武蔵野の緑に包まれ、たくさん遊び、たくさん学ぶ むさしの学園小学校
第29回では東京都府中市にあるむさしの学園小学校校長の青木洋介先生にインタビュー。難関中学校への高い進学実績の秘密や、少人数制でどんな教育を行っているのかをうかがってきました。
基礎的な部分を土台からしっかりと積み上げる
難関中学校への高い進学実績の秘密は?
エデュ:まずは貴校の教育の特徴を教えてください。
青木先生:少人数制のきめの細かい教育が特徴です。現在、全校児童207名に対して、常勤教師が16名いますが、1人の教師が13名の生徒を見ています。日本の小学校の平均値が約18.4人なので、子どもたち一人ひとりの個性としっかり向き合うことができます。また本校には職員室がありません。教師は登校から下校、休み時間も子どもたちとずっと一緒にいます。そういった意味でも子どもと教師が本当に近い距離にいる学校だと思います。
エデュ:貴校は難関中学校への高い進学実績を誇っていますが、教育でこだわっていることはありますか?
青木先生:2つあります。
1つ目は「低学年から学習習慣を身につけさせること」です。チャイムがなったら勉強する。そして勉強が終わってチャイムが鳴ったら気持ちを切り替えて、次の授業の準備をして、また勉強に取り組む。こういった土台の土台になる部分をしっかり身につけさせるようにしています。
2つ目は「反復練習」です。計算練習や漢字の書き取りなど、学校で十分時間を取るだけでなく、宿題を出し、ご家庭でもやってもらえるようにしています。
どちらも基本的なことではありますが、非常に大切な部分ですので徹底しています。
エデュ:確かに2つとも重要な部分ですね。では、特色のあるカリキュラムを3つ教えてください。
青木先生:1つ目は「算数」です。本校では、一般的な問題から次第に特殊な問題に移っていく「水道方式」という学習方式に基づいているテキストを1年生から4年生まで使用しています。まずはタイルを操作したり、鉛筆を使ってタイルを書いたりして、数という概念を体にしみこませていく学習を行っています。
2つ目は「国語」の多読と視写をする学習です。1~2年生では週3時間。3年生では週2時間実施しています。1年生の初め、1文字1文字をやっとのことで読んだり、書いたりしていた子どもでも、語彙力が増えるとともに、単語単位、文節単位、文単位で読めるようになっていきます。非常にベーシックな学習ですがベーシックなだけに効果がある学習なので、力を入れています。
3つ目は前の2つとはガラッと変わりますが、「野川の時間」です。これは授業として行っていることですが、水曜日のお昼に全学年がお弁当を持って都立野川公園にでかけます。本校では授業時間中はしっかり集中して勉強することを大切にしていますが、それと同じぐらい体をしっかり動かし、自然の中で目一杯遊ぶことも大切にしています。
ただ預かるだけではない「放課後充実化プログラム」
共働きのご家庭に優しいサポート
エデュ:子どもたちに人気のある行事を教えてください。
青木先生:千葉県鵜原海岸で2年生以上が行う「臨海学校」です。もう90回以上行っている伝統行事ですが、一週間の合宿生活で子ども同士、子どもと教師が心の深いところでつながることができます。
エデュ:実際に貴校を受験されるご家庭の特徴などを教えてください。
青木先生:「メリハリ」を求めるご家庭が多い印象を受けます。しっかり勉強するときには勉強をしてほしい。一方、勉強だけでなく自然のなかで遊ぶ時間もしっかりとってほしい。この2つをバランス良くというご家庭が本校を希望しています。
エデュ:現在共働きのご家庭が増えていますが、何かサポートとして行っていることはありますか?
青木先生:放課後の子どもたちをお預かりする「放課後充実化プログラム」を6年前に開設しています。平日は毎日、夜7時までお預かりしているのですが、名前の通り、ただ預かるだけでなく、サッカー、バレエ、水泳、アート、英語、個別学習指導などのお稽古があり、子どもたちの放課後が充実するようにしています。
エデュ:それは良いですね。
青木先生:ありがとうございます。これからまさに始まるところなのですが、近隣のアメリカンスクールと提携したプログラムを企画しています。具体的には高校生がスポーツを教えてくれるのですが、会話は全部英語。遊びながら、動きながら自然と英語の音を入れていく。そんな時間です。
エデュ:学校見学でここに注目してほしい!というところはありますか?
青木先生:遊ぶときは遊ぶ、勉強するときは勉強する。メリハリをつけて何かに取り組んでいる子どもたちの姿を見てほしいです。あとは外観でいえば、ほとんどの教室から見える広い中庭があります。学校にいる間、常に緑を見ることができるこの中庭はぜひ見てほしいですね。
注目の学校
子どもたちの幅を広げたい強い思い
アメリカンスクールとの交流をもっと深めたい
エデュ:貴校の教育を通し、将来こういう大人になってほしいという人物像はありますか?
青木先生:「自分らしさを活かして生きる」大人になってほしいです。本校の教育の土台には聖書の教えがあります。そのなかに「神様が与えてくれたものはそれぞれに違っていて、それぞれ素晴らしい」というのが大前提としてあります。神様から与えられた私たちというものを自分の意志で自分を活かしていく。人と比較してとかではなく、自分の好きなこと、自分を活かせることに自信をもって、取り組んでいけるような人物に育っていってほしいです。
エデュ:これからの私立小学校に求められるものをどのようにお考えでしょうか?
青木先生:社会の価値観は非常に多様化していると思っています。それに伴い、ご家庭の考えや、求めることも多様化していくと思いますが、ここにしっかり対応していくことが求められるものではないでしょうか。
エデュ:最後にこれから行ってみたい取り組みを教えてください。
青木先生:先ほどお話したアメリカンスクールとの交流を「放課後充実化プログラム」だけでなく、 英語や国語の時間にも取り入れていきたいと考えています。外との関わりを増やしていくことによって、子どもたちの人間関係の幅、心の幅、そして世界を広げていければいいなと思います。
エデュ:青木先生ありがとうございました。
むさしの学園小学校データ
学校名 | むさしの学園小学校 URL: http://www.musashino-gakuen.com/ |
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男子・女子・共学 | 共学 |
所在地・アクセス | 〒183-0002 東京都府中市多磨町1-19-1 西武多摩川線「多磨駅」より徒歩3分、JR中央線「三鷹駅」・京王線「飛田給」「調布駅」よりバスそれぞれ「多磨駅」バス停より徒歩3分 |
制服の有無 | 有 |
給食の有無 | 無(おにぎり注文可) |
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