取材から見えてきた桜蔭の魅力を、3回にわたってお届けする本企画。1回目では、行事への取り組みから「桜蔭生の真の姿」を探っていきます。
校長 齊藤 由紀子先生
27 回生(1975年卒業)。お茶の水女子大学文教育学部国文科卒業、専攻は近世文学。人文科学研究科日本文学専攻修士課程修了後、同年桜蔭中学校高等学校の国語科教員に着任。同校教務主任、教頭を経て、2017 年、同校理 事長・校長に就任。
王真理子先生
53回生(2001年卒業)。大学では西洋史を専攻し、大学院修了後法律関係の職に就く。出産・子育てをきっかけに、教育の仕事に関心を持ち、働きながら教員免許を取得。今年4月から桜蔭の英語科に専任教員として着任。
教頭 小林裕子先生
お茶の水女子大学文教育学部附属高等学校卒業。東京大学大学院 農学系研究科農芸化学専門課程修士課程修了。女子学院、お茶の水女子大学附属高校で理科(化学)教員として勤務後、1988年桜蔭中学校高等学校に就職。2017年、同校教頭に就任。
勤勉さの中にある「情熱」が桜蔭生の魅力!
桜蔭生が文化祭に情熱を傾ける理由とは?
王先生に、中学受験時に桜蔭を志望した理由をうかがうと、校舎本館が美しく、その雰囲気に惹かれたことが一番の理由だったと話してくださいました。そして、文化祭で観た演劇部の前衛的でエネルギッシュな舞台から、学業だけではなく、クラブ活動もとても盛んな印象をもたれたとのこと。
では、実際の学校生活はどんな様子だったのでしょうか。
桜蔭生が最も力を入れる行事、文化祭と体育大会について、王真理子先生(以下、王先生)にうかがいました。
エデュ:文化祭で印象に残っていることをお話いただけますでしょうか。
王先生:文化祭では、「サイエンスストリート」が盛り上がります。サイエンスストリートとは、理数系のクラブ(化学部・生物部・数学部・物理部・天文気象部)の展示がずらりとならんだ催し物です。わたしが在校していたころからずっと人気です。
公演を行う、ダンス部、管弦楽部、英語劇部も観客が多く、熱気にあふれています。
当時わたしは英語劇部に所属していました。公演は春の校内発表と文化祭の年に2回。文化祭は学外のお客さまや保護者、友人も見に来ますので、文化祭が一年で一番大事なイベントでした。 さまざまな方が訪れる文化祭は、桜蔭生にとって「自己表現の場」。とても大事な場なのです。
エデュ:文化祭はいつ頃からどんな形で準備するのでしょうか。
王先生:4、5月ごろから動き出して、本格的になるのは2学期に入ってからです。運営は文化祭の企画委員会が中心となって行います。桜蔭は全員がクラブに参加していますので、誰もが何らかの形で文化祭に向けて活動しています。
エデュ:遅くまで準備をすることもあるのでしょうか?
王先生:放課後のクラブ活動の時間は終礼後の15:30~16:45(文化祭準備期間中は延長。17:45まで)までなので、昼休みや朝の時間を利用したり、夏休みや試験休みに練習したりするなど、活動の時間をやりくりしていました。 限られた時間の中で、どれくらい集中してやれるかを考えていたことは、とてもよい経験でした。やはり学業だけ、部活だけにならない学校生活に重要な意味があると感じています。