小学生が夏休みを安全に過ごすために、親が知っておきたいこと
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小学生の夏休みも約半分を過ぎ、緊張感が薄れる頃ではないでしょうか。特に、お子さまが一人でいる時間が多いという共働き家庭は、安全面について見直しておきたいところです。そこで、共働き家庭の先輩パパ・ママに、教えてよかったことや、夏休み中に起きたハプニングについてお聞きし、子どもが一人で安全に過ごすために、これだけは知っておきたい、意識しておきたいことをまとめました。
共働き家庭の夏休み、小学3・4年生が変化点
共働き家庭で、祖父母などの同居の方がいないご家庭では、お子さまを学童に預ける方が大半です。しかし、実際預けている親御さんからは、「小学1・2年生のうちは楽しく通ってくれるが、小学3年生の頃から、つまらない、行きたくないと言い始める。」という話も聞きます。
さらに、学童は小3年生までのところも多いため、小学3・4年生の夏休みで、初めて日中を一人で過ごす、というお子さまも少なくないようです。
そこで出てくる悩みは、「子どもの安全」。10歳前後は、「自分の身を守ること」や「危機管理」に関して、まだまだ親が不安に思う年頃です。なるべく大人の目がある場所で過ごせるようにと、児童館や図書館、学校や地域のプール、塾や習い事を子どもに勧めるご家庭は多いでしょう。しかし、1日中は過ごせませんし、何より家と外出先との行き来があります。その時間帯が一番心配ですよね。
親世代が10歳前後の頃は、子どもたちだけで遊んでいることが多かったし、多少のことは経験させないと、いう考えはあるかもしれませんが、今の時代、何が起こってもおかしくないと、親自身が意識を変えていくことも大切です。
子どもが安全に過ごせるための親の対策
では、具体的にどのような対策をしたらよいのでしょうか? 先輩パパ・ママの体験からまとめました。
Q. 子どもが一人で安全に過ごせるように、教えておいてよかったことや対策は何ですか?
【自宅での安全対策】
・施錠の方法、訪問販売等の断り方。(ドアを開けない)
・電話に出ない。インターホンが鳴っても出ない。
・家に着いたら、誰もいなくても大きな声で「ただいま」と言う。
知らない大人に対して、はきはきと受け答えができたとしても、強引に入って来られたら太刀打ちができません。訪問者が来ても鍵を開けないだけではなく、、家に一人でいることを知られないようにしましょう。
【携帯電話を持たせる】
・帰り道を一人で歩くときは必ず手に携帯電話を持ち、ワンプッシュで親に発信できるようにしておくこと。
・電話のかけ方。子どもの居場所が分かるGPS付きのスマホを持たせた。
・電話を常に携帯し、少しでも不安なことがあればいつでも連絡させる。
・学童を出たとき、バスにのるとき、その都度電話させる。
・家に着いたらメールさせる。
携帯電話を持たせるかどうかは、とても悩むところですが、最近のキッズ携帯は、インターネットに繋がらないタイプなど、目的に合わせて、機能を絞ったものもあり、子どもに持たせやすくなっています。携帯があると、子ども自身に何かトラブルが起こったとき、すぐに親と話ができて安心ですし、また、親自身も子どもが今どこにいて、何をしているのかを把握でき、安心感があります。ですが、あくまで「安心のため」のツールであることを親子で認識しておきましょう。
【自転車の交通ルール】
・自転車に乗っていても、信号の無い交差点は一時停止をする。
自転車の事故防止については、乗りこなせるようになってきたからと案外見落としがちですが、使う機会が増える夏休みだからこそ、自転車の交通ルールを改めて、親子で確認しておきたいところです。
警視庁「小学生の交通人身事故発生状況~平成30年上半期~」によると、小学3年生を境に、自転車乗車中の事故件数が歩行中の事故件数を上回る、という調査結果が出ています。子どもが事故を起こす側にもなり得ますので、油断しないようにと伝えましょう。
Q. 夏休みの間に実際あったハプニングや、思い出に残るエピソードがあったら教えてください。
上で述べた対策は、多くの親御さんが実践していることでしょう。しかし、子どもに何回も言い聞かせたり、対策をしていたとしても、やはりハプニングは起きてしまうものです。先輩パパ・ママはどんな体験をされたのでしょうか。
【夏休み中のハプニング】
・何度電話をしても出ないので、慌てて帰ったら寝ていた。
・塾へ行く途中に自転車でこけて血だらけに。そのまま行ったようで先生から電話がきた。
・鍵をなくして家に入れなくなり、町内の学校の先生の家まで行き、送り届けられた。
・子どもの携帯に連絡しても電池が切れていて出なくて、いるはずの児童館にもいなくて、あたりを探して大変だった。結局児童館の近くの公園で友だちと遊んでいた。
・エアコンのリモコンの使用方法が分からず、暑い中窓を開けて汗だくになっていた。
・友だちが遊びに来たときに鍵をドアにぶら下げたまま外出してしまったことがあった。何ごともなかったので安心したが、ちょうど自治会から「空き巣」の注意勧告が出ていた時期だったので焦った。
子どもは想定外の行動をするので、どこまで気を配ったらよいものか…と頭を抱えてしまいますよね。やはり親ができることは限られています。10歳前後であっても、自分の身は自分で守る意識を持たせることも大切ですね。
子どもに「自分の身は自分で守る」危機管理意識を持たせるためには?
子どもが自分の身を守り、安全な行動がとれるようになるには、毎日の積み重ねが大切なのは言うまでもありません。普段から親が繰り返し伝え、確認していくことが大切ですが、実践の場として夏休みは格好の機会です。まずは、子どもが自分の身を守ることについて、親はどういうポイントで伝えたらよいか、どうしたら実践してくれるかを確認していきましょう。
子どもの防犯に関する記事からご紹介します。
子どもに「気をつけてね!」と声をかけて見送る保護者の方は、多いと思います。保護者としては、「気をつけてね」のひとことに、多くの意味を込めていて、子どもが「分かった!」と応えてくれると、子どもはきちんと分かってくれたと思うでしょう。しかしながら、小学校低学年くらいの子どもは「気をつけてね」と言われても、実は具体的に何に気をつけなければならないのか分かっていないことが多いのです。そのため子どもには、一緒に下見をして子どもの目線で確認するなど、できるだけ具体的に何に気をつけるかを何度も繰り返し伝える事が大切です。
(「自分を守る力をつける(子どもの防犯)」子ども見守りサービス【まもレール】より)
先輩パパ・ママのエピソードからも分かるように、子どもは経験が少ない分、どう気をつけたらよいか分かりません。なぜそうしなければいけないのか、を具体的に、繰り返し教えることが大切なのですね。もう一つご紹介します。
実際に夏休みが始まってみると、親子で決めた「留守番のルール」どおりにはいかないこともあるかもしれませんが、叱るより、次からどうするかを一緒に考えることが大事です。子どもが留守番をしながら1日を無事に過ごせるということは、決して当たり前のことではなく、子どもなりにがんばった結果です。多少の失敗があっても、帰宅後に元気な姿を見せてくれたことをほめて、翌日につなげてあげたいですね。ぜひ「留守番してくれてありがとう!」と言葉をかけてあげてください。
(「夏休みの留守番、子どもに教えておくべきことは?」【セコム】より)
決めたルールが守れないと、つい叱ってしまいがちですが、そこはぐっと押さえて、「がんばったね」「ありがとう」と伝えると、自己肯定感も高まります。自分の身を守る、自分のことを大切にする意識も高まっていくのではないでしょうか。
夏休みは、昼食の用意もあるし、心配もしなくてはいけない、宿題も見なくてはいけないし…と夏休み前より忙しい!と感じる方も多いでしょう。ですが、子どもにとって、自由な時間がある夏休みは、さまざまな経験を通して大きく成長できる機会です。小さな失敗をたくさん経験させて、自分の身を自分で守ることを身につけさせてあげたいですね。
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