算数・理科が伸び悩んだときの対処法
2016年6月29日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/6/29号 算数・理科が伸び悩んだときの対処法 監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com |
【今週の必修語】 残念無念(ざんねんむねん)
「青柳くん、風邪をひいてテストを受けられなかったんだって?」
「そうなんだよ、あんなに勉強したのに! 残念無念だよ…」
残念無念とは、残念で悔しいこと。思うようにならず心残りがあることを意味します。
夏かぜの代表的な疾患、ヘルパンギーナが西日本で流行の兆しを見せています。ヘルパンギーナは毎年7月ごろをピークとして子どもを中心に流行することが多いです。
熱や口腔内の痛みで食事や水分を十分に取れず、脱水になるほか、熱性けいれんや髄膜炎、心筋炎といった合併症を生じる可能性があります。
子どもに多い病気ではありますが、大人が感染しないわけではありません。子どもから感染することが多く、熱が39度を超えて重症化する場合もあるので注意が必要です。
飛沫感染や接触感染しますから、予防としてはうがいや手洗いが基本になります。風邪に気をつけて、元気に夏を乗り切りたいですね。
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お子さまの算数・理科の成績が伸び悩んだとき、どのように対処していますか?
実は、勉強時間を延ばしたり、問題数を増やしたりすると、逆効果になる可能性があります。お子さまの勉強方法や理解度など、基本的な部分をていねいに見直して正してあげる方が、のちの成績の伸びにつながることが多いのです。
今回のエデュまがでは、算数・理科の成績が伸び悩んだときに、ご家庭で見直していただきたいポイントを3つご紹介します。
まず1つ目は、『知識がインプットされているか』です。
算数の解き方や、理科の現象や用語をきちんと覚えているか、チェックをお願いします。特に、理科の家庭学習の際に、お子さまがいきなり宿題の設問を解き始めている場合は、注意が必要です。
問題を解くのは、覚えたかどうかのチェック作業です。
知識を定着させるには、問題を解く前にテキストや授業のノートを見返して、現象や用語を覚える作業を行う必要があります。お子さまがいきなり宿題の設問を解いているようだったら、テキストや授業のノートを見返してから宿題に取り組むように導いてあげてください。
2つ目は、『知識が丸暗記ではなく、人に解説できるレベルに達しているか』です。
類題を何度も解いたり、公式や用語をただ丸暗記するだけでも、一時的に成績はあがるかもしれません。しかし、丸暗記した知識に頼っていると、学年が上がり、1段階上のレベルの学習になった際に太刀打ちできなくなります。 丸暗記は長期的な視点に立てば、得策とはいえないのです。
「どうしてこの公式が導かれるのか」「なぜこういう現象が起きるのか」を理解できているかどうか、チェックしてあげてください。
3つ目は、『的確にアウトプットができるか』です。
一通り中学受験に必要な知識を学び終えると、さまざまな演習問題を解くようになります。演習問題は、問題文を読んだら「これは時計算で解ける」「これは落葉樹だな」といった具合に、すぐに解法や解答がわかるような問題ではなく、それまでに学んだ複数の知識を組み合わせることでやっと解けるレベルの問題です。
頭の中から問題を解くのに必要な知識を確実に引き出して、組み合わせて使う“アウトプットの力”があるかどうかが問われます。この力をチェックするには、子どもが先生、親が生徒役になり、問題の解き方を教えてもらう『家庭内ミニ授業』が効果的です。
「この問題の解き方を、お母さんに教えて」と声かけをして、1週間に2・3問くらいのペースで『家庭内ミニ授業』を行ってみてください。他者に説明することで子どもの理解が深まり、理解があいまいな部分もはっきりします。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【1~3年生】正しい姿勢で勉強できているか?
勉強しているときのお子さまの姿勢をチェックしてみてください。最近の子どもはおしりで座らずに腰で座っていたり、椅子に浅く腰かけておへそが上を向いていたりと、姿勢の悪い座り方が目立ちます。
姿勢は視力や内臓の働きなどにも影響を与えますから、軽視してはいけません。机や椅子の高さが合っていない場合は、座布団を利用したりして、楽に正しい姿勢が取れるよう工夫をお願いします。
正しい姿勢は1度筋肉に覚えさせてしまえば、それ以降はとくに気を遣わなくても正しい姿勢で勉強を続けることができます。悪いクセがつくと直すのが難しくなるので、いまのうちに見てあげてください。
【4年生】習い事を続けるかどうか見直す時期
ピアノやスイミングなど、習い事をしているお子さまも多くいらっしゃると思います。そろそろ、習い事と受験勉強との時間のやりくりが難しくなってくる時期です。
夏休み前に、受験勉強と並行してやっていく習い事の取捨選択をおすすめします。習い事をお子さまが喜んでやっているのか、嫌々やっているのかを探り、優先順位を決めて、検討してください。
やめるべき習い事、続けるべき習い事を選別し、夏休み前くらいには実行にうつしましょう。
【5年生】転塾を検討する前にすべきこと
転塾は、成績があがらない原因をしっかりと分析したうえで、検討をお願いします。
「成績があがらないから転塾しよう」と、短絡的に考えるのは危険です。
成績があがらない原因が明らかに塾にある場合は転塾する意味がありますが、勉強の仕方や勉強に取り組む姿勢が原因である場合は、塾を変えても効果は期待できません。
今の塾のまま、勉強方法を改善していくという選択肢も考えてみてください。
【6年生】テスト中に焦っていませんか?
テストの問題用紙に残ったメモや計算の文字が普段のノートの文字に比べて乱雑になっていたら、それはテスト中に「速く解かなくちゃ」と、焦っている証拠です。
問題文をていねいに読んだり、図を描いたり、解く順序を考えたりしていると、時間が足りなくなると思い込んでしまっている可能性が高いです。こういう状態だと、「たぶんこうだろう」と曖昧なまま解き進めることになり、正解にたどりつけなかったり、ミスも多くなります。
スピーディーな勉強だけでなく、問題にじっくり取り込むスローな勉強を行う時間を定期的に作るように導いてあげてください。
【6年生難関】記述を書くときの『型(かた)』を知る
難関校の国語では、50文字や80文字など、回答する字数の多い記述問題を出題することが多くあります。対策として、問題のタイプやテーマによって書く型(かた)がある、ということを知っておくとよいでしょう。
書く型とは、たとえば「Aは○○だが、Bは△△だ」といったような対比型や、「Aは○○で、Bは△△だ」といった並列型、「AだからBだ」といった原因型などです。問題の解答や、本などを例にして、「ほら、文章ってこんなふうにいくつかの型があるのよ」と、お子さまに説明してあげてください。
まるで大学の論文試験のようですが、実際、超難関校では大学入試レベルに匹敵するような問題も出題されます。書く型(かた)があることを知ると、記述問題に取り組みやすくなるので、おすすめしたいと思います。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
娘には幼なじみの仲のよい友だちが2人いました。小学3年生まではいつも3人一緒に遊んで、楽しい毎日を過ごしていたのです。
ところが4年生になると2人とも中学受験をすることになり、塾に通い出したのです。娘は勉強があまり好きではなく、成績も芳しくなかったので、私は「一緒に塾に行ったら?」とは、勧めませんでした。
そのとき本人も塾に行きたいとは言わなかったのです。でも、段々と孤立感を覚えたようで、5年生になる前に「私も塾に行きたい」と言い出しました。
友だちが2人とも同じN中学校を目指していることを知ったのも理由のようで、自分も同じ学校に行きたいと思ったようなのです。
「塾に通うなら、ちゃんと勉強してN中学校に合格できるように頑張ること」と約束をして塾に通わせました。
2人と一緒に通塾することで最初はルンルンだった娘でしたが、夏休みになってからの夏期講習で、勉強三昧についていけなくなってしまったのです。
「もう、勉強ばっかりでいやだ。全然遊べないし、学校の宿題もたくさんあるのに、こんなんじゃできない。塾、やめたい」の一点張り。
案の定と思いましたが、途中で投げ出すのはよくないと、私は娘にこう言ってみました。
「自分でやりたいと始めたことなのだから、きちんとやりとげなさい。N中学校に2人と一緒に通いたいんじゃないの? 今、勉強をやめたら、またさびしい思いをするのはあなたよ。あと1年半頑張ってみんなで合格できれば、楽しい中学生活ができるじゃない。どっちがいい?」
娘は自分だけ違う中学校に通うことを想像したようで、「やっぱり一緒がいい。頑張る」と。
勉強時間も課題の量も多い夏期講習で気持ちが折れかけた娘でしたが、ひと山越えたことで覚悟が決まったのでしょう。それからは勉強に集中するようになり、やめたいとも言わなくなりました。
結果は3人ともN中学校合格。クラスは別々ですが、仲良し3人組は今も健在です。(よしえ)
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