早期英才教育と生活体験、どちらが大切?
2016年12月14日発行のバックナンバーです。
エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/12/14号 早期英才教育と生活体験、どちらが大切? 監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com |
【今週の必修語】四角四面(しかくしめん)
「ドラマの『逃げるは恥だが役に立つ』、すごくおもしろいよね!」
「始めは平匡さんは四角四面な人なのかと思ったけど、回を重ねるごとにかわいい人だなと感じるよ」
四角四面とは、態度が几帳面すぎて、堅苦しいこと。また、物事を何でも堅苦しく考えて、融通のきかないようすを意味します。
女優の新垣結衣さんが主演を務めるTBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が大ヒットしています。ドラマは海野つなみさんの同名マンガが原作。
派遣切りにあい、“職なし”“彼氏なし”の森山みくり(新垣)が、星野源さんが演じる独身会社員・津崎平匡の家事代行として働くうちに、家事労働の対価をもらう契約結婚をするという、社会派ラブコメディーです。
星野さんが歌う主題歌『恋』に合わせて、新垣さんらがキュートに踊る『恋ダンス』や、人気番組のパロディーを盛り込んだ演出、津崎とみくりのかわいくてじれったいやりとりが人気を集めています。
初回放送から右肩上がりで視聴率更新を続けており、最終回は12月20日(火)夜10時から放送です。ご覧になってみてはいかがでしょうか?
メルマガ特集
小学校、中学校、高校と、子どもの力を着実に伸ばすためには、幼いころから『生活知識』と『身体感覚』を養うことが大切です。
この話を聞くと、「幼い頃から塾に通わせて、英才教育をした方がよかったのかしら」と感じる親御さんがいらっしゃるかもしれません。でも、そんな後悔は不要です。
大事なのは、英才教育ではなく豊かな生活体験だからです。
長年の家庭教師の経験からいうと、早期英才教育はお子さまによくない影響を与えるケースも多いと言わざるを得ません。
人間の脳は、適切な時期に、適切な速度で成長していきます。促成栽培した野菜や果物が旬の食材とは味や香りが異なるように、人間も特殊な方法で成長速度をあげようとすると、無理が生じることがあるのだと思います。
早期英才教育を掲げる塾では、フラッシュカードを使った訓練など、いわゆる右脳教育を行うことが多いようです。右脳教育は即答型の訓練であることが多く、これをくり返していると反射的に、つまり即座に答えを出せるようにはなりますが、「わかった!」「なるほど!」といった理解や面白さは伴わないため、感情があまり動きません。
幼い頃からこのような機械的な訓練を続けていると、興味のあることをしていても表情が変わらなかったり、遊びに連れて行ってもあまり楽しそうではないなど、感情の起伏が起こりにくくなってしまうことがあります。
また、この訓練は直感に頼ったものなので、深く考えることができなくなってしまう恐れもあります。
そうすると、小学校高学年になり、本質を理解したうえでじっくり考えて答えを導いていかなければならない発展問題に向き合ったとき、勘だけで解こうとしてしまいます。
国語や問題文の文章を読むときも、適当にパッと目を通しただけで、意味がわかったような気になってしまうかもしれません。
右脳教育以外にも、小学生向けの速読教室などがありますが、塾のテキストや試験問題は通常のスピードで読めれば十分です。むしろ速読によって、情景を思い浮かべたり、登場人物の気持ちを考えるという読書本来の楽しみを知らない子どもになってしまう可能性があります。
お子さまの力を伸ばすためには、特別な早期英才教育を行うよりも、家庭の環境や、毎日の会話を大切にしてください。
お手伝いをしたり、ご家族で遠出をしたり、お友達と外で遊ぶなどの好奇心が膨らむ体験をし、『身体感覚』と『生活知識』を自然と身につけていけば、お子さまの力は自然と伸びていきます。
毎日の会話によってお子さまの力を伸ばす秘訣は、次回のメルマガで詳しくお話します。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)
学年別・今週のスポットアドバイス
【 1~3年生 】 習い事や補習塾の見直しを
2学期から新しく習い事を始めたというお子さまはいらっしゃいますか?
学期末のこの時期に、お子さまの取り組む姿勢やようすを見て、このまま続けるかどうかの検討をしてください。やり始めたことはできる限り続けるべきと考えるのではなく、本人の気持ちの変化に注意を払ってください。
例えば、ノートの字が汚く投げやりになっていないか、表情が暗くなっていないかなど、注意深く見てください。
【 4年生 】 ラクをすることに慣れてはいませんか?
通塾生活がスムーズに進んでいるようすのお子さまは、実は4年生のこの時期には、ラクをすることにも慣れ始めていたりします。
ノートの取り方が雑になったり、図や計算を書くことを省き始めたりしていないか、チェックしましょう。
「ちゃんと書きなさい」と注意しても、「頭で考えているから大丈夫」と返すお子さまもいると思います。確かに4年生の内容だと頭の中だけで考えを組み立てて答えを出せる子もいますが、このやり方に慣れると5年生以降の複合問題で太刀打ちできなくなります。
このやり方だと5年生からの成績の伸び悩みにつながることをお子さまに伝えて、図や計算式を書く作業を省かずに解いていく習慣を崩さないように、導いてあげてください。
【 5年生 】目標を設定して、学習プランを立てる
5年生の2学期に、受験に必要な国語や算数の単元をひと通り学び終えます。この時期に、お子さまの学習状態や生活のようす、そしてテストの成績推移を客観的に捉えて、今後の学習プランを考えておくことをおすすめします。
志望校は今の偏差値プラス7~8程度の学校を目標にすると、学習プランを立てやすくなります。志望校の偏差値が10以上離れている場合でも、諦めるのではなく、まず7~8ポイント上を目標としたプランニングが効果的です。
いきなり高い目標を設定するよりも、階段を一段一段上がっていくイメージを持たせてあげた方が、お子さまのモチベーションもあがりやすいからです。
【 6年生 】お母さまは笑顔の練習を始めましょう
受験が近づくにつれて『苦手な電流の単元は大丈夫かしら』『風邪を引いたらどうしよう』など、緊張感と不安感が否応なしに高まります。すると、1月頃から笑顔が出なくなったり、表情がこわばってしまうお母さまが多いです。
この時期から、お母さまは鏡の前で笑顔の練習をしておいてください。お母さまの表情から伝わる非言語コミュニケーションは、非常に大切です。
お母さまの表情が硬ければ子どもは不安や緊張を感じ、お母さまが笑顔であれば安心することができます。加えて、日々の会話が受験に関わることだけにならないように注意しましょう。
世の中の出来事やお友だちの事、家族の事など、表情豊かに語りかけてあげてください。
【 6年生 最難関志望 】記述問題は完璧な答案を目指さなくてOK
お子さまは、記述問題に対する自信を失ってはいませんか?
最難関校の国語はほとんどが記述問題です。テストやテキストの記述問題を解いて、塾で添削してもらう必要があります。
ただ、添削された答案があまりにも見事で、子どもは「こんなの書けないよ」と落ち込んだり、自信を失ってしまうことも多いのです。
記述問題は△がもらえる答案を目指しましょう。△を積み上げていけば合格点に届きます。
この原則を心に留め、完ぺきな答案を目指すのではなく、まずは、△をもらって50%の点数はとれる答案を目指すようにします。
そして50%の次は70%というように、少しずつ精度を上げていく努力を続けてください。
これで成功! 先輩ママの声かけ実例
スマホがほしいと娘が言い出したのは、小学4年生のときでした。
同級生でもスマホを持っている子が増えてきていましたが、受験勉強に影響が出そうだと思い、「スマホを持つのはもっと大きくなってからね」と言って一度は諦めさせました。
しかし、それからも事あるごとに「スマホがほしい」とアピールしてくるので、「じゃあ、一番上のクラスに上がれたらいいわよ」と冗談半分で言ったところ、娘は目の色を変えて猛勉強。なんと半年で、真ん中のクラスから一番上のクラスに上がったのです。
娘の頑張りに加え、5年生になると塾の帰りも夜遅くなるので、防犯上でも持たせたほうがいいと思い、4年生の冬にスマホを買い与えました。しかし、危惧していた通り、スマホに夢中になって勉強がおろそかになってしまい、「このままの成績だと一番上のクラスをキープするのは難しい」と、塾の室長に言われてしまいました。
そこで、「スマホをイジってばかりいないで、勉強しなさい」と娘を叱ったのですが、「お母さんだってずっとスマホをイジってるじゃん!」と言い返されて、ハッとしました。
私は娘がリビングで頑張って勉強しているときも、スマホのゲームやLINEに夢中。娘が話しかけてきても適当に相槌を打っていたことに気づかされたのです。
そこで、私は今までの態度を改め、娘が勉強しているときはスマホを使わないことを娘に約束しました。そして、娘も「学校がある日は7時半に、週末は9時になったら、電源を切ってスマホをお母さんに渡す」と、約束してくれました。
娘は約束をきちんと守り、第一志望校に合格。
中学生になった今でも、スマホに関しては親子で決めたルールを守って使っています。
最近は小学生でスマホを持つ子が増えているようですが、きちんとルールを決めてから与えたほうがいいと思います。また、子どもを叱る前に、親である自分がスマホ・ネット依存症になっていないか振り返ってみてください。(アップルパイ)
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