2019年中学受験はどうだった? 中学受験比率からみる動向
inter-edu’s eye
2019年の中学受験を振り返ると、昨年より大変であったという印象を受けます。そこで、2月18日に森上教育研究所の主催で行われた「2019年首都圏中学入試の結果と分析セミナー」の内容から、2019年の中学受験の状況を確認していきたいと思います。
中学受験率がさらに上昇し、中堅校以下の受験が激化!? 2020年は…?
2019年、1都3県における私立中学校の2月1日午前の受験者数は、39,759人となりました。2018年と比べると1,820人増え、前年対比104.7%という結果です。 1都3県における小6生の人口が急増したこともありますが、中学受験をする割合も増えています。
「私立中学受験比率」は、東京・神奈川の中学が一斉に試験日初日を迎える2月1日の受験者数(私立のみ)を一都三県の公立小学校の卒業者数で割り、100を掛けたもの。つまり、公立小学校の6年生100人のうち何人が私立中学を受験したかを示す数値です。この中学受験比率は、2015年以降、上昇を続けています。2019年は13.9%で、対前年比103.9%となりました。
中学受験者数が増えたと同時に、中学受験をする小学生の割合も増えたということがわかりました。
ここで私立中学校の募集定員にも目を向けてみましょう。
2月1日の募集定員41,002人に対し、受験者数は39,759人。この数だけを比較すると、定員の方が受験者数よりも1,243人多いので、全員がどこかには合格できるように見えます。しかし、実際には人気校に受験者が集まり、定員割れを起こしている学校も存在します。2018年は募集定員40,788人に対し、受験者数は37,939人で、その差は2,849人でした。2019年の入試が激化したことがこの数字から読み取れます。
では、2020年はどうなるのでしょうか? 東京都の6年生人口は2020年も増加しますが、千葉・埼玉・神奈川の3県では減少に転じます。1都3県全体では小6年生人口は減り、それに伴い受験者数も微減が予想されますが、中学受験比率は増加する一方なので、2019年と同様に厳しい中学受験となる可能性が高そうです。
中学受験比率が増加する主な要因として考えられるのは、大学入試改革の影響や、社会情勢からくる保護者の安定志向などです。この状況が続く限り、中学受験比率が下降することはなさそうです。
「2019年首都圏中学入試の結果と分析セミナー」では大手塾からの報告もありました。
共学・大学付属校の分析をされた、日能研関東、関東中学情報部の長谷川信誓先生(以下、長谷川先生)によると、
「今年の入試では、中堅以下の学校の受験者数が多く、大変厳しい受験となりました。」
とのことです。実際に不合格になるとは思っていなかった学校を落としてきたという声も多く聞かれました。
受験校の選定については、
「大学進学が厳しくなってきていると感じている保護者は多く、明らかに人気ということだけではなく、学校の難易度を見た学校選びに現れています。たとえば、東京の学校でいうと、付属校の一番人気である明大明治から青山学院、そして成城学園へとシフトしています。また、目黒日大や東洋大学京北において、直前に出願するというケースも見られました。何が何でも付属校への合格を目指す傾向が見受けられます。」
と長谷川先生は分析をしました。
このことからも、「大学入試改革の影響」と「親の安定志向」が色濃く反映されていることがわかります。一方で、ご家庭の進学先の選び方が少しずつ変化していきていると、長谷川先生は言います。
「中学受験を始めるのは親主導で、受験校も親が決めることが大半です。保護者主導の場合、まだまだ偏差値や大学実績という判断基準が根強いですが、合格した学校から進学先を選ぶのに、子どもに任せるというケースも最近は増えてきています。」
私立の学校の魅力は、もちろん偏差値や大学実績だけではありません。お子さまが行きたいと思える学校に出会えるよう、インターエデュでは2019年も、受験生のご家族に有益な情報をお届けしてまいります。
森上教育研究所 information
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