第15回 元中受ママが伝授!父親の協力は必須?理想の環境とは?
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
- Q 中受家庭においての理想的な環境について教えてください
- A 中学受験が成功する理想の環境 というのは、子どもが意欲的に学習できる環境と同義だと思います。今回は、その理想の環境のためのお父さまの立ち位置についてお話ししたいと思います。
中学受験生に否定的なメッセージを発さない
よく父親同士の座談会などで、中学受験の是非が語られることがあります。ご自身が公立の中高を卒業されたお父さまの多くは、中学受験に否定的です。また、男性は社会で生きていますので、「費用対効果」を実に気にされるのです。
これに対し、女性である母親はまったく別の観点から中学受験をするかしないかを決めます。母親は、進学先が子どもにとって「望ましい環境」であるか否かという点を重視します。また、将来何の職に就くにしても、「選択の幅を広げておきたい」と考えて中学受験を選択する母親も多いのです。
これらの意見の是非はここでは語りません。
問題は、上記のように父親が「費用対効果」の面で中学受験に対して否定的な見方をしているなかで、母親が「子どもの環境と将来のため」に中学受験を選択してしまった場合に起きます。
中学受験が成功する家庭はココが違う!
父親が母親ほど中学受験に積極的でないこと自体はなんの問題もありません。ただ、父親と母親が子どもに対して、異なったメッセージを送るのがよろしくないのです。
想像してみてください。
「あなたの将来のために勉強しなさい。」
と母親が言い、
「中学受験の勉強なんて、大人になったら不要だよ。」
と父親が言う、その場面を。
子どもからすれば、父親も母親もどちらも「親」です。その親が、それぞれ違う価値観から発言するわけですから、当然子どもは混乱します。
中学受験が成功する理想の環境は、夫婦間で中学受験に対して「合意」がとれていることが必須条件です。
一度中学受験をする、と決めたのなら、否定的なメッセージは子どもに発しない。これは基本かもしれません。
父親は過干渉にならず見守ってほしい
テストの成績に一喜一憂するのは、母親だけでいいのです。
なぜなら、母親は日常的に子どもと接しています。子どもは母親の小言に慣れているのです。
だから、成績のことで少々母親がキーキー言ったところで、子どもは決定的なダメージは負いません。
でも、これが父親ならどうでしょう。子どもから見れば父親は尊敬の対象です。また、母親と異なり、男性特有のパワーがあります。そんな父親から「こんな成績とるなんて、お前はどうしようもないな」などと言われたら、一生傷になって残るくらいの破壊力があります。
父は黙して語らず、とは申しません。ただ、母親が感情的になっていたら、広い視野でどっしり構えて、子どもに向かっては、寛容さをもって有意義なアドバイスをしてください。
「君ががんばっているのは知っているよ。たぶん努力の方向が間違っているだけだと思うよ。」
お父さんは中学受験のことに詳しくはないけれど、話すとホッとする、という存在でいてほしいと思います。
中学受験は3年という長丁場。ついつい、目先の成績にとらわれて近視眼的に焦ったりあわてたり。そんなときに、「あっ、世界は広いんだ」ということに気づかせてくれる存在。そして、毎日中学受験生につきあっている奥さまに「お疲れさま。いつもありがとう」と言ってくれる存在であってほしい。
そう願うのは、私が女性だから、というのも多分に関係しているかもしれません。
世のお父さま、いかがでしょう?
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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