【座談会】男子校のママたちが語る!(後編)〜子どもに合う塾選びが合格への近道〜

男子校の保護者座談会後半は、塾選びから受験に向けての日々を振り返っていただきました。習い事との両立、塾とお子さんとの相性、受験までの体調管理など、こうした調整を担っていたのはやはりママたち。中には志望校の過去問を自分で解いてみたというママも。これから中学受験を目指す方に向けてのメッセージもいただきました。

座談会の参加者

A立教池袋中学校1年生のママAさん

B麻布中学校3年生のママBさん

C駒場東邦高等学校1年生のママCさん

D早稲田中学校2年生のママDさん

学童が終わるのを機に塾へ。入塾初日に早稲田中合格を予言!?

座談会の様子2

エデュナビ(以下:エデュ):座談会後半は受験に向けてどんな準備をし、どのように取り組んできたのかをお聞きしたいと思います。まず、塾選びについてですが、みなさんはどういう基準で選んだのでしょうか。

A 早稲田中Dさん:うちは日能研でした。3年生のときに学童が終わってしまうので子どもの居場所を探さないといけなくなったんです。そのときは中学受験を考えてなくて、習い事で週5日埋めてしまおうかと。塾は週2だったので、軽いノリで地元の日能研に入れたら、入塾のときに室長先生が「この子早稲田行けますよ」って。こちらからは早稲田の「わ」の字も言ってないのに、見えちゃったみたいで(笑)。ただ進学塾では当たり前ですけど、受験に向かっていくわけなので、その中で本人が受験したいと言い出したんです。

小規模な教室で室長先生と本人との相性も良く、そこは子どもにとって落ち着いて取り組めた、ノンストレスで良かったのかなと思います。それにすごく子どものことを親身に見てもらえたので結果的には満足でした。

エデュ:何校受験しましたか?

A 早稲田中Dさん:1月に1校、2月に2校でしたが、早稲田が1日試験で2日に受かっちゃったので、2日の午前に押さえの学校を受けておしまいです。

エデュ:体調管理はどうされていましたか?

A 早稲田中Dさん:インフルエンザが怖かったので病院で先生に「受験生なんです!」とお話して、予防としてリレンザを処方してもらいました。私の周りでは結構普通にみなさん処方してもらってましたね。それとR-1を飲ませてました。

お父さんへのプレゼンからスタートした「下克上受験」

エデュ:それではCさんはいかがでしたか。

B 駒場東邦高Cさん:うちは5年生からSAPIXに通い始めました。私自身が私立の中高一貫校を受験していたので、すんなり中学受験の方向に持っていけると思っていたんですが、主人が中学受験をあまり快く思っていなくて、なぜ私立なのか、プレゼンテーションから始めなきゃいけなかったんですよ。

それから、まずは塾に行ってみようかということになり、早稲田アカデミーとSAPIXの説明会に行きました。SAPIXはちょっときつそうだなと思ったんですが、受験したら入室最低点で合格したので入りました。

A 早稲田中Dさん:それで駒東ってすごくないですか!

B 駒場東邦高Cさん:私も主人も「やめたかったらやめてもいいよ」って子どもには言ってたんですが、やはりそこは男の子というか、ゲーム感覚でやればやるほどできるように。塾の授業が楽しかったんですね。そしたらどんどんクラスも上がって、まさに下克上受験です。男の子の競争意識を刺激するようなおもしろい授業をしてくれたと思います。
そうしたら、主人が塾のテキストを見て「小学校からこんなことやってるんだ」ってすごいカルチャーショックを受けたようで、そこから主人のほうが中学受験に関心を持ち始めたんですね。結局塾のテキストで「中学受験OK」の説得ができた感じ。

エデュ:SAPIXの場合、プリントが多くて親の関わりも多いという話をよく聞きますが。

B 駒場東邦高Cさん:子どもががんばってたので、私はもう何もしてない感じでした。SAPIXはお弁当がないからということもあって入れたんですよ。保護者会は行ったかな。 それに「教えて」って言われても難しすぎてわかんなくて。なので、わからなかったら塾の質問教室に行っておいでと言いました。すごい並ぶので、帰ってくるのが22時とかになることもあり、そういうのは大変だったかな。

エデュ:受験校はどういうところを?

B 駒場東邦高Cさん:駒東が2月1日で、2日が攻玉社、3日が海城。2日には合格がわかったんですけど、私は海城に行かせたかったので一応受けてもらった。でも本人が絶対駒東と希望したので、そこで終わりにしました。
体調管理は予防接種とR-1ですね。年明けからひたすらR-1を飲ませていました。あと、1月31日まではしっかり学校に行かせました。日常通りが一番いいかなと。たまたま学校でインフルエンザが流行ってなかったということもあったんですが、学校に行って、友だちと普通にしゃべるのも気分転換になりましたし。

受験勉強はすべて塾にお任せ。家での勉強は一切なし

エデュ:Bさんはどうでしたか?

C 麻布中Bさん:私はずっと地方を転々としていて、公立で生きてきたので受験はしなくていいと思ってたんです。でも、夫が男子校出身で、夫は「させろ」、私は「させなくていい」ってずっと言ってまして。させない方向だったのですが、3年生の2月くらいからお友だちが急に塾に行き始めた。それで次第に息子も「体験だけでも行かせて」って言ってきたので4年生の夏休みに行かせたら塾の授業が楽しくて「行きたい」ってことになりました。

エデュ:どちらの塾だったんですか。

C 麻布中Bさん:希学園です。家から一番近く、5分くらいで行ける所だったので。先生のほとんどが関西人でノリがすごい合ってたみたいです。宿題は全然しないんだけど、行くのは楽しかったみたいです。それに私もプリント整理とかまったくできないので、その点希学園は全部やってくれるので何もしなくていい。弁当さえ持たせればいいし、夏休みは朝9時から22時くらいまであるので、拘束時間も長いけど、家では一切勉強しなくていい。

ただ麻布を志望している子が少なくて、志望校別特訓は別の教室だったので、ちょっと離れていたけど、行かせてました。でもそこは少人数だったのが手厚くて良かったかな。

エデュ:受験した学校は? あと体調管理をどうされていたかも聞かせてください。

C 麻布中Bさん:渋幕と栄東を受けました。

体調管理はうちもR-1。あと私はインフルエンザにかからない方なので、今まで予防接種はしなかったんですが、家族全員その年だけは予防接種しましたね。

野球を続けながら塾通い。ネット検索で見つけた国語の個別学習も

座談会の様子3

エデュ:最後にAさんお願いします。

D 立教池袋中Aさん:うちは1年生からずっと野球をやっていてパパが野球ありきな人。受験はいいけど野球に影響がないようにということで、パパとトラブルを避けるために土日絶対塾がないところを探してました。そこで4年生のときに隣の駅にある四谷大塚のテキストを使っている個人塾に入れたんです。そこは塾長先生と講師3人でやっているようなところで、4年の間は模試を一切受けず小テストをやるだけ。
5年生になって、渋谷校舎でYTテストや、月1の組分けテストみたいなものを受けるようになりましたが、17時まで野球があったので、なんとか振り替えで18時から受けさせてもらってました。5年生の1年間は野球の泥だらけのユニフォームのまま車の中で手を拭いて、お弁当を食べさせて…。。

一同:すごい!お母さんがんばった!息子さんもすごい!

D 立教池袋中Aさん:野球は6年生になるとチームの子も辞めていって、試合ができなくなったので、そこでうちも辞めました。

塾は小さかったけど、個人個人をしっかり見てくれていたので結果的にはいい感じでしたが、国語だけは不安だったんです。そこでネットで検索したら、『お母さんと教える国語教室』という本を書かれている方を見つけて、その方に「息子に教えてくれとは言いません。私に、どうやったら教えられるのかを教えてください」ってメールを出したんです。そうしたら「一度息子さんを連れてきて」って言っていただいて、偶然その方のご自宅が近かったので息子を連れて見ていただいたところ、どうやら息子を気に入ってくださったみたいで最後の3か月、月2回ほど見ていただきました。

エデュ:Aさんのサポートも素晴らしいですね。ちなみに何校受けられましたか?

D 立教池袋中Aさん:1月に1校受けて、2月1日に芝を受けてて、ここは本人が行きたいと言ってた学校でしたが、親としてはどうしても附属校に行かせたかった。息子は国語が不得意で他の教科と比べると30ぐらい差があったから、これでは大学受験にリスクがあるんじゃないかと思いまして。結局芝にはご縁がなく、今の学校になりました。

夏期講習、正月特訓、個別と通常授業以外に費用が…

エデュ:ところで中学受験はお金の準備も大変かなと思います。費用面で想定外だったものはありますか。

D 早稲田中Dさん:夏期講習の請求が来たときはちょっとびっくりしました。

C 駒場東邦高Cさん:SAPIXはSS特訓というのが秋に始まって、一括で払うんですよ。夏期講習も含めて、7、8、9月で20万、20万、20万という感じで請求が…。「これ何?」みたいな感じですごいびっくりしたのを覚えてます。

D 早稲田中Dさん:最後の冬も高くなかった?

C 駒場東邦高Cさん:お正月特訓もびっくり。

B 立教池袋中Aさん:うちは特訓とかまったくなくて、淡々と週4の塾が続いていただけだったので、唯一最後の3か月だけその国語の先生ともう一つ個別で。個別は想定外でしたね。

D 早稲田中Dさん:うちは最後に早稲アカのNNへ。国語の先生と相性が良くなかったんですが、早稲田特訓で国語があるからそこでがんばればいいやと思ったら、なんとその先生が早稲田担当。これは駄目だなと思って国語だけはどうにかしなきゃっていうことでNNに。

A 立教池袋中Aさん:塾っていうより先生の相性ってありますよね。

D 早稲田中Dさん:周りを見ていると、SAPIXに入れば御三家に入れると思っているママはいっぱいいるんじゃないかな。そう思い込んじゃっている人多い気がする。

A 立教池袋中Aさん:うちが通っていた塾は小さい個人塾ですが、5年生の終わりでSAPIXから転塾してきた子がいましたね。小学校卒業後に、お母さん同士で集まって体験談を話す機会があって、その子のお母さんが泣きながら話してたんですが、2年生から入れていたそうなんです。ただ、後からいろんな子も入ってきて、本人も成績が伸び悩んでかなりストレスだったみたい。

一同:2年生からは長すぎる!

個人面談で先生の服装を見ると学校の雰囲気がわかる!

座談会の様子3

エデュ:最後に、これから男子校を受験しようとしている保護者の方へのアドバイスをいただけたらと思います。

A 立教池袋中Aさん:ギリギリまで男子校か共学校かで悩み、共学校の過去問を見たり、学校選定のために模試も受けさせたんですけど、うちは国語が極端に苦手だったこともあるので、私自身で過去問の国語を解いたりして傾向を見ると、共学校の出題傾向と男子校とではちょっと違うかなと。意外と男子校の方が心情を問う問題が多い。それに国語の平均点を見ると、共学校だと女子がいるので国語の平均点が高いんですね。なので男子校って思うならそういう部分も対策すると、少し合格に近づけたりするんじゃないかなと思います。

あと、男子校っていろんなタイプがあると思います。うちは大学受験のことも考えたのと、あまり型にはまらない自由な感じということで附属校を選びましたが、とにかく文化祭や個別面談に行ってみてはと思います。私は結構個別面談が好きで、いろんな先生と話すのが楽しかった。あと先生の服装とかで学校の雰囲気もわかると思いますよ。

B 麻布中Bさん:私は学校に入れてからのことですが、子どもを手放すのが大変だった。でも先生たちは早く手放せ、放っておけと言うんですけど。でも放っておければ親も楽だし、子どもも楽なんだということがわかりました。そういう意味では本当に親離れ、子離れが早いのが男子校だなと思います。そんなところから男子校っていいなと思っています。

文化祭・体育祭は先生の関わり方が見られるチャンス

C 駒場東邦高Cさん:男子校の場合、男子同士の付き合いが濃い分、一生のお友だちができると思います。息子も友だちとすごく仲良くて、女子の目を気にせず、(ガールフレンドがいても)恋愛については学校に持ち込まないというルールがあるらしくて、勉強にも集中できる環境が整っています。男子校を受験されるなら、ぜひその学校の体育祭や文化祭に行って、生徒がどう動いているか、先生がどう関わっているかを見るチャンスだと思います。そういうのを見ることで、お子さんに合った学校を見つけて欲しいなと思います。

D 早稲田中Dさん:私はとにかく子どもが行きたい学校ということで選んだのですが、男子は単純なので文化祭行って楽しい、あとおいしいものに弱いから、学食が気に入ったりするとそこが良くなっちゃうんですよ。だから親としてOKっていう学校以外は文化祭とか逆に見せないほうがいいかなと私は思ってます。あと近所においしいラーメン屋さんがあるとか。男子はもう胃袋掴まれちゃったらアウトなんで(笑)。

エデュ:みなさんのお話を聞いて、とにかくお子さんにストレスを感じさせないように、そしてお子さんに合った塾や学校を選びを心がけていらっしゃったことがとてもよくわかりました。
本日は、お子さんの様子や、男子校あるある話、塾の話まで多岐に渡り楽しいお話をありがとうございました。

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