第57回　学歴で人生が決まると思いますか？

大学全入時代と呼ばれる現在、学歴に対する考え方は大きく変わってきました。それでも就職や結婚など、人生の節目には必ず出てくる学歴の話題。そこで今回は、多くの人が気にする
『学歴』についてアンケートしてみました。

■20人に1人は「学歴と人生関係ない」派

学歴で人生が決まると考える人は、「かなり決まる」と「どちらかといえば決まる」を合わせて約80%。多くの人は、学歴が人生に影響すると考えているようです。ただし、「どちらかといえば関係ない」「まったく関係ない」と答える人が5％、つまり20人に1人は逆の考え方をしています。

■人生にどんな理想を描くか

では、「学歴で人生決まる」派と「学歴と人生関係ない」派の違いとは何でしょう？ 一つには、人生にどんな理想を描くかによって分かれることが考えられます。たとえば学歴により得られる人間関係について、前者は「いい大学を出て、仕事につながる人脈を得たい」と言い、後者は「学歴の高低ではなく、気の合う仲間と出会いたい」と言います。理想とするイメージがまったく異なるのです。

■80％以上が「そう思う」派

子どもに自分の学歴を超えてほしいと思う人は、「かなりそう思う」と「そう思う」を合わせて80％以上。特に、「かなりそう思う」が約50％を占めることから、多くの親が子どもに「自分以上の学歴」を期待していることが分かります。

■超えられそうだから、超えてほしい

その理由を見てみると、「少子化により競争率が低くなったから」など、超えるのが当たり前という考え方があるようです。一方で、自身の受験における成功・失敗の経験を子どもの受験に生かせば、必ず超えられるという意見もありました。いずれにしても、「学歴で人生が決まるから、どうしても超えてほしい」というより、「超えられそうだから超えてほしい」というようなニュアンスが見受けられます。

■学歴は大切、でもそれだけでは…

小学生・中学生を持つ親が子どもの頃、学歴重視の時代であったため、学歴で就職や収入が決まり、人生もが決まると教えられたことが多かったと思います。しかし今は、学歴だけでは保証されない時代となりつつあります。

そこで親は、子どもには社会で生き延びる『能力』を身につけてほしい。そのために質の高い教育を受けて欲しいと考えるようになります。結果、それが『学歴』につながっているという見方もできるでしょう。

「学歴は大切だけど、学歴そのものに執着があるわけではない」という相反する気持ちが見え隠れしているように感じるアンケート結果でした。