先生は6年生の難関中学校の特別講座を教えている、すごい先生なのよ」「保護者会でお話ししたけど、お母さんはいい先生だと思うわよ」と、先生を褒める言葉を息子に返すようにしました。

初めのころは私がY先生を褒めると、「そんなことない。お母さんは何もわかってない」と、言い返してきた息子でしたが、次第に文句を言う頻度は減っていきました。

それでも算数の成績は下がったままだったので、どうしたものかと頭を悩ませていましたが、あることをきっかけに事態が好転しました。

「1回でいいから、わからない問題を聞きに行ってみたら」と、息子を説得したのです。

息子はいやいやでしたが、質問をしに行くと、とてもていねいに教えてくれ、特別にプリントまでくださったことで、息子の中で一気に先生の印象がよくなったのです。

あのとき、嫌いなY先生に質問に行くのを渋っていた息子の背中を押して本当によかったと思います。それからすっかり先生と仲良くなり、成績も元通りどころか、グングン伸びていきました。

大手塾などは先生を選ぶことができないので、先生と子どもの相性がよくない場合は、親が積極的に先生のいいところを子どもに話して先生のイメージアップに努めたり、距離が縮まるようにサポートしてあげるといいと思います。(ジャスミン茶)


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