小学生向けタブレット教材、学力アップ・継続の仕組みとは?

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小学生向けの通信教材は紙のものが多くありますが、最近、タブレット式の教材も少しずつ広まってきています。しかし、紙で学習してきた親世代は、「タブレット教材で本当に学力が身につくの?」「小学生のうちからデジタル機器で勉強させていいの?」など、不安に思う方も多いでしょう。そこで今回は、小学生・中学生向けのタブレット通信教育「スマイルゼミ」を運営する、株式会社ジャストシステムILS事業部企画部の寺尾房代さんにお話をうかがいました。

タブレット教材の“3大不安要素”とは?

教材・開発チームの「こだわり」が不安を解消!

株式会社ジャストシステムILS事業部企画部の寺尾房代さん
株式会社ジャストシステムILS事業部企画部の寺尾房代さん

タブレット教材への不安として、「視力が低下するのでは?」、「紙に書く力が養われないのでは?」「ゲーム感覚で学習が定着しないのでは?」があげられます。この3つの不安を、ズバリ質問しました。

インターエデュ:子どものうちからタブレットを使うと目が悪くなるのでは?といった不安がありますが…。

企画部寺尾房代さん(以下、寺尾さん):視力悪化の原因は、近くのもの(30cm以内)を長時間見つめ続けることと言われています。それはスマホであっても、文庫本であっても同じです。そこで、スマイルゼミのタブレットは大きさにこだわりました。縦18㎝、横27㎝とノートと学校で使うノートとほぼ同じ大きさのタブレットを採用しています。普段、机に向かって勉強するのと同じ姿勢で学べますので、お子さまが目を近づけすぎるということもありません。

漢字の書き取り
はらい・とめを意識して書くことができ、ペン先が思い通りに反応するので、紙に書く感覚で練習ができます。

インターエデュ:書く力が身につかなくなってしまうのでは…という不安もあります。

寺尾さん:一昨年、紙で書く感覚と同じように、画面に手をつけて書けるタブレットに変えました。ペンの書き味にもこだわり、ノートに鉛筆で書くのと同じ使い心地にしています。また、x²の二乗のような小さい文字でもはっきりかけて、つぶれません。

漢字の書き取りに関しては、書き順やとめ・はねのチェック、文字のバランスを見る「美文字判定」があります。また、解答欄に雑に書いた文字を指摘してくれる「雑文字判定」があるので、ていねいに書く習慣が身につきます。書く力については、漢字検定での96.5%という高い合格率に現れていると思います。

インターエデュ:ゲーム感覚だと知識として定着しないのでは?といった懸念についてはどうでしょうか?

寺尾さん:いわゆる市場に出ているスマホの学習アプリは、自分で設問を選んで、選択肢に答えるというような作りになっていますが、スマイルゼミでは、通っている学校の教科書をベースに、1か月間で学ぶ単元をしっかりと理解する「学習の流れ」があります。

まず、今から何を学ぶのかを、見て、聞いて、触って体感することから始めます。その上で書いて解く問題に取り組み、学習の定着を図っていきます。子どもが嫌がる反復練習では、面白い演出をして飽きないようにしています。そして、まとめ問題で総復習するという流れです。

学習自体はゲームっぽくならないように気を配っていますが、ゲームに夢中になる心理的要因、「ゲーミフィケーション」の仕組みは参考にしています。たとえば、すぐにほめてもらえる、自分がステップアップしているのが分かるといったことです。
すぐに何かしらの反応を得られることは、子どもが学習を進めるのに、とても効果があるんです。

学習が続けられる仕組みとは?

勉強のモチベーションは「親からほめられること」

インターエデュ:親御さんの不安を、御社の「こだわり」で解消できていますね。ほかにもこだわりはありますか?

寺尾さん:一つ目は、勉強以外のことで気が散らないように設計されています。子どもが宿題をやるとき、筆箱出して、ノートを広げてとやっているうちに、棚のまんが本に目がいって、なかなか始められないってことがありますよね。スマイルゼミでは、いったん電源を入れると、途中で余計な情報が入らないように設計されているので、集中して取り組めます。

二つ目は、ストレスなく学習が継続できるように設計されている点です。紙の教材で、親御さんに丸つけをしてもらう場合、忙しくてすぐには丸つけできないときがあります。すると、子どもはどんな問題をやったか忘れてしまいますし、すぐに丸つけしてもらえないイライラが学習へのモチベーションに影響します。また、親が丸つけで、バツにされたことに納得できずにバトルが…なんてこともありますが、第三者が丸つけをすると、素直に納得するという効果もあります。

三つ目ですが、私たちは、子どもが次も頑張ろうとするモチベーションの源を、「親からほめられること」だと考えています。そこで、子どもが勉強をしたあと、親御さんのスマホに連絡がいくツール「みまもるトーク※」を開発しました。親御さんは学習内容を確認して、「よく頑張ったね!」と声かけができる仕組みで、スマイルゼミ独自のものです。このツールにはさまざまな反響がありました。

※「みまもるトーク」とは、学習報告をベースにチャット機能などを持たせたコミュニケーションツールのこと。

親子のコミュニケーションに変化が生まれた!

親御さんから寄せられた“想定外”の反響

親子のコミュニケーションに変化が生まれた!
「みまもるトーク」では学習の結果に対し、花まるスタンプを送ったり、「頑張ったね」と声かけができます。

インターエデュ:「みまもるトーク」には、親御さんからどんな反響があったのでしょうか?

寺尾さん:子どもに面と向かってだと、「勉強したの?」とか「勉強しなさい!」と感情が先に立った口調になってしまいますが、「みまもるトーク」ですと、自分と向き合う時間が持てて、言葉遣いに気をつけられるという反響がありました。適度な距離感をもって子どもと会話ができるので、親子関係のストレスを軽減できます。

また、働くお母さまで帰りが遅かったりすると、家に着いたときの第一声が、「宿題やったの?」とか、「今日のプリントは?」などチェックモードになりがちです。「みまもるトーク」は、チャット機能やカメラ機能があるので、宿題を確認したり、学校でもらったプリントの画像を送ってもらうこともできます。たとえば、家に帰ってから子どもに、「明日、家庭科で調理実習があるから豚肉がいるよ。」と言われても用意できない…なんてことも避けられますよね。

このツールのおかげで、子どもとの会話が、否定から入るのではなく、ほめることから入れるので、会話の内容が変わってきた、会話が増えたという声もいただいています。

インターエデュ:ツールのおかげで、親子のコミュニケーションに変化が生まれたのは、うれしい反響ですね。ほかに、当初想定していなかった反響はありましたか?

寺尾さん:スマイルゼミで朝に勉強する習慣が身についたという声です。紙の教材ですと、朝の慌ただしい時間に丸つけする余裕がなく、教材を広げるスペースもなくて、やる気が出ないということがあります。タブレット教材はさっと準備できて、ストレスなく学習を開始できるので、朝勉に適しているのだと思います。

もう一つは、スマイルゼミが当初目指していたのは「続けてくれること」でしたが、それ以上に、親御さんへのアンケート結果で、「学力が上がった」という声が92.4%と大変多かったことですね。

中学受験生も、プログラミングと英語学習を

小学生のうちに“素地”を作ることが大切

中学受験生でも取り組める!プログラミングと英語学習
たとえば、算数の単元「水のかさ」を問題に用いて、プログラミング的思考力を養います。

インターエデュ:小学校でもプログラミング学習が始まるようですが、どのような内容なのでしょうか?

寺尾さん:プログラミング学習は、プログラミング言語を学び、言語をひたすら入力するような学習内容ではありません。新学習指導要領では、「プログラミング的思考力」を育成することがメインとなっています。課題を分析し、どう解決できるかを考える力や、問題に対して試行錯誤する力を養うことが、プログラミング学習の目的です。

スマイルゼミのプログラミング講座では、同様の考えで教材が作られていて、課題解決に至る過程で、一生懸命考えることを重要視しています。加えて、教科の学びが深まる課題を与えています。これから生きていくうえで必要な力ですから、プログラミング学習を始めるのに、早すぎるということはないと思います。

インターエデュ:大学入試で4技能が試されるなど、英語学習に力を入れるご家庭も多くなってきました。ですが、中学受験を目指すご家庭は、受験塾に通い始めると忙しく、英語学習との両立が難しいという話をよく聞きます。

寺尾さん:確かに、英語教室へ通うのが、時間的に厳しくなると思います。スマイルゼミの英語学習は、家で手軽に取り組めて、ネイティブの音声を好きなときにいつでも聞けるので、受験勉強と両立しやすいと思います。私立の中高一貫校では、英語教育に熱心な学校が多いので、素地を小学校のときに作っておくと、入学してからよいスタートが切れるのではないでしょうか。

中学受験生でも取り組める!プログラミングと英語学習

インターエデュ:最後に、これからの御社の展望をお聞かせください。

寺尾さん:自社ですべて教材を作っているので、スピード感があります。子どもたちにアンケートをとったり、ユーザー会を聞いたり、今の子どもたちの状況、親御さんの願いを随時取り入れています。その強みを活かして、「タブレットの通信教育」ならスマイルゼミ、ではなく、「通信教育」ならスマイルゼミというぐらいに、知名度をあげていきたいと思っています。

編集者から見たポイント

タブレット教材がここまで進化していたとは、正直驚きました。「スマイルゼミ」は、全国の公立小学校の約8割で活用されている小学生向け学習・授業支援ソフト「ジャストスマイル」のノウハウを活かした教材というとこもあり、内容に自信を持っていることが伝わる取材でした。興味を持たれた方は、
「スマイルゼミ」公式サイト(https://smile-zemi.jp/)をご覧ください。


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