すぐ実践できる! 算数の力を伸ばす裏技
2016年8月17日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/8/17号 すぐ実践できる! 算数の力を伸ばす裏技 監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com |
【今週の必修語】 日進月歩 (にっしんげっぽ)
「ポケモンGO、すごくおもしろいよね!」「ゲームの技術は日進月歩だな、と感激したよ」
日進月歩とは、日ごと月ごとに絶えず進歩すること。また、進歩の度合いが急速であることを意味します。
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」が世界中で大ヒットしています。スマホの位置情報機能や地図データが活用されたゲームで、利用者が街を移動しながらカメラを起動したスマホをかざすと、画面に映った現実の風景にポケモンが合成映像で登場。
画面上の「ボール」を指で動かし、ポケモンに当てて捕まえて遊ぶことができます。ポケモン発祥の地・日本では7月22日に配信開始となり、幅広い世代がプレイして、社会現象になっています。
歩きスマホをしながらプレイに熱中することによるトラブルも起きていますから、お子さまがプレイしている場合はルールなどを決めて、楽しく安全に遊べるように目を配ってあげてください。
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『中学受験は算数で決まる』と思っている親御さんは多いと思いますが、この認識にはちょっとした落とし穴があります。算数で高得点を取れても、社会・理科で差をつけられて不合格ということもあるのです。
中学受験における社会・理科の学習量は、非常に膨大です。大手塾では4年生から社会・理科のカリキュラムがスタートしますが、これは受験までの3年間をかけて学習する必要があることを、塾がわかっているからです。
例えば、社会は地理・歴史・公民の3つのジャンルに分けられますが、その1つの『歴史』だけでも、大学入試のセンター試験レベルに達します。6年生の社会が得意な生徒にセンター試験の日本史を解かせてみると、80点くらい取れてしまうほどになるのです。
ですから、「社会・理科は最後の追い込みで暗記すればOK。その分の時間を算数に費やそう」といった勉強の仕方は、現実的ではありません。社会・理科はテキストの重要語句の意味を理解し、覚える時間を毎週確保して、知識をコツコツ積み上げていく必要があるのです。
「うちの子は算数が苦手だけど、社会が得意だから、算数の分も社会で点数を稼げば大丈夫」。こういった考え方もよくありません。
もちろん、得意教科を伸ばすのはいいことですが、苦手教科の失点分を他教科でカバーしようと考えるのは危険です。どの教科もおろそかにせず、4教科バランスのよい勉強を進めていってください。
とは言っても、家庭学習においてはどうしても算数に1番時間を取られると思います。限られた時間の中で、着実に算数の力を伸ばしていくためにおすすめしたいのが、『式の最後に単位をつけること』です。
算数は学年があがるにつれ、計算して出した答えと別の計算で出した答えを使ってまた計算をする、という複雑な問題が増えていきます。
何度も計算を繰り返していると、途中で「この数字、何だっけ?」と、迷子になってしまうことが多々あるのです。こうしたミスはどんなに優秀な子でもけっこうあります。
式の最後に単位を書いておくと、自分が何を求めようとしていたのかを振り返ることになり、その後どうしようと考えていたのかをスムーズに思い出すことができます。ミスが減るので、テスト中にもぜひ実践してほしい技ですが、1つだけ注意していただきたいことがあります。
それは、解答欄に答えを書くときです。
今は塾のテストでも入試でも、解答欄にあらかじめ単位がつけられていることがほとんどです。単位をつけながら計算して導いた答えを、そのまま単位も一緒に書き写すと、解答欄の単位が二重になってしまいます。
そうなると、数値はあっていても×になりますので、気をつけてくださいね。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【 1~3年生 】学習ゲームで算数が得意になる
夏休みもあと2週間ほどでおしまいですね。この機会に、将棋、チェス、オセロ、トランプ、ナンプレなどの学習ゲームで楽しく遊んでみてください。短期記憶が養われ、算数が得意になる可能性が高まります。
ブロックやパズルなども効果的。ブロックで遊んだ子は立体感覚が養われ、立体図形に強くなりますし、パズルで遊んだ子は平面図形に強くなります。
また、ちょっと落ち着きがない子にこれらをやるように促すと、集中力が持続するようになるのでおすすめです。
【 4年生 】 漢字学習で意識すべきポイント3つ
お子さまは漢字が得意ですか?漢字は、何度も何度も繰り返し書けば必ず覚えられるわけではありません。学習する際は、以下の3つのポイントを意識して行ってください。
・偏(へん)とつくりを確認すること
・漢字そのものが持っている意味を捉えること
・その漢字が使われている熟語を覚えること
加えて、余裕があれば、その漢字について知っていることをお子さまにたくさん話してあげてください。言葉の意味の核心を突くような正しい説明でなく、あいまいな情報で構いません。
「この漢字を使う熟語は、○○と△△があるんだよ」「ほらここ、新聞の見出しにも○って漢字があるわね」といった具合です。そんなお母さまからの情報が、お子さまにとっては非常に効果的な学習になります。
【 5年生 】『速さ』が苦手な場合は時間計算の見直しを
算数の『速さ』に苦手意識を持つお子さまは多いです。この場合、時間の単位換算がスムーズにできるかどうかのチェックをしてみてください。
『速さ』が苦手という場合、実は速さではなく時間の単位換算が苦手ということが非常に多いのです。例えば、「時速20kmで20分進むと、何km進みますか?」という問題が出たとき、「20×20=400km」という式を立ててしまう、といった具合です。
「20分は1/3時間」という単位換算がすぐにできないため、このような式を立ててしまいます。時間の単位換算を克服するには、「3.2時間=( )分」「7/15時間=( )分」といった問題をたくさん解くのがおすすめです。
【 6年生 】問題文を焦って読むとミスにつながる
お子さまはしっかり問題文が読めていますか?問題文をじっくり読む心の余裕がなく、読み取りミスをしてしまうお子さまは多いです。
できるだけ速く読み、すぐに解き始めないと問題を全部解き終えることができないと、焦ってしまうのです。こういった状態で問題文を読むと、文章が目に入った印象から「こういった類の問題のはずだ」と思い込んでしまい、大事な条件を見落とすなどのミスにつながります。
ぜひ、この時期に問題を読んでいるときのようすをチェックしてみてください。問題文が10行あるのに目線が3往復くらいしかしていない、といった場合、きちんと落ち着いて読むように促してあげてください。
【 6年生難関 】合格可能性別の現在すべき学習
現時点で志望校合格の可能性が高い場合と、合格基準に達していない場合では、いまの時期に学習すべき内容が異なります。お子さまがどちらに属するか判断し、適した学習を行えるように導いてあげてください。
ある程度合格のめどが立っている場合は、合格の可能性をより確実にするための学習を進めてください。合格の可能性をより確実にする学習は、少し難しめの問題に、背伸びをして挑戦するというもの。
量は多くなくて構いませんので、「ああでもない」「こうでもない」と試行錯誤しながら、鮮やかな解き方でなくてもいいので、自力で正解を出す勉強をしましょう。合格基準に達していない場合は、次号の『エデュまが』で説明します。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
我が家では、授業の予習・復習・宿題ができているかはしっかり見ていましたが、テスト直しに関しては「きちんとやった?」と聞くだけで、娘に任せっぱなしにしていました。
しかし、ある日参加した塾の保護者会で、先生から「テスト直しはお子さまの弱点がわかる重要な作業なので、ていねいに取り組んでください」というお話を聞いたため、「今までテスト直しはどうやっていたの?」と、娘に尋ねてみました。
すると、「塾から配られる解答を読んで終わり」との答えが。「解答を読めば理解できるもん」という娘でしたが、テスト直しを終えた問題を解いてみるように促したところ、解くことができませんでした。
「こんなに適当にテスト直しをしていたなんて!」と、怒りたい気持ちもありましたが、グッとこらえて、「なんとなくわかった程度の理解で、テスト直しを終わりにしてはダメよ。今度この問題がテストに出たら、解けるぞ!って思えるくらい、きちんと理解しようね」と、優しい口調で語りかけました。
この出来事をきっかけに、テスト直しを学習スケジュールに組み込み、加えてていねいに解き直しを行っているか、チェックすることにしました。テスト直しをきちんと行うようになってから、いつも悪かった公開模試の成績がアップ。
毎週授業や復習、宿題などやるべきことがたくさんありますが、テスト直しを後回しにしたり、ないがしろにしてはダメなのだと実感しました。
テスト直しは面倒くさがるお子さまも多いようですから、正しく行う習慣がつくまで、親が見てあげたほうがいいと思います。(緑の風船)
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