プログラミング教育って何?ママも一緒に学ぶプログラミング講座レポート
inter-edu’s eye
2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修化となります。それに合わせて、お子さんでも簡単に学べるプログラミング教材やプログラミング教室も増えてきました。しかし、親世代にとっては、馴染みのないプログラミング教育。いったいどんなことをやるんだろうと思っている方も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みに答えて、楽天ママ割「ママの学校」では、「ママのための“プログラミング教育”講座」を開講。その模様をレポートいたします。
親が理解できるかわからない…プログラミング教育への不安
今回の「ママの学校」は、1時間目は講師として教育ITライターの神谷加代さん、またスペシャルゲストにIT企業役員でもある芸人の厚切りジェイソンさんを迎えたトークセッション。2時間目は親子で体験するプログラミング教室という2時間の授業です。
冒頭、楽天ママ割で行ったプログラミング教育に関するアンケート調査の結果が報告されました。
「プログラミング教育の必修化について不安はありますか?」という問いでは、53%の人が「親である自分が理解できるかわからない」と答えており、さらに34%が「事前に何をすればいいかわからない」という回答があったとのこと。楽天ママ割 Mama’s Life編集長の丸山真美子さんは「アンケートを見ると多くのママ・パパがプログラミング教育への不安を抱いていることがわかった」と話します。
また子どものPC環境への不安についても調査。子ども用のPCを購入するうえで重視することは何か、についての質問では「有害サイトへのアクセス制限」が90%近くを占めていました。
プログラミングは失敗するもの。でもそれがいい
1時間目のトークセッションではまず、神谷さんよりなぜ小学校でプログラミング教育が必要なのかについて説明がありました。
「ひとつはプログラミング的思考を身につけるということ。2つ目はものの仕組みを知ること。子どもたちはスマホなどデジタル機器がなんで動いているのかわからないで使っています。その仕組みを理解することもこれから必要なんです」と神谷さん。
またプログラミング教育の必要性についてジェイソンさんは「今までは例えば自動車業界なら自動車だけを作っていれば良かった。でもこれからはIT×◯◯といったようにITによってさらにできることが増やせる。そのためにこういった基礎スキルが必要な時代なんです」と、さすがIT企業の役員!説得力が違います。ちなみにジェイソンさんがプログラミングを始めたのは小学生の頃とのことで、しかもBasicという本格的なプログラミング言語を使っていたとのこと。
しかし必要であるとはわかっても、プログラミングって何?と思う人も多いことでしょう。
「私はいつもプログラミングとはコンピューターに命令すること、と話してます」と神谷さん。
ではプログラミングとは何か、実際にジェイソンさんをロボットに見立てて、“ジェイソンロボット”を動かしてみる、ということに子どもたちが挑戦しました。
ジェイソンさんはあくまでも子どもたちの言ったとおりにしか動きません。
ある子は「歩いて!」としか言わず、“ジェイソンロボット”は歩くためにどういう動作をするのかわからないので立ち尽くしたまま。それでは歩くときの動作はどういうことをしているかというヒントをあげると、「足を上げて下ろして!」とだけ命令。でも足を上げて下ろすだけでは一向に前に進まず…と、一歩踏み出すまでの命令を出すだけでも四苦八苦する子どもたち。
「このようにコンピューターに命令するためには、細かい動作を分解して組み立てる必要があります。ここで必要なのが論理的思考力なんです」と神谷さん。
でも論理的思考力と言っても、いきなり思い通りに動かすのは難しいものでしょう。それについてジェイソンさんは「プログラミングは失敗だらけです。でもPCが動かないのは自分の問題。動かない原因を見つけるのは謎解きみたいで楽しい」と語ります。
さらに神谷さんは「子どもたちが1つの正解に縛られず、失敗しても何回でもチャレンジできるし、それを学ぶプロセスがあるのがプログラミングの良さだと思います。こうしたトライ&エラーを学べる教育はいままでにないこと」とプログラミングを学ぶ上での利点について述べました。
注目の学校
親子でアニメーション制作。子どもと一緒に楽しみながら理解する
2時間目のワークショップは実際にプログラミングを体験します。
使用するプログラミング言語は「ビスケット」。自分で描いた絵を使ってプログラミングをするので、複雑なコードを書く必要もなく、アニメーションやゲームを簡単につくることができます。
今回は魚の絵でアニメーションを作ります。
参加したお子さんたちは小学校に上がる前のまだ小さいお子さんたちが多く、そうしたお子さんたちも、またプログラミングのアプリを使うのが初めてというお母さん方にもすぐに作業に慣れたようでした。
神谷さん指導のもと、思い思いの魚を描くお子さんたち。ジェイソンさんは各席を回りながら、制作するお子さんたちをさりげなくサポート。
たとえば魚の口をパクパクさせる動きをつくるときは、「それじゃどうやったら口はパクパク動かせるかな? 開けたら閉じる、を繰り返すよね」と優しく手ほどきをしていました。
一度要領を覚えてしまえばあとはもう簡単。親子で相談しながら、魚をいっぱい増やしたり、上下、前後、斜めに動かしたりと自由自在。自分たちの思い通りに動かせた達成感に子どもたちも大喜び! 興奮した歓声があちこちから上がってきます。
今回参加した6歳の女の子は「魚を動かせたりするのがすごく楽しかった!」と大満足の様子。またお母さんも「わたしたちの小学生の頃はプログラミングなんてないので、最初はなんだろうとわからなかった。でも今回のように簡単にできるものもあるし、こうやって子どもと一緒にできるのは楽しいですね」と語ってくれました。
実際にプログラミング体験を親子でやってみることで、プログラミングの良さを実感できた今回の講座。ちなみに、日常生活の中で、論理的思考力を身につけるヒントがないかお伺いしたところ、「細かく説明することを心がけてみては」とのこと。「あれを取って」ではなく、具体的どのものを取るのかとか、ほかにも朝の自分の行動を言葉にしてみるのもいい訓練になり、プログラミングにも生かせるそうです。
その上で神谷さんは「PCがなくても論理的思考力が身につくのでは?という方もいらっしゃいますが、やはりスクリーンの中でものを動かすことをしてみてほしい。そこでの経験や、達成感を得ることにもプログラミング教育のメリットがあると思う」と語りました。
論理的思考が必要なのは何も子どもだけではないと思います。「お子さんと同じように楽しみながらやる」ということで、大人もプログラミングへの理解がもっと深まるように思いました。
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