そして、次の受験生である現・高校2年生も、その保護者の皆さまも、急に始まった長い春休みに戸惑い、また、自分たちが最初の受験生となる新大学入試の実施まで1年を切った今、さまざまな不安を感じていることでしょう。
そんなタイミングで、河合塾が「新大学入試 まるわかり講演会〜新入試を勝ち抜け! ここから始まる現役合格の道〜」という講演会を開催するということを聞きつけました。今回の大学リサーチでは、その模様をレポートし、新大学入試に向けての戦略についてお伝えします。
大学受験を知り尽くした専門家の知見が満載の講演会
新型肺炎が猛威を振るうなかにもかかわらず、新大学入試に関する最新情報を得ようと、多くの中高生やその保護者が会場を訪れていました。
時間となり、河合塾新宿校の進学アドバイザー・大崎さんの進行で講演会がスタートしました。
新大学入試の大きな3つの変化とは?
今回の講演会の前半は、河合塾の首都圏現役生事業部、長谷川智彦さんによる「Part1 新大学入試の基礎知識」および「Part2 変わる入試に向けてやるべきポイント」です。
「Part1 新大学入試の基礎知識」の講演は、「そもそもなぜ大学入試が変わるのでしょうか?」という問いかけから始まりました。
その答えは、「変化する社会に対応するため」。そのことが、社会の変化の具体例を交えて解説されました。
続けて、新大学入試の大きな3つの変化−−「大学入学共通テスト」の導入、英語4技能評価の推進、個別試験のルール変更についても詳細な説明がなされます。
心強さを感じたのは、「出題内容が、思考力・判断力・表現力がより問われるようになるものの、本質的には皆さんが動揺するほど変わるわけではないのです」というお話。つまりは、今までの学習を確実に積み重ねていくことができれば、条件は皆同じで、新大学入試に向けて、何か新しく特別なことを始めるような必要はないということでした。
また、英語で4技能を測るために利用される各種検定試験について、それぞれの特徴と違いを再確認。
英語の民間試験には、TOEICやTOEFLに代表されるスコア型の検定と、英検やケンブリッジ英語検定などのように「○級」と一定基準への到達度を見る検定があります。また、それぞれのテストで大きく出題形式などが異なるので、同じ生徒が受検しても、結果に大きな幅が出るということも起こりえます。ですから、自分の場合はどの検定試験だと有利になるのか? どれが自分の力を表現しやすいテストなのか? をよく見極めた上で受験する必要があるのです。
新大学入試の出題内容については、「思考力・判断力・表現力」が重視されるようになるので、付け焼き刃で知識を身につけるだけでは太刀打ちが難しくなることが予想されるとのこと。よりしっかりとした準備が必要になるので、例え推薦入試を念頭において部活に力を入れていたとしても、高校1年生の段階から勉強しておくこと。まずは学校の授業の内容をしっかりと理解することに努め、取りこぼしをなくしましょう。
高3の春から本格的にエンジンをかけ、入試本番までにギリギリで遅れを取り戻して合格!というようなケースが毎年ありましたが、これからはそういったことは現実的ではなくなるだろうということでした。