中学受験、夏休みの勉強法と勉強時間
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
- Q 夏休みの間の勉強はどうやったらいいですか?
- A 夏休みは学校がお休みの分、受験勉強に使える時間が普段と格段 に異なります。日ごろ通学と通塾だけでいっぱいいっぱいで、自宅学習の時間がとれないストレスを抱えているご家庭としては、思わず「飛躍の夏」を期待してしまうでしょう。今回はそのお悩みにお答えします。
夏休みは一歩間違うと「転落の夏」?
夏は確かに学校分の時間は空きます。でも、そもそもなぜ日本の学校制度は夏に長期休暇をとらせるのでしょうか。それは、暑くて体力を削られるから。夏は学習に適した季節とは言えないからなのです。
6年生ともなれば健全に汗をかくこともできず、冷房の効いた狭い一室で朝から夕方、時には夜まで拘束される夏期講習期間は、普段よりももっとハードな生活です。お盆のお休み時期も塾のオプションをとる場合が多く、なかなか休めません。塾のない日は少ない自学自習の日ですから、有効に使わなければとあせってしまいがちです。
夏期の過ごし方を間違えてしまうと、「飛躍の夏」どころか「転落の夏」になってしまいます。
それでは、講習のある日とお休みの日に分けて、自宅での学習方法をご説明いたします。
塾の講習期間のポイントは2つだけ!
講習期間は、帰宅後にノートを見返して授業内容を思い出すこと。実はこれが一番重要です。その日のうちに習ったことに対する記憶を定着させること。できれば、親子で「今日は何を習ったか」の会話をすることをおすすめします。
宿題や課題はとりあえず片付けましょう。これはどうしても「やっつけ」になってしまうのですが、「やっつけ」であろうと「決められたことをやる」という習慣づけとしては有効です。
ですが、体調がすぐれないときは、ノートだけ見返して寝てしまって構いません。体力の削られる夏に体調を崩してしまったら回復するまでに時間がかかり、結局非効率です。ただし、漢字と計算は必ず毎日5分でもいいのでやりましょう。
講習期間のポイントは2つ。
1つは、ノートを見返して授業内容を思い出す。
もう1つは、隙間時間の有効活用です。ここで漢字・計算・社会や理科の暗記をすること。講習のある日は欲張らないことが大切です。
講習期間のない日の学習で最もいいのは?
次に、塾の講習がない日の学習内容についてご説明いたします。5年生以下であればいつもより寝過ごしたり、お出かけして気分転換したり、というのはあってもいいでしょう。
ただ、今日はお休みというなかでも、少しは学習時間を確保して講習の復習に充てましょう。1日2時間を目安にしてください。
6年生は申し訳ないけれど、お休みは「なし」です。逆に好きなことをしていい時間をまとめて1日「3時間」作ってあげましょう。3時間も遊ばせるなんて!と思うことなかれ。塾のないお休みの日の勉強可能時間は12時間。そのうち4分の1くらいは休憩しないと、思考力もなくなってしまいます。
休憩時間以外は、復習と課題の穴埋めに充てます。課題は、夏休みに入る前に今まで受けた模試からどこが苦手分野か洗い出しておきましょう。これは、親の仕事です。わからなければ、塾に相談しましょう。できるだけ細分化して洗い出して一覧表にしておくことをおすすめします。
細分化しておけば短い時間でも攻略でき、一つひとつ消していけるので、お子さまに達成感を味わってもらうことができます。
たとえば「てんびんのつりあい」とか「九州地方の鉄鋼業」とか「身体表現を心情語に置き換える」とか「四則計算の工夫の仕方」など。
授業の復習は、すべてをなぞってください。最低限の基本を押さえます。この「授業の復習」と「課題の消化」、この2本柱がうまく4科回っていくと、夏期は成功です。
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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