塾や志望校のブランド・イメージにふりまわされない
2016年11月9日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/11/9号 塾や志望校のブランド・イメージにふりまわされない 監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com |
【今週の必修語】佳人薄命(かじんはくめい)
「朝ドラの『べっぴんさん』、毎朝楽しみ!」
「主人公のお母さんは、まさに佳人薄命だったね」
佳人薄命とは、美しい人は短命であるという意味。
美人は病弱で早死にしたり、運命にもてあそばれて不幸になったりすることが多いということ。中国から来た言葉で、美人薄命ともいいます。
10月3日からスタートした、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』。
戦後の日本で、芳根京子さん演じるヒロイン・坂東すみれが子ども服作りに目覚め、日本初の総合子ども用品店を開くストーリーを描きます。ヒロインのモデルとなったのは、1950年に子ども服店『ファミリア』を創業したひとり、坂野惇子さんです。
ドラマの中では、すみれが幼少の頃、母親の坂東はなから裁縫を教わり、それがのちに『べっぴん(別嬪=最上級品)』である子ども服を作ることにつながっていきます。
ドラマで母親を演じたのは、女優の菅野美穂さん。すみれが9歳のときに病気でなくなってしまいますが、語り(ナレーション)も担当しています。
今後どのように物語が展開していくのか、楽しみですね。
メルマガ特集
今の時期は、塾や志望校・併願校の検討を行っている親御さんが多くいらっしゃると思います。非常に重要な選択ですから、慎重になり、悩んでしまいますよね。
そこで、今回のエデュまがでは、塾や志望校・併願校を決める際に注意すべきポイントをお伝えします。
親御さんに最も気をつけていただきたいのは、ブランドやイメージにとらわれないことです。
ときどき、お子さまが難関校への合格実績が高い塾に入ると「これで安心だわ」と思ってしまう親御さんがいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。通うだけで実力がつく塾などありませんし、無名の塾にも難関校に合格できるお子さまはいます。
そもそも、お子さまにとって合格実績の高い塾で学ぶことが、最良の選択とは限りません。成績優秀な生徒に囲まれたとき、競争心がモチベーションとなって頑張れる子もいれば、自信を失ってしまう子もいるからです。
実際に、合格実績が高い塾の下位クラスで伸び悩んでいたお子さまが、別の塾に移ったところ、相対的な塾内偏差値やクラスがあがり、やる気が出て、自信を取り戻したケースもあります。
塾選びの際には、つい知名度や合格実績が気になってしまいますが、お子さまとの相性を重視していただきたいと思います。
志望校に関しても、偏差値やイメージにこだわらず、「学校に何を望むのか」「どんな環境で中学・高校時代を送らせたいのか」をよく考えてみてください。実際に受験する学校を決めるのは入試直前で大丈夫ですから、それまでは幅広い範囲の学校を検討しましょう。
学校説明会や学校見学、文化祭や体育祭などの一般に公開される学校の行事に積極的に足を運び、見たり、聞いたり、感じたことを大切にして、志望校を決めてください。あまり早い時期から「この学校だけを目指す」と極端に絞り込んでしまわずに、5・6校以上を視野に入れ、その中の上位校をターゲットにした学習を進めていきましょう。
時折、お子さま自身がブランドで志望校を選び、偏差値が足りなくてもその学校に行きたいと言い張るケースがあります。
この場合は、無理だと決めつけてあきらめさせようとするのではなく、意欲があることは認めたうえで、「他の学校もみてみよう」と、視野を広げるように導いてください。
ただ、親御さんの影響で、お子さま自身がブランドやイメージにこだわるようになってしまうこともあるので注意してくださいね。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【 1~3年生 】 入塾テスト対策のポイント
入塾する際、なるべく上のクラスからスタートしたいですよね。そのために必要不可欠なのが、入塾テストへの対策です。
入塾テストは形式もレベルも小学校のテストとは大きく異なりますから、学校で成績がよくても安心はできません。市販されている受験問題集『自由自在(小学3・4年生版)』などをやっておきましょう。
問題集を解く際のポイントは、問題集に直接に答えを書き込むのではなく、ノートに書くようにすることです。加えて、計算のスピード、読むスピード、正確さを養う意識を持って取り組めるといいですよ。
【 4年生 】社会・理科の勉強の仕方に要注意
お子さまが社会・理科を勉強しているときのようすをチェックしてみてください。いきなり問題を解いたり、テキストを見ながら答えを書いたりしていてはいませんか?
社会・理科の学習は、問題を解く前にテキストを読んで内容を理解したうえで重要単語や重要事項を暗記する時間をとらなければ、意味がありません。
出来事の背景や名前の由来などを理解した上で、覚える時間を十分とってから問題に取り組むよう、導いてあげてください。
【 5年生 】 国語の成績が下がってきてはいませんか?
5年生のこの時期になると、説明文が抽象的になり、読解が難しくなります。最近国語の成績が下がってきたというお子さまは、対策を講じる必要があります。
国語の成績をあげるためには、長文も設問もていねいに読むことが大切です。
まず手はじめに、設問を一言一句もらさず読む練習をさせてください。設問の短い文の中にも、作問者からのヒントが隠されています。それに気づくための第一歩です。
【 6年生 】 覚え直しは社会を先行させる
入試に向けた各教科の覚え直しは社会を先行しましょう。他教科と比べて、社会が最も覚える事項が多く、覚えた分だけ点数を上げることができる教科だからです。
覚え直しは、自信をつける意味でも、ミスを減らす意味でも、とても大切な作業です。重要な単語だけを覚え直すのではなく、関連する事柄や因果関係などとあわせて覚え直す意識を持って行いましょう。
四谷大塚なら『四科のまとめ』、日能研なら『メモリーチェック』、サピックスなら『コアプラス』を使うのがおすすめです。
【 6年生 最難関志望 】私立と国公立の中高一貫校の併願は危険
お子さまは気持ちの立て直しが簡単にできるタイプですか?「第一志望は最難関私立だけど、国公立の中高一貫校も受けさせてみようかな」と考えている親御さんはいらっしゃいますか?
私立と国公立では出題傾向が大きく異なり、国公立の受験には図工や体育の実技があったりします。お子さまが非常に優秀な場合でも、公立中高一貫校専門塾に通ってきたお子さまには太刀打ちできない可能性があります。
これまで最難関私立を目指して勉強してきたのであれば、これから国公立校向けの学習を加えるとすべてが中途半端になりかねません。
国公立の中高一貫校の適性検査問題と第一志望校の入試問題の傾向が似ている場合を除き、最難関私立と国公立の中高一貫校の併願はきわめて高リスクだと認識しておいてください。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
小学5年生から塾に通い始めた長女は、わずか1か月ほどで、突然「塾に行きたくない」と言い出しました。「どうして行きたくないの?」と尋ねると、友人関係で悩んでいるとのこと。
その塾は小学4年生から通塾している子が多いため、すでに友人関係ができあがっており、さらにクラスのボス的存在の女の子に仲間はずれにされていると言うのです。
話をしているうちに、「あの子の子分になるくらいなら一人でいるほうが楽だけど、友だちができないのはつらい」と、泣き出してしまいました。
長女は活発で明るい性格なので、学校では友人関係に悩んだことはありませんでした。こういった子どもの悩みに対処するのは初めてのことで、親としては非常に悩みました。
転塾も考えましたが、塾の勉強は楽しく、先生のことも大好きだというので、長女にこう言って諭しました。
「塾は志望校を目指して勉強するところだよね。友だちを作りに行くところじゃないから、無理して友だちを作らなくてもいいんじゃないかな? それに、上のクラスに行けば友だちができるかもしれないから、今は勉強を頑張ろうよ」。
長女は私の言葉に納得してくれたようで、吹っ切れたように勉強に集中。メキメキと成績を上げていき、夏期講習の前には一番上のクラスになりました。
そこでは切磋琢磨できるよい友だちがたくさんでき、受験勉強の支えになったようです。高校生になった今でも、お互いの学校の文化祭に招待するなど、交流を続けています。
「塾に行きたくない」と子どもが言い始めたとき、それは勉強が面倒くさいだけではなく、何かほかの理由がある場合もあります。
行きたくない理由をよく聞いて、子どもの味方になって、心の負荷を取り除くようにしてあげることも親の努めのひとつだと思います。(バーニー)
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