成績低迷を招く2つの『悪いクセ』

2016年8月3日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/8/3号
成績低迷を招く2つの『悪いクセ』
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】粉骨砕身(ふんこつさいしん)

「東京都知事が小池百合子さんに決まりましたね」
「都民のために粉骨砕身していただきたいですね」

粉骨砕身とは、力の限り努力すること。また、骨身を惜しまず一生懸命に働くこと。

骨を粉にし、身を砕くほど努力するという意から、とくに任された仕事に対して使うことが多い言葉です。

7月31日、東京都知事選の開票が行われ、元防衛大臣の小池百合子氏が初めての当選を果たしました。

自民党、公明党、日本のこころを大切にする党が推薦する元総務大臣の増田寛也氏や、民進党、共産党、社民党、生活の党が推薦するジャーナリストの鳥越俊太郎氏らを抑えての当選で、東京都知事に初めて女性が就任することになります。

舛添要一前知事の公私混同問題をきっかけに都政への不信感が高まる中、自民党前衆院議員でありながら都議会や同党との対決姿勢を巧みに演出し、幅広い有権者の支持を集めました。

子育て支援や介護の充実、東京五輪への対応など課題は山積しています。今後どのように都政を運営していくか、小池氏の手腕に注目ですね。

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「うちの子は勉強を頑張っているのに、成績が伸びなくて…」とお悩みの親御さん。それは、お子さまに“悪いクセ”がついてしまっているからかもしれません。

以下の2点をチェックして、“悪いクセ”がついているようだったら、直すように導いてあげてください。

1つ目は、『問題を解くときに図を描いているか』です。

現在の塾では、算数の問題を解くとき、問題文を精読して、それを図解して考える方法が主流になっています。たとえば、『速さ』の問題の場合です。

昔は『距離=時間×速さ』という公式に、数字を落とし込んで答えを出したと思います。これを、縦の長さを『速さ』、横の長さを『時間』、面積を『距離』といった具合に図形でとらえることで、理解がスムーズに進むのです。

親御さんはノートやテストの問題用紙の余白を見て、お子さまがきちんと図を描いて問題を解いているか、チェックをお願いします。描いていない場合は、図を描くことの大切さをお子さまに教えてあげてください。

簡単な問題は公式を覚えていれば解くことができますが、少し複雑な問題になると、公式だけで解けることは少なくなります。線分図、面積図、てんびん図法、ダイヤグラムといった図を描くことで、解答を導く次の一手が見つかることが多いのです。

学年が上がるにつれて公式の暗記だけでは解けない問題が増えていきますから、早いうちから図を描いて問題を解くことを習慣づけておくといいですよ。

2つ目は『問題文をきちんと読んでいるか』です。

お子さまが問題文を読んでいるときの目線の動きに注目してみてください。問題文が10行あるのに目の動きは3往復くらいしかしていない、というような場合は、問題文を読んでいるようで読んでいない可能性が高いです。

問題文をしっかり読めるようになるには、音読が効果的です。とくにオススメなのが、『通常の音読』と『速音読』の2つを組み合わせる方法です。『通常の音読』は感情をこめ、抑揚や緩急をつけて読みます。

一方、『速音読』はできるだけ滑舌よくハキハキと、速いスピードで読みます。読み飛ばしや読み間違いによるミスが多い場合は、この2つの音読をぜひ取り入れてください。

これを続けることで、ていねいに黙読できるようになっていきます。音読は小学校低学年のうちから習慣づけ、高学年になってからもときどき行うようにしてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】トランプやパズルで算数が得意になる

夏休みは普段よりも親子で一緒に過ごす時間が長くなるかと思います。この機会にぜひ、お子さまと一緒にトランプやパズルをやりましょう。

七並べは数字に親しみが湧き、神経衰弱は短期記憶(一時的に保持される記憶)を養います。短期記憶が得意な子は、算数が得意になる可能性が高くなります。

平面的な図形のパズルで遊んだ子は平面図形に強くなり、ブロックや立体四目並べで遊んだ子は立体図形に強くなるといった傾向もあります。楽しみながら数字や図形に対する感覚を養うことができるので、おすすめしたいと思います。

【 4年生 】 夏期講習は前半の内容を忘れがち

ほとんどの塾で、9月の初めに夏期講習の内容を復習するテストが行われます。夏期講習では短期間に多くのことを学ぶため、子どもは夏休みの前半に学んだことを忘れてしまいがちです。

テストに向けて前半の内容を復習する時間を作ると、テストの出来が大きく変わりますよ。

入塾の際は上のクラスに所属していたのに、どんどん成績が下がってしまう子は、4年生の夏休み最後のテストからその傾向が見えはじめます。この時期のお子さまの学習内容と勉強への取り組み方は、注意深くみてあげてください。

【 5年生 】日本史が苦手な場合は…

お子さまは日本史が得意ですか?苦手な場合、時間に余裕のある夏休みが克服のチャンスです。

おすすめの方法は2つあります。1つは、漫画『日本の歴史』を全巻読み切ること。縄文時代から現代までの歴史の流れを、物語として楽しみながら理解することができます。

もう1つは、夏休みの自由研究として日本史年表を作成することです。年表を作成する際のポイントは、時代ごとにページを分けるのではなく、紙をつなげていき、巻紙のような1枚の長い年表にすること。

日本史は、『本能寺の変』『関ヶ原の戦い』など、1つ1つの重要言語は覚えているのに、どちらが先に起こった出来事か、順番を覚えていない子が多いからです。

巻紙にすれば、どちらを右に書いたか、左に書いたかで、順番を思い出すことができます。また、巻紙にして見栄えよく作ると、完成したときの達成感が歴史好きの子どもを作ってくれます。

これらは6年生になってから行っても効果がありますが、負担が大きいので、まだ時間にも気持ちにも余裕がある5年生のうちに取り組むことをおすすめします。

【 6年生 】復習効率があがる授業の聴き方

6年生の夏期講習は、ものすごい量のプリントや演習問題を解いていきます。これらを家に持ち帰ったとき、すべてを復習しようとすると、いくら時間があっても足りません。

以前もエデュまがでお話しした『○△×学習法』を徹底し、復習効率をアップさせましょう。

自信がある『○』をつけた問題や、難しすぎて先生の説明を聞いてもわからなかった『×』をつけた問題を解きなおす必要はありません。授業中に自分で問題を絞り込むことで、効率のよい復習ができるよう、導いてあげてください。

【 6年生難関 】鮮やかに解くことにこだわらない

夏期講習のテキストには、入試に近い難易度の問題が並んでいます。かっこ悪い方法でもいいので確実に答えを出すことを目指すよう、お子さまに促してください。

最難関のクラスは、特に解答力がある先生が担当することが多いです。

先生の中には、子どもたちが「おおっ!」と感嘆するような方法で、難問を解く方も多くいます。先生のように鮮やかに解くよりも、どんな方法を使ってでも一発で正解を出すことを意識して勉強を進めるように、お子さまを導いてあげてください。

また、先生が使った鮮やかな解法を使って問題を解く場合には、その解き方で答えが出る理由をきちんと理解したうえで使うようにしましょう。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

5年生の息子は、文章読解が苦手でした。国語はもちろん、算数の単純な計算はできるのに、文章問題となると苦手なんです。

文章問題を見るだけで、「いやだ、やりたくない」と拒否反応を見せるんです。とりあえず、まずは読解への苦手意識を少しでも解消しようと思い、考えた末、蛍光マーカーを3本用意して、次のようにアドバイスしました。

「テキストに直接色を塗っていいよ。主語にはオレンジ、述語に青、修飾語には黄色。次、同じような言葉がでてきたら、またそれに色を塗ればいいから」と。すると、テキストに色を塗っていいというのが息子には新鮮だったようで、遊び感覚の延長で楽しそうに色を塗り出しました。

最初のうちは、「これは主語だからオレンジ、これは述語だから青」と、ひとつひとつ教えなくてはなりませんでしたが、蛍光マーカーだから、また同じ言葉が出たときに見つけやすく、2・3回一緒にマーカー引きを手伝ったら、あとは自分ひとりでできるようになりました。

主語、述語のパターンがわかると、そのうち修飾語のこの言葉は黄緑、この言葉はピンクなど、色のバリエーションを増やして楽しみ出して、今では「ばっちりだよ」と、むしろ読解問題が好きになったようすです。

苦手な文章を「やればできるから」と無理やり押し付けるのではなく、自分の子が映像記憶タイプか文章記憶タイプか、まず親が理解して、効果的な勉強方法を一緒に考えながら教えてあげることも大事だなと思います。(マリアン)


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