母親の心に効く「中学受験小説」登場!:エデュママリサーチ第20回

心が折れそうな母親へ贈る「中学受験小説」登場!2013年11月29日

中学受験小説

◆受験前5か月を疑似体験できる物語

『もし中学受験で心が折れそうになったら』というタイトルの本。タイトルだけで、ぐぐっとくる人もいらっしゃるのでは? そして本を開いて目次をみると…

第1章:9月 もし志望校選びで迷いが生じたら~
第2章:10月 もし過去問がとても難しく感じられたら~
第3章:11月 もしケアレスミスが多くなってしまったら~
第4章:12月 もし最後の模試の成績が思わしくなかったら~
第5章:1月 もしお試し受験で不合格になってしまったら~


そう、この新刊は小6の秋以降、中学受験を目前に控えた親子と塾講師の物語。前回もご登場いただいた教育ジャーナリスト、おおたとしまささんが書き下ろした中学受験小説なのです。


◆物語を読んで悩みの悪循環から抜けだそう!

おおたさんは、「はじめに」の中で、こう書いておられます。

……いざ当事者となってしまうと、目の前のことしか見えなくなり、冷静さを失わせる魔力が中学受験にはあります。
でも、悩みがどんどん大きくなっているときというのはたいてい、問題自体が大きくなっているのではなくて、視野がどんどん狭くなっているがゆえ、(中略)目の前の問題をなんとかしたいと強く思えば思うほど、視野は狭くなり、悪循環にはまるのです。
悪循環から抜け出すために必要なのは、一歩下がって視野を大きくしてみることです。……(後略)

おおたさんは、受験生を持つお母さんを少しでもサポートできれば、との思いから、この物語を書かれました。教育ジャーナリストとして中学受験の現場を多く取材してきた経験から、「こういうときはこうしなさい」という、みんなに同じアドバイスをするマニュアル本では、中受生のお母さんの手助けにはならないと思われたからでしょう。

この物語は、ひとりの塾講師の視線から、数人の塾生、その親たち、同僚や他塾の講師が描かれています。あなたが受験生を持つお母さんなら、登場人物の言葉や行動のどこかに、あなたご自身、お子さん、担当の講師の先生が、だぶってみえてくることと思います。そして、だぶってみえてきたとき、悩みのドツボからちょっとだけ抜け出せた自分を発見できるのでは?


◆中学受験ビギナーママにもおすすめ

また、中学受験しようかと迷っている、低学年、中学年のお子さんを持つお母さんたちにもおすすめです。楽しみながら読んでいくうちに、「今の中学受験って、こんな感じなのね」というあたりが、コツンと心の中に入ってきます。中学受験はしてもしなくてもいいもの、わざわざ遊び盛りの子を勉強漬けにするのはかわいそうという思いがあるならば、この物語を読んでから、受験するかしないかを判断してもいいのではないでしょうか?

おおたさんは、「おわりに」に、こう書いています。

……数々の取材経験から、「中学受験は親子にとっていい経験になった」と振り返る親には共通点があるということに気づきました。……

この共通点が何なのかも、ぜひ読んでみて、親子で乗り切る中学受験の道しるべにしてくださいね。

中学受験で心が折れそうになったら

『もし中学受験で心が折れそうになったら』
おおたとしまさ著、株式会社KADOKAWA刊、1200円+税。全国の書店・ネット書店で好評発売中。中学受験の価値は、合否だけでは決められない! ある一人の塾講師が見た、受験を戦う小学生たちの物語。…購入はこちらから…購入はこちらから

おおたとしまささん

著者のおおたとしまささん
育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラー、学校研究シリーズ『中学受験 注目校の素顔』は「麻布中学校・高等学校」「開成中学校・高等学校」「武蔵高等学校中学校」「灘中学校・高等学校」の4冊が発売。ほかに『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの? 荒俣宏、内田樹、瀬戸内寂聴、坂東眞理子、福岡伸一、藤原和博、茂木健一郎、養老孟司 8人の識者に聞きました』『中学受験という選択 (日経プレミアシリーズ) 』『男子校という選択(同)』『女子校という選択(同)』など多数。著書一覧

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