9月四模試による学校所在地別 中学受験志望者動向
inter-edu’s eye
中学受験研究の分野で定評のある、森上教育研究所が調査した受験に役立つデータをお届けします。 今回は2018年9月に行われた四模試の志願者数から見えてくる、学校所在地別の【1】学校種別、【2】付属校・進学校・半付属校、【3】学校ランクから、2019年入試の傾向分析を行っていただきました。
9月四模試で、学校所在地ごとの志願者数の増減とその原因を分析
2018年9月四模試では、入試ごとの志願者数がわかるので、各学校で主要となる入試の志願者数を学校所在地ごとに集計・分析し、2019年の中学入試で増減する学校所在地を予想することができます。ここでは、東京・神奈川の中学校だけで分析しましたが、千葉・埼玉を加えた結果、正確な分析ができなかったためです。また、東京は、北東部23区・北東部以外の23区・多摩地区に分類しました。
まず、神奈川・北東部23区・北東部以外の23区・多摩地区の学校の志願者数前年対比を分析し、次に、増減の原因を所在地と学校種別、付属・進学・半付属、学校ランクとのマトリックス(掛け合わせ)で分析しました。
2018年9月四模試志願者数前年対比【学校所在地と学校種別】
学校種別では、男子校・女子校・共学校とも増加しています。特に、共学校の前年対比は最も増加しています。所在地では、北東部東京を除く所在地で増加しています。特に、多摩地区の志願者数前年対比が昨年に引き続き5ポイント以上の顕著な増加で、北東部以外の23区も同様の増加となっています。
マトリックスを見ると、この数年、受験者数の減少が大きかった多摩地区の志望校前年対比が増加した要因は女子校・共学校で、逆に男子校は大幅な減少要素となっています。また、北東部東京の減少要因は男子校のようです。
比較的良い(前年対比は100%、差は5%以上) | |
比較的悪い(前年対比は90%、差は—5%以上) |
学校所在地/学校種別 | 男子校 | 女子校 | 共学校 | 合計 |
---|---|---|---|---|
神奈川 | 106.7% | 91.8% | 98.8% | 101.0% |
北東部23区 | 97.1% | 115.7% | 104.7% | 98.1% |
北東部以外の23区 | 104.2% | 103.0% | 105.0% | 104.0% |
多摩地区 | 81.5% | 111.9% | 108.7% | 106.8% |
合計 | 103.5% | 101.3% | 104.1% | 103.1% |
※北東部東京:北、板橋、足立、葛飾、荒川、台東、墨田、江東、江戸川区
2018年9月四模試志願者数前年対比【学校所在地と付属・進学・半付属】
付属校・進学校・半付属校では、リーマンショック以後、進学校の志願者数前年対比は比較的減少率は低かったのですが、2015年・2016年では減少傾向となり、2017年・2018年で増加傾向となりました。
逆に、これまで、付属校は減少傾向でしたが、2015年以降の四模試で増加傾向となり、2018年でも引き続き増加となりました。半付属校は、2015年四模試では顕著な減少でしたが、2016年で横ばいとなり、2017年で増加に転じ、2018年でも引き続き増加となりました。
所在地と付属校・進学校・半付属校のマトリックスでは、付属校の増加要因は、神奈川以外すべての所在地です。
学校所在地/付属・進学・半付属 | 付属校 | 進学校 | 半付属校 | 合計 |
---|---|---|---|---|
神奈川 | 96.6% | 103.5% | 82.4% | 101.0% |
北東部23区 | 107.1% | 97.6% | 126.1% | 98.1% |
北東部以外の23区 | 109.2% | 102.4% | 103.8% | 104.0% |
多摩地区 | 108.6% | 103.3% | 106.6% | 106.8% |
合計 | 105.3% | 102.4% | 102.1% | 103.1% |
※半付属校:系列校大学推薦進学が30%~69% 進学校:同30%未満 付属校:同70%以上
2018年9月四模試志願者数前年対比【学校所在地と学校ランク】
学校ランクはA~Hランクの8つに分類すると、各マトリックスで志願者数1,000名未満の参考データが多くなり、精度が落ちるため、ここでは、AB・CD・EF・GHの4つに分類しました。
CD・GHランクの前年対比が顕著に増加、ABランクは多少の増加で、EFランクは多少の減少となりました。これまでのように上位ランク校が増加傾向となっているわけでもなく、どちらかと言えばGHランクの中下位ランクが大幅に増加しているように思えます。マトリックスでは、最も増加したGHランクの増加要因は北東部以外の23区・多摩地区でした。EFランクの減少要因は神奈川・多摩地区でした。
学校所在地/学校ランク | AB | CD | EF | GH | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
神奈川 | 98.4% | 106.5% | 90.1% | 94.7% | 101.0% |
北東部23区 | 97.2% | 98.8% | 104.4% | 93.1% | 98.1% |
北東部以外の23区 | 102.9% | 106.0% | 101.7% | 132.8% | 104.0% |
多摩地区 | 107.2% | 110.1% | 97.5% | 128.6% | 106.8% |
合計 | 101.8% | 106.3% | 98.4% | 110.4% | 103.1% |
※学校ランク:四谷大塚偏差値 A65以上、B64~60、C59~55、D54~50、E49~45、F44~40、G40未満、Hは非エントリー
著者:森上教育研究所アソシエイト 小泉壮一郎
森上教育研究所 information
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