子が親に感謝の気持ちを持てるイベント!給食試食会【前編】
inter-edu’s eye
駒込中学校・高等学校は、私立中学校としては珍しい給食制の学校です。今回は学校説明会も兼ねて行われる給食試食会について、行われる意味などについてのお話をご紹介します。
給食試食会を行う意味とは?
給食試食会は、駒込中学校で毎日実施している給食を受験生親子の方に試食してもらい、普段どのような食事をしているのかを実際に確かめてもらう機会です。1学期は6月24日、2学期は10月28日、ともに土曜日の10時より実施しました。学校説明会を兼ねているので、多くの方が参加しました。実は、この企画の本当の主旨は食事をしてもらうのことではなく、在校生保護者との懇談と、生徒の「智徳体」の向上を狙う食育への理解を深めてもらうことにあります。
学校説明会だけで、学校生活について十分に理解してもらうことは容易ではありません。しかし、実際に自分のお子さまを通わせている在校生の保護者の方から直接お話を聞いたり、質疑応答したりすることがかなえば、入学後の生活がより明確にイメージできるようになります。受験生保護者の方々からもらう事後アンケートには、「本音が聞けてむしろ安心しました」「勉強とクラブ活動の兼ね合いなどがよく分かりました」「駒込中学校の生活の流れがイメージできました」などの回答を数多くもらい、この試食会の意義を深く感じています。
協力してもらった50名強の在校生の保護者の皆さまには、最初の計画の段階から加わってもらい、限られた説明会時間の中でいかに効率よく配膳し、より温かい状態で出すかを懸命に考えていただき、大車輪の活躍をしてもらいました。ご自身が昨年まで受験生保護者であった方も多いため、その経験を活かして受験生が知りたいであろう内容をテーブルを囲みながら伝えていただきました。難しい質問が出たとしても、周りに教員がついているので、すぐにバトンタッチができます。
在校生保護者の惜しみない協力
当日(第2回目)のメニューは「白身魚の甘辛あんかけ」をメインに、「春雨サラダ」「わかめスープ」「ゼリー」「お茶」、そして「ご飯」を配したものでした。これは通常の給食メニューの1つであり、生徒が喜んで食べていたものでもあります。余談ですが、生徒たちには、カレーライス、牛丼、唐揚げなどのこってり系が人気です。
通常の給食と同じように、給食工場で調理された給食は専用の保温ボックスに入れられ、配達中に多少温度が下がることも想定して、学校到着時に適温になるように工夫されています。従って、温かい状態で食べてもらうことができる仕組みです。試食会当日は別会場で説明会を行っている間に作業を進めなくてはなりません。多くの人数の分を広い会場に、しかも短時間でセッティングしなければなりません。早すぎても冷めてしまうし、遅すぎては受験生たちに迷惑をかけてしまいます。在校生保護者の方々はそこも計算に入れながら、ギリギリのところで準備をしてもらいました。それでも配膳したお皿にラッピングの作業も入るので、どうしても通常時よりは少し冷めてしまったことは否めませんでした。
給食試食会は在校生保護者の協力なくしてはまったく成り立たない行事です。給食中は受験生の方々との懇談もあるので、一緒のテーブルに座っていても、一緒に食べるわけにはいきません。こうした様子を見ると頭が下がるばかりです。学校と保護者との連携も受験生の方に感じ取っていただけたらと思いつつ、進行していきます。食事の途中、給食業者の代表の方より、給食実施の意義や目的をお話してもらい、その意味が大きいことを伝えていただきました。
給食試食会の本当の狙いは?
メニュー決定については、まず、アレルギーについて考慮します。お子さまに人気のエビフライをメニューに決定することは容易ですが、甲殻類アレルギーを持つ生徒も少なくありません。それ以外にも卵やそば、ピーナッツなどが挙げられ、全てをクリアすることができなくても、できるだけそれらの食材を避けるように用意する必要があります。普段の学校でも入学直後にアレルギーの有無を申告してもらい、業者さんに伝えて考慮してもらっています。校外の宿泊行事についても同様です。こうして試食会では、誰もが抵抗なく食べられるメニューをとの思いで準備をしています。
次に、これは道徳的な側面になりますが、駒込中学校では給食に関連して「田植え体験」や「農村体験」を行っています。その中で、お米一粒、芋一つ作るにも大変な苦労が伴っていること、完成までには数多くの人々の手を経て自分の手に渡っているのだと気づいてもらおうと工夫しています。感情にまかせて好き嫌いなどと言うのではなく、その食材がどのような工程を経て目の前に並んでいるのかを考えてほしいと思っています。毎日、様々な食材を利用して、給食として提供する理由もここにあります。試食会に訪れた受験生にはそこまでのことを伝え切れているかどうかは分かりません。しかし、毎回ほとんどの方が残さずに完食している様子を見ると、とても嬉しくなります。これを機会に普段の食事を用意してもらっている親御さんに対しての感謝の気持ちを持ち、そして誰もが「ありがとう」と感謝の意を口に出して言えるようになってもらえたらと願うばかりです。
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監修:駒込中学校・高等学校
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本校では完全給食を実施しています。仏教主義人間教育に則り、食前観食後観を唱え、感謝の気持ちをもっていただくことを習慣にしています。担任の先生とともにいただくことで、クラス内の人間関係や素顔を知ることの一助にもなっています。
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