植物や天体が苦手…対策は?

2016年7月20日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/7/20号
植物や天体が苦手…対策は?
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】獅子奮迅(ししふんじん)

「サッカーの欧州選手権、見ごたえのある試合ばかりだったね!」
「とくにウェールズ代表のガレス・ベイル選手は獅子奮迅の活躍でしたね」

獅子奮迅とは、気力をふるって激しく戦うようす。ライオン(獅子)のように、奮い立って暴れまわることを意味します。

4年に1度開催される、サッカーのヨーロッパNo.1決定戦・欧州選手権(EURO)の決勝戦が11日に行われ、ポルトガル代表とフランス代表が対戦。延長戦の末、ポルトガルが1-0でフランスを下し、初の欧州王者に輝きました。

優勝こそしなかったものの、今大会で目覚ましい活躍を見せたのが、ウェールズ代表のガレス・ベイル選手です。

レアル・マドリードに所属している彼は、2本の直接FKを決めるなど計3得点を挙げてウェールズをけん引。ポルトガルとの準決勝は、ベイルと同じくチームの大黒柱であったアーロン・ラムジー選手を累積警告による出場停止で欠いたため厳しい戦いとなりましたが、圧倒的な能力でゴールに迫りました。

結局ポルトガルには負けてしまいましたが、ウェールズはユーロ初出場にもかかわらず、ベスト4という素晴らしい結果を残しました。選手個々のハードワークが光り、ダークホースとして快進撃を続けたウェールズの次なる目標は、実に60年ぶり2度目となるワールドカップ出場です。

18年ロシアW杯に向け、再びウェールズが快進撃を見せることはできるのか、注目したいですね。

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理科の『植物』と『天体』は、苦手意識を持つお子さまが多い単元です。これらの単元を克服したいときは、まず、「植物と天体は暗記することが多い」というイメージを払しょくすることから始めましょう。

たしかに植物も天体も無数に存在しますが、受験のために図鑑に載っている植物や天体をすべて暗記する必要は、まったくありません。入試に出題されるのは身近な植物がほとんどですし、特徴をとらえて分類しながら覚えていけば、求められる暗記量はそれほど多くはないのです。

このことをお子さまに伝えたら、次は、学習意欲が高まるサポートをお願いします。植物の場合は、食卓にのぼる野菜や果物に注目し、「トマトは何科の植物だっけ? どんな野菜と同じ科なのかな?」「キュウリってどんな花が咲くか知っている?」といった具合に、声かけをしてみてください。

また、庭やベランダで植物を育ててみるのもよい方法です。種から芽が出て、花が咲き、実を収穫するところまでを実際に体験すると、たくさんの学びを得ることができます。授業やテストに登場した植物を外に出かけて探してみたり、時間がなければ図鑑やインターネットでいろいろな角度から写真を見たりするのも有効です。

天体は、天体の動きを立体的なイメージでとらえることができるかどうかが、大きなポイントになります。これは机の上での学習ではとても難しいことなので、苦手意識を強く抱いてしまいがちです。天体を克服したいときは、学習にいきなり取り組むのではなく、まず、月食や流星群などの身近なニュースをきっかけに、子ども自身に調べるように促すのが良い方法です。

「一番大きい惑星はどれなのか」、「日食はなぜ起こるのか」などを調べてノートにまとめたり、「お母さんに教えて」と言って説明してもらいましょう。夜に空を眺めながら、「今日の月は上弦の月だね」「あれって夏の大三角形じゃない? どれがデネブかな?」といった声かけをするのもいいですよ。

こうやって、子どもの興味や好奇心を引き出してから、天体の動きに関する学習に移ってください。天体の学習には目で見てわかりやすいアプリやデジタル教材がたくさんありますから、これらを利用するのもおすすめです。

苦手なものに取り組むには大人でも強い意志を必要としますから、「テストに出るんだから勉強しなさい」「文句を言わずに暗記しなさい」などと言われては、お子さまもつらいのです。丸暗記だけの勉強では、モチベーションはどんどん下がってしまいます。

意外な発見や驚き、「そうだったのか」という納得感が得られたとき、「植物っておもしろいかも!」「天体についてもっと知りたい!」と、苦手意識を払しょくすることができるのです。今回お話ししたような方法をまどろっこしいと思う親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかしこれこそ「急がば回れ」「せいてはことを仕損じる」です。

今回お話ししたような方法で関心を持たせながら、「今日はこの部分をしっかり理解しようね」「次は演習問題をやってみようか」と少しずつ目標を設定し、階段をのぼらせてあげてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】夏休みは親子の会話を増やそう

夏休みはお子さまがご自宅にいる時間が増えると思います。できるだけたくさん親子で会話を交わすようにしてください。 会話をするとき、気をつけていただきたいポイントは3つあります。

1つ目は、「夏休みの宿題はどこまで終わったの?」「今日の日記はちゃんと書いたの?」といった勉強に関する内容以外の会話を増やしてほしいと思います。

2つ目は、親御さんが感情を表す言葉を、たくさん使うこと。

例えば、うれしさの表現には、「うれしい」「楽しい」「幸せ」「心嬉しい」「心地いい」などがあり、悲しさの表現には、「悲しい」「つらい」「苦しい」「切ない」「悲痛」「物悲しい」などがあります。それぞれ微妙に異なっています。親御さんから一つでも多くの感情表現の言葉をかけてあげてください。

3つ目が、「そのとき、お友達の太郎くんはどう思ったのかな?」といった具合に、立場を変えて考えることを促す声かけをすることです。

子どもが気持ちに余裕を持てる夏休みこそ、会話のチャンスです。会話力が、読解力や記述力につながっていきます。

【4年生】講習の復習は1日で完結するようにする

小学4年生の夏期講習は、スケジュール的にまだまだ余裕があります。午前か午後がまるまる空いていることが多いですから、講習の復習はその日のうちに終わらせるように努めましょう。1日1日を完結させて過ごしていく習慣をつけてください。

また、学校の夏休みの宿題には積極的に取り組みましょう。自由研究も読書感想文も頑張ってやるように話してあげてください。

そして、「いつから始めれば大丈夫かな?」「何を研究するかは、いつ決めようか?」など、子ども自身がスケジュールを考えるきっかけを作ってあげてください。

【5年生】夏期講習中は焦点を絞った復習をする

夏期講習は普段よりもカリキュラムの進みが早く、1週間の学習量が多くなります。宿題が多く、何をやるべきか迷ってしまうお子さまも多いのです。そんなときは、親御さんからアドバイスをお願いします。

学習の優先順位を決めること。 重点的にやるべき単元と、そうでない単元を分けること。 1日の時間の使い方を考えること。

この3つのことを話してあげてください。

【6年生】塾にいる時間が長いからといって、油断は禁物!

6年生は塾で長い時間講習を受けますが、だからといってすべてを塾に任せきりにしてはいけません。親御さんはお子さまが塾で何をどのように学習をしているのか、常に気にしてあげてください。

お子さま自身、長く塾にいることで勉強している気になりがちですが、効果的な学習ができていないことがあります。先生から言われたことをこなしている受け身の勉強を続けているかもしれません。

時々、「今日は何を勉強したの?」「今日やった問題をお母さんに教えて」「今日頑張って覚えようと思うのは何?」「今日頑張って復習しようと思うのは何?」と、声かけをお願いします。

【6年生難関】行き詰ったら、問題文を読み直す

夏期講習では、難関校の入試問題に挑戦することも多いと思います。難関校の問題は問題文が長く、一目見て「読むだけでも時間がかかりそうだな…」という気持ちになることが多いです。

そういった問題が解けないときに、何か条件を見落としていないか、問題文をもう一度読み直すクセをつけておきましょう。パッと問題を読んで解き始めてしまい、大切な条件や問題文に隠された解答を導くためのヒントを見落としてしまうことが多々あるのです。

難しい問題で行き詰ったら、問題文で何がわかっているのか、何を聞かれているのかを読み取るという基本に立ち返るよう、お子さまを導いてあげてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

息子はとにかく算数が苦手。でも、苦手なだけで嫌いではないらしく、計算問題を毎日コツコツ続けたり、先生に積極的に質問しに行くなど、前向きに取り組んでいました。

しかし、一向に成績が上がらず、ある日とうとう「もう何を頑張ればいいのかわからない!」と、泣き出してしまいました。

私自身も、なぜこんなに勉強しているのに成績に結びつかないんだろうと疑問に思い、息子のテストの成績表をじっくり見てみることにしました。すると、正答率の高い簡単な問題でよく間違えているのにも関わらず、正答率30%以下の難問で『〇』をいくつかもらっていることに気がつきました。

そこで、成績表やテストの解答用紙を見ながら息子とじっくり話してみたところ、比較的簡単な問題が並んでいるテストの序盤では、「簡単な問題は早く解いて、後半にある応用問題に時間をとらなくちゃ」という気持ちになり、焦ってしまうとのこと。

そして、テスト後半に差し掛かると「このペースだときちんと最後まで問題が解けるぞ!」と、落ち着いて問題に取り組めるようになるというのです。そこで、私は息子にこう言って諭しました。

「テストは全部解くことよりも、着実に解くことが大切なんじゃないかな? ほら、正答率が高いのに間違えていたこの問題とこの問題が『○』だったら、クラスの平均点は超えていたでしょう? 焦らずに落ち着いて、1問1問大切に解いてみてごらん」。

息子がこのアドバイスを守ってテストを受けるようになると、解答用紙の空欄は増えましたが、点数は大幅にアップ!クラスの平均点よりも高い点数をとれるようになり、ひとつ上のクラスに上がることができました。

息子のように正答率の高い問題で『×』をもらっている場合は、テスト中に焦っている可能性がありますから、たまにテストの成績表を見るなどして、気を配ってあげるといいのではないでしょうか。(てっちゃんママ)


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