教育費の捻出法、通常の収入のみ?援助あり?:エデュママアンケート第109回
第109回 教育費はどうやって捻出している?
inter-edu’s eye
中学受験を目指すご家庭が多いエデュママ。塾費用など教育費はどのように捻出しているのでしょう? アンケートでは項目を絞って複数回答でうかがってみました。
約半数が通常の収入のみで対処
「通常の収入だけでまかなっている」と回答したのは、全体の60%弱。そして「パートなどで補っている」が約20%、「貯蓄を取り崩している」が約10%、「祖父母の支援」が約12%となっています。また「学資保険に加入している」という回答は全体の13%程度でした。
中学受験には、一般的に3年間で塾費用など200万円~300万円かかるので、世の中全体としては、配偶者控除が受けられる範囲、年間100万円程度の収入を目的にパートをして教育費にあてている方が多いようです。しかし晴れて合格して私立に通うと、毎年塾費用と同程度のお金がかかります。
また中学受験をせず公立中に行ったとしても、高校受験の塾費用がそれなりにかかります。巷間言われている「子どもは手がかからなくなるほどにお金がかかる」は、まさにそのとおりで、中学受験をしなくても、子どもの成長とともに教育費が重い負担となってくるご家庭は多いでしょう。ちなみに、幼稚園から高校卒業までの学習費総額は、「小学校だけ公立」だと約1000万円、「すべて公立」だと約500万円となっています。
お金のために辛い思いをさせたくないという思い
こうした中、比較的経済的余裕のあるおじいさま、おばあさまをお持ちのご家庭では、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」が大きな支えとなってくれていることでしょう。
子・孫ごとに1500万円までの贈与が非課税となるので、教育費の大半をまかなうことが可能です。今回のアンケートで、約13%の方が「祖父母の支援」と回答していたのも、このためかもしれません。ただしこの措置にはそれなりの条件と手続き、それに期限(平成31年3月31日まで)があります。なおこの措置は、今年から内容が拡大され、結婚や出産、育児を目的として受けた贈与も1000万円まで贈与税がかからなくなっています。
それにしても、「子どもふたりの教育費は、世帯年収の40%」という調査データには驚かせられます。なんと低収入世帯では、教育費が支出の半分以上を占めています。「お金のせいで子どもに辛い思いをさせたくない」という気持ちはほとんどの親御さんが共有しているのでしょう。とはいえ教育の本質はお金ではありません。家庭、学校、その他のさまざまな環境の中で、お金さえあればなんとかなるものは、それほど多くはないのも事実です。
今は、子どもの中学受験に一生懸命のエデュママのひとりが語ってくれました。
「母は私が幼稚園のときに離婚して、私と妹を、公文の塾をやりながら育ててくれました。そんな母を見ていたので無理は言えないと思って、大学受験は通信教育でなんとか志望校に合格して奨学金とバイトで大学時代を過ごしました。その後就職、結婚して、今は一児の母です。今も、つらいことがあるとあの頃の母の頑張りを思い出します。母が私を支えてくれているように思っています」
■参照サイト
●文部科学省「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」
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