第13回 元中受ママが伝授!6年生で、やっておきたいことは?
第13回 元中受ママが伝授!6年生で、やっておきたいことは?
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
いよいよ6年生、受験生となります。心構えややっておいたほうがいいことを教えてください
新6年生の前半は、ほぼ受験に必要なカリキュラムが出そろうころ。 夏前にはどこの塾でも、すべてのカリキュラムは、一通り終了します。前半までは、今までと似たような日々となり、今一つ受験生としての自覚が薄いお子さまがいるかもしれません。
でも、この6年生前半は、実は志望校合格のための準備期間として、非常に重要です。また、保護者の方も、この期間は来るべき本番のために準備しておくことがあります。
2回シリーズとして、【1】お子さまの学習プラン、【2】保護者の方の行動プランの、2つの柱をお話したいと思います。
追い込み時期は個別指導塾が有利?
今回は【1】お子さまの学習プランについてのお話です。
【1】お子さまの学習プラン
多くの集団塾では、学習の「目標設定」のために模試を活用しています。でも、ちょっと待ってください。
模試を「目標設定」にして頑張るのは、5年生まで。新6年生からは、カリキュラムが一通り終わるのに合わせて、「復習」、しかも志望校に合った「復習」が、日々の家庭学習のなかで必要になってくるのです。そして、同時に模試を活用した穴埋めも今まで以上に重要になります。
そもそも、大手集団塾の良さは、中学受験の出題範囲を網羅したしっかりとしたカリキュラム、テキストです。カリキュラムが一通り終わってからは、演習に次ぐ演習となり、演習後に駆け足の解説を聞いて、ハイ終わり!というのが一般的です。このペースに合わせていると、気づけば本番、実は実力が足りなかった、ということになりかねません。
ですから、「効率」とか「合理」などの大人の二字熟語を使えば、カリキュラムが一通り終わるまでは、集団塾が有効ですが、カリキュラム終了後は、個別指導で志望校合格のための実力を養成する、と切り替えるべきなのです。
これは、私が個別指導の講師であるから宣伝しているわけではありません。
実際、志望校対策、追い込み時期には、課題を的確に洗い出し、ピンポイントで処方する個別指導が有利なのは、理論上でも証明できるところです。
個別指導塾はちょっと…というお子さまには
でも、この「効率」や「合理」の二字熟語がまったく当てはまらないのが小学生。
彼らほど「効率的に」「合理的に」動こうとして、失敗する年代はありません。
今まで一緒に頑張った仲間と最後まで合格のゴールまで走りたい、大好きな先生と合格の喜びを分かち合いたい、という積極的心情理由や、1人だけ異なる行動をとるのが不安、なじみがないところが苦手、などの消極的心情理由まで、小学生のココロは親の言う通りにはなりません。
もし、個別指導が望めないときは、日々の学習を工夫しましょう。
(1)直近3回分の実力テストを用意します。復習テストではなく、範囲の広い模試です。
(2) (1)の実力テストから、課題を洗い出します。正答率50%以上の問題を落としているところを拾い出します。課題は、より細分化し、具体的にしてから、一覧表にします。
(3) (2)で拾い出して細分化された具体的課題を、毎日の家庭学習の中で、15分ずつ組み込んでいきます。
(4) (1)~(3)を繰り返していると、苦手なジャンルが見えてきます。そのジャンルを、今まで使っていたテキストで「基本のみ」振り返る時間をまとめて90分とります。
効果が必ず出る学習法とは?
これだけで、夏前までの準備は万全です。
GW期間のまとまった時間は、上記(4)の振り返り時間を確保するのに有効ですね。
夏前には、また直近3回分の実力テストから課題を洗い出して、一覧表にして、(1)~(4)を夏期講習の合間に行うのです。
そして、一気に秋から過去問対策です。
必ず効果の上がる学習法です。課題の細分化や具体化が難しければ、お通いの塾の先生に相談することも大切です。
ほとんどの塾で無料の学習相談をおこなっていますので、いつでもプロのアドバイスをご活用ください。
お子さまが受験学年を乗り切り、本番に自信をもって会場へ向かってくださることを祈っております。
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」
に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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