センター試験速報 英語(リスニング)
2020年度
問題・解答はPDFファイルです。ご利用の端末や通信環境によっては表示に時間が掛かる場合がございます。
全体概観
出題形式、出題傾向とも変化なし
難易度:やや難化
設問数、マーク数、配点とも昨年と同じ。第4問(A・B)は、2016年からの出題形式が今年も踏襲され、Aは1人の女性が読み上げる長めの英文(約200語)、Bは3人の会話(発言数10、総語数約300語)を聞いて、それぞれ3つの問いに答える出題形式である。第1問の問6では、今年もグラフに関する問題が出題された。また、イラストを見ながら答える第3問Bは、友達同士が夏休みのアルバイトについて話しているという場面設定。第4問Bの3人の会話は、男性が通い始めたギター教室について相談しているという場面設定だった。
第1問の計算を要する問題やグラフを読み取る問題、第3問Aの対話が行われている場所を推測する問題、第4問Bの行動を推測する問題など、今回も、聞き取った情報をもとに適切な判断を下す思考力が求められていた。
設問別分析
【第1問】短い対話の内容に合う絵や語句を選ぶ
例年同様、絵や数値・語句を選ぶ問題構成であった。絵については、一般的な状態や位置関係などを問う問題、もう1つは折れ線グラフを選ぶ問題で、これまでと大きな変化は見られなかった。数値に関する問題も、例年どおり簡単な計算を必要とする問題であった。語句を選ぶ問題は、男女の会話を追いながらその内容を捉える問題だったが、昨年より若干複雑なやり取りの問題もあった。
【第2問】短い対話に続く応答を選ぶ問題
対話の最後に続く応答文を選ぶ問題で、例年同様の問題構成であった。対話が行われている状況や流れを正しく判断できるかどうかが問われている。対話の内容を理解することができればおのずと正解は絞られてくる問題がほとんどではあったものの、対話中で正解となる語句に直接言及がなく、特定の場面での会話の流れや決まり文句に迷った受験生もいたかもしれない。
【第3問】
A 短い対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ
B 長めの対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ
Aは昨年と同じ形式で、短い対話の内容について質問に対する答えを選ぶ問題が3題出題された。いずれも状況を思い浮かべやすい内容で口語表現もわかりやすいものが多かった。Bも昨年と同様に、長い対話を聞いて3つの設問に答える形式だった。対話の内容は、夏休みのアルバイトとして選択可能なものはどれかを話している、というものだったが、アルバイトの広告から就業条件、勤務時間などの情報を正確に把握することができたかどうかが鍵である。
【第4問】
A 長めの体験談の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
B 3人による長めの対話文について、質問に対する答えを選ぶ問題
Aは長めの体験談を1つ聞いて3つの設問に答える形式の問題であった。聞き取る英文の長さ、設問形式ともに昨年とほぼ同じであり、日本とネパールにおける、お茶と時間に関する文化的な違いについて正しく情報を聞き取ることができれば、十分に対処できたであろう。Bも昨年と同様、3人の会話を聞き取る問題で、「Davidが通っているギター教室のレッスンをやめるべきか」という話題。部分的な聞き取りだけでは正解が選びにくい問題があり、注意深く内容を聞き取り、かつ設問の意図を正しく理解することが重要である。
2019年度
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全体概観
出題形式、出題傾向とも変化なし
難易度:やや易化
設問数、マーク数、配点とも昨年と同じ。第4問(A・B)は、2016年からの出題形式が今年も踏襲され、Aは長めの英文(約200語)、Bは3人の会話(発言数11、総語数約300語)を聞いて、それぞれ3つの問いに答える出題形式であった。第1問の問6では、昨年と同じく適切なグラフを選択する問題が出題された。また、イラストを見ながら答える第3問Bは、博物館の来館者が展示について質問している場面、第4問Bの3人の話し合いは、新しく飼う犬をどのように探すかという場面設定だった。
第1問の計算を要する問題やグラフを読み取る問題や、第3問Aの行動を推測する問題など、センター試験のリスニングでは、聞き取った情報をもとに適切な判断を下す思考力も求められている。
設問別分析
【第1問】短い対話の内容に合う絵や語句を選ぶ
例年同様、絵や数値・語句を選ぶ問題構成であった。絵については、1つはマンガのキャラクターを問う問題、もう1つは円グラフを選ぶ問題で、これまでと大きな変化は見られない。数値に関する問題も、例年どおり簡単な計算を必要とする問題であった。語句を選ぶ問題は、会話のやりとりを追いながらその内容を捉える問題で、標準的なレベルであった。
【第2問】短い対話に続く応答を選ぶ問題
対話の最後に続く応答を選ぶ問題で、例年同様の問題構成であった。対話が行われている状況や流れを正しく判断できるかどうかが問われている。対話の内容を理解することができればおのずと正解は絞られてくるものの、対話中で正解となる語句が述べられていないという問題の性質上、戸惑った受験生もいたかもしれない。
【第3問】
A 短い対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ
B 長めの対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ
Aは昨年と同じ形式で、短い対話の内容について質問に対する答えを選ぶ問題が3題出題された。いずれも状況を思い浮かべやすい内容であったが、やや難度の高い口語表現が用いられていた。Bも昨年と同様に、長い対話を聞いて3つの設問に答える形式だった。対話の内容は、博物館の入場券売り場で、来館者が係員から展示に関する説明を受けるというものだったが、ポスターから曜日、時間、料金など時や数値に関する情報を正確に把握することができたかどうかが鍵である。
【第4問】
A 長めの回想文の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
B 3人による長めの対話文について、質問に対する答えを選ぶ問題
Aは昨年と同様、長めの回想文を1つ聞いて3つの設問に答える形式の問題であった。聞き取る英文の長さ、設問形式ともに昨年とほぼ同じであり、話者の置かれている状況(自転車に乗れるようになるために2人の兄から特訓を受ける)を把握できれば、十分に対処できたものと思われる。Bも昨年と同様、3人の会話を聞き取る問題で、「保護施設の犬をペットとして飼うかどうか」という話題。こちらも落ち着いて聞き取ることができれば正しい選択肢を選べたものと思われる。
2018年度
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全体概観
出題形式、出題傾向とも昨年同じ
難易度:やや難化
出題形式や傾向の変化はなく、一昨年変化のあった第4問は、一昨年・昨年の出題形式が今年も踏襲され、第4問Aは長めの英文(200語)、Bは3人の会話(発言数7、総語数300語)を聞いて、それぞれ3つの問いに答える問題であった。全体の総語数は約1150語で例年ほぼ一定しており、英文の読み上げが標準的な速度で設問ごとに2回繰り返される点も変わらなかった。
内容面では、第3問B(長めの対話)が「地図を見ながら観光予定について話している夫婦の対話」、第4問A(長めの英文)が「ある男性による日本留学当時の体験談」、第4問B(3人の長めの会話)が「海外留学する学生のための小冊子に関する話し合い」であった。
第1問の計算を要する問題やグラフの変化を読み取る問題等、センター試験のリスニングでは、聞き取った情報から適切な判断を下す思考力も求められる。
設問別分析
【第1問】短い対話の内容に合う絵などを選ぶ問題
例年同様、絵や数値・語句を選ぶ問題構成であった。絵については、1つは話者が見ている絵を選ぶ問題で、もう1つは話者が話しているグラフを選ぶ問題であった。数値に関する問題も、例年通り計算を必要とする問題であったが、やや複雑で、焦ってしまうと取りこぼしをしかねない。その他の2題は、対話中で述べられている内容に合う選択肢を選ぶ問題で、読み上げられた語が選択肢では言い換えられている点がポイントとなっている。第1問全体としては総じて標準的なレベルであった。
【第2問】短い対話に続く応答を選ぶ問題
対話の最後に続く応答を選ぶ問題で、例年同様の問題構成であった。対話が行われている状況を正しく判断できているかどうかが問われている。Yes/Noで答えるような直接的な応答ではなく、ひとひねりを加えた選択肢も多く、第2問としてはやや難しく感じた受験生が多かったのではないか。
【第3問】A 短い対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ B 長めの対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ
A・Bとも設問形式に大きな変更はなかった。Aは昨年同様、短い対話の内容について質問に対する答えを選ぶ問題が3題であったが、いずれも設問で求められている内容をしっかりと聞き取る必要があった。Bも昨年同様、長い対話を一つ聞いて3つの設問に答える形式だった。対話の内容は、夫婦が駅前で地図を見ながら今日と明日の観光の予定について話し合うという日常的なもので、観光予定の時間や場所、今日と明日の予定の区別など、複数の情報を集中して聞き取り、落ち着いて順に情報を整理する必要があった。
【第4問】A 長めの英文の内容について、質問に対する答えを選ぶ B 長めの会話(3人)の内容について、質問に答える
Aは昨年と同様、長めの英文(回想文)を一つ聞いて3つの設問に答える形式の問題であった。聞き取る英文の長さは昨年とほぼ同じで、難易度もほぼ変わらなかったと言えるだろう。設問形式も昨年とほぼ同じであり、やや紛らわしい選択肢が含まれているが、発言者の置かれていた状況が大体把握できれば、あらかじめ対策を立てて臨んだ受験生には十分対処できたであろう。Bも昨年と同様、3人の会話を聞き取る問題で、国際交流センターでの大学生の会話が題材だった。最後の設問は、3人の発話者全員の共通点を答える問いで、長い会話を集中して聞き取る力が必要だっただろう。