勉強させることよりも大事なことは?雙葉中学校合格秘話
第35回では雙葉中学校に合格した親子にインタビュー。算数がとにかく苦手で、勉強の8割の時間を算数の苦手克服のために使った中学受験期のお話しをうかがいました。最後までサポートし続けたお母さまが気づいた、勉強をさせることよりも大事なこととは…?
娘には“雙葉中学校が似合う”
お母さまが直感で受験校をすすめる
エデュ:雙葉中学校への合格おめでとうございます。はじめに中学受験をしようと思ったきっかけを教えてください。
Fさん:母のすすめで3年生の2月からSAPIXに通い始めたのですが、最初は全然意識がなくて…。学年が上がり、いくつかの学校の文化祭に参加していくうちに、通いたい学校が見つかり、中学受験に対する意識が上がっていきました。
エデュ:お母さまは入塾時点で中学受験をさせようと思われたのでしょうか?
お母さま:娘が幼稚園生の頃から考えていました。幼稚園に通っていたときに、「女の子だけの学校に通いたい!」と言ったことがあって。でも、そもそも小学校受験は考えていないし、受験対策も何もしていない状態で…。じゃあ、中学受験をさせて女子校に通わせてあげようと思ったのがきっかけです。
エデュ:なぜ⼥⼦校に通いたいと思われたのでしょうか。
Fさん:母が⾼校のとき⼥⼦校に通っていたという話を⼩さい頃から聞いていたので、ずっと女子校に憧れを持っていたからです。
エデュ:SAPIXを選ばれた理由を教えてください。
お母さま:「一番合格実績が高い」からです。私は直感で選ぶタイプなので、難関校を目指すなら一番実績のあるところにまずは入れようという考えでした。
エデュ:雙葉中学校を受験しようと思ったきっかけを教えてください。
Fさん:4年生の頃に色々な学校の文化祭に参加していくなかで、母と祖母に「あなたは雙葉中学校が似合う」と言われたのがきっかけです。実は私自身は女子学院中学校に魅力を感じていたのですが、2人にすすめられたことと、雙葉中学校の国語の問題を解いたときに、相性が良かったのか高い点数が取れて。「これなら狙えそう!」と思ったので、雙葉中学校が第一志望になりました。
エデュ:お母さまは雙葉中学校に何か感じるところがあったのでしょうか?
お母さま:自分でも不思議なのですが、文化祭で一歩校内に足を踏み入れたときに、娘が制服を着て通っている姿が目に浮かんだんです。変な言い方かもしれませんが、娘にとって運命の学校のように感じました。ただ私の感覚だけだと不安もあったので、私の母にも一緒に足を運んでもらったのですが、同意見だったので、娘にすすめました。
中学受験中はお互いにイライラ
ある日を境に気が楽に
エデュ:実際にSAPIXに通ってみていかがでしたか?
Fさん:塾自体は友達もたくさんいて楽しかったですが、算数が苦手でなかなか成績が思うように伸びなかったため、5年生の夏ごろに転塾することになりました。
エデュ:算数が苦手だったのですね。最終的に転塾を決めたきっかけを教えてください。
お母さま:娘は文系科目は得意なのですが、理系科目の算数と理科、とくに算数が本当に苦手で…。実は、転塾の前に新5年生の2月から算数の苦手克服のために受験ドクターに通わせました。受験ドクターは先生の経歴や実績がホームページに書いてあり、ここなら娘の算数の成績を上げてもらえるのではないかと感じました。実際に体験授業も受けてみて先生の質が高いと実感しました。
転塾については受験ドクターの先生に相談して最終的に決めました。娘の場合は算数は苦手でも国語や社会の科目が得意だったこともあり、上位のクラスに在籍していました。そうすると解く問題も難しく、宿題や復習の量も多く、消化不良の状態がずっと続いていました。本人は頑張って取り組んでいたのですが、結果が報われない状況が続いていて…。復習の時間を確保できるように、SAPIXよりも通塾日数が少なく、かつ家から近い塾に転塾を決めました。結果、娘の通塾負担の軽減にもつながり、より復習にも力を入れられるようになりました。
エデュ:ご家庭ではどのようなサポートをされていたのでしょうか?
お母さま:5年生の10月からつきっきりでしたね。そばにいないと不安そうな仕草をみせるので、常に目の届く範囲にいて、ときには娘の解いた問題の回答を読み上げたりしていました。ある意味24時間サポート体制だったと思います。
夫は基本的に口出ししませんでしたが、時々塾への送り迎えをしてくれていましたね。
エデュ:つきっきりでということですが、うまくやられていたのでしょうか?
Fさん:毎⽇のように喧嘩していました…。これは私が悪いのですが、朝は起きられなくて、無理やり起こされてイライラ。勉強している最中に「まだ、答え出ていないの︖」とか⾔われて喧嘩。今思うと、母も必死にサポートしてくれて本当にありがたかったのですが、当時は喧嘩ばかりでしたね。
エデュ:そんなことがあったのですね。お母さまは振り返ってみていかがですか?
お母さま:そうですね、当時は毎⽇喧嘩していましたね。毎日毎日算数をやらせても全然伸びない。原因もよく分からない。そんな状態で焦っていたのもあると思います。でも6年⽣の7月に入って、志望校対策が始まると、雙葉中学校の算数の過去問は他の学校に比べて点数が取れるようになったんです! それまでずっと、「算数をどうにかしないと」という思いがあったのですが、第⼀志望の雙葉中学校の算数だけできればいいと思うようになったら気持ちが楽になりましたね。
注目の学校
受験はマニュアル通りには進まない
勉強をさせることよりも大事なこと
エデュ:雙葉対策でこれをやっておいて良かったというものはありますか?
Fさん:算数の過去問を約30年分解いたことです。受験ドクターの先生のアドバイスで6年生の10月頃から始めたのですが、点数に現れるとやる気が出るので、過去問をとにかく解いて、仕上げていきました。
エデュ:受験を振り返っての成功談と失敗談を教えてください。
お母さま:成功談は、塾のプリントのコピーをとって、お風呂場で見られるようにラミネートコーティングして、貼っておいたことですね。月に1回のテストに備えて主に暗記系をやらせていたのですが、お風呂でリラックスして何となく見ていたものが意外と本番で覚えていたりしたみたいなので、やらせて良かったと思います。
失敗談は正直たくさんあります。
そのなかでも1つ目の失敗は「算数の勉強の進め方」です。
わが子ながらしっかりしているので、最初に通っていたSAPIXにお任せすれば自分で復習すると思っていたのですが、実際にはできていない。でもここに関しては娘のせいではなく、気づいてあげられなかった私のせいだと思っています。4年生の12月頃にこのままではまずいと思い、受験関連本を読み漁り、自分の浅はかさに気づきましたが、本当に失敗だったと思っています。
2つ目は「基礎トレーニングを朝にやらせていたこと」です。SAPIXに通い出してから、算数の問題をやらせていたのですが、全然身にならなくて…。受験ドクターの先生に相談したら、「気分が乗っていないときにやらせると時間がかかりますよ」と言われて。私の感覚だと朝の方が頭が回転するかなと思っていたのですが、娘は午後の方が回転する。ここに気づくのに2年近くかかってしまいました。それからは考え方を変えて、算数は計算問題を3問ほど、理科・社会・漢字など簡単なものをやらせるようにしました。
エデュ:最後にこれから受験するご家庭へ向けてアドバイスをお願いします。
Fさん:どんな学校を受けるにしても「絶対に受かってみせる」という強い意志が必要だと思います。私の場合は算数が本当に出来なくて、最後まで苦労しましたが、先生のアドバイスをこなし何とか受かりました。だから最後まで諦めないでください。
お母さま:右も左も分からず始まった中学受験でしたが、本に書いてあることをそのまま試してもうまくいかないことがよく分かりました。当たり前ですが、子どもは一人ひとり個性がある。親も色々学びながらやっていく必要があると本当に感じました。ただ1つ重要だと感じたのは、子どもが安心する環境づくりです。中学受験は子どもにとって孤独です。勉強させることはもちろん大事ですが、「頑張っているのはあなただけじゃない。私も同じ目標に向かって隣りにいるよ」と、感じられる環境づくりが何より大切だと思いました。この思いは絶対に子どもに伝わるので、忘れずに頑張ってください。
- ■取材協力
- 受験ドクター 由緒正しいプロ講師による中学受験専門の個別指導塾(代々木校・自由が丘校・吉祥寺校・東京校・成城学園校・白金高輪校・横浜校・たまプラーザ校・南浦和校・三軒茶屋校)と家庭教師センターを運営。2019年度 開成中学校 12名、桜蔭中学校 7名と個別指導塾として高い合格実績を記録。 プロ講師による無料の学習相談体験授業も受付中。(http://www.chugakujuken.com)
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