卒業生チューターが主体的な学習を徹底サポート

足立学園中学校・高等学校
足立学園中学校・高等学校(以下、足立学園)は、卒業生である大学生が後輩たちの勉強をサポートする「大学生チューター制度」を2022年に導入しました。現在は26名の大学生チューターが主に放課後に、中学生全学年と高校3年生を対象にして、数学や英語、物理を指導し、進路先の相談などにも応じています。卒業生の大学生チューター、高校3年生、進路指導部長の先生による視点から、足立学園の学びの特長をお伝えします。

大学生チューターとして指導する卒業生が足立学園の特色を語る

2021年3月に探究コース1期生として足立学園を卒業したE.H.さんは、現在、東京工業大学の環境・社会理工学院に在籍。そのかたわら、大学生チューターとして母校の後輩たちの勉強面をサポートしています。自ら学んだ場所で指導する卒業生は、どのような学びで大学合格を勝ち取り、どのように足立学園の魅力を感じているのでしょうか。

東京工業大学で学ぶE.H.さんは、大学生チューターとして母校の後輩たちの学びを支援しています
東京工業大学で学ぶE.H.さんは、大学生チューターとして母校の後輩たちの学びを支援しています
現在は26名の大学生チューターが放課後に教壇に立っています
現在は26名の大学生チューターが放課後に教壇に立っています

チューターとして母校の足立学園で後輩を指導することになった経緯を教えてください。

E.H.さん 高校時代の同級生と「どこか空きテナントを借りて小さい塾でも開こうか」という話をしていたところ、足立学園の井上実校長から「せっかく教えるのであれば、ぜひ後輩たちの面倒を見てほしい」とお声がけいただいたからです。

東京工業大学への進路を決めた理由は何だったのですか。

E.H.さん もともとは建築を目指していたのですが、さまざまな災害をニュースで目にするうちに建物の基盤となる土木構造物や都市計画こそ重要だと感じたので、東京工業大学の環境・社会理工学院で学ぶことに決めました。将来は国土交通省で、災害や老朽化するインフラへの対策と国土の発展策を練り、法案を作成する公務員になりたいと考えています。

総合型選抜での入試にあたって有利に働いたと思う学習内容を教えてください。

E.H.さん 探究総合で書いた探究論文は1万字のレポートだったのですが、自分の考えていることを理路整然と分かりやすく伝える力が養われました。入試で課された小論文も、ほぼ対策なしに挑むことができました。

ほかに活用した学習サポートはありますか。

E.H.さん 自由に授業の選択ができる午後の週10時間分は、数学の演習系授業と共通テスト対策に社会の講義系授業を選び、とても力がつきました。それから、職員室もよく活用していました。普段教わっていない先生でも困っていれば助けてくださることがあり、大変助かりました。

大学生になってあらためてよかったと思える足立学園の校風を教えてください。

E.H.さん 目標実現に向けて努力する姿勢を大切にする「志共育」で目的意識がはっきりしたおかげで、受験勉強でつらいときにも踏ん張ることができたのは一番よかったです。

大学進学を目指す在学生が実感するチューター制度の魅力とは?

普通科の探究コースで学ぶ高校3年生のG.H.くんに、チューター制度を含む足立学園の学習環境の特色をうかがいました。

高校3年生のG.H.くんは放課後に物理の補習を受講
高校3年生のG.H.くんは放課後に物理の補習を受講
自習室を毎日利用し、職員室前の共有スペースも活用しています
自習室を毎日利用し、職員室前の共有スペースも活用しています

放課後のOB学習サポートであるチューター制度をどれくらい利用していますか。

G.H.くん 基本的には週に一回利用しています。通常の授業よりも少人数なので、普段できない上位大学の演習に取り組んだり、個人的な質問をしやすかったりする魅力があると感じています。勉強以外にも、大学の教授や大学院入試の話を聞ける貴重な場だとも思っています。

高校3年生は午前中の週24時間は必修授業ですが、午後の週10時間は自由に選択できる学習体制を採用しています。

G.H.くん 自由に選択できる時間では、古典演習、政治経済、公民、数学演習II、情報の授業を受けています。

放課後に各教科で行われる「補習」や目的別に特化した「課外講座」にも参加していますか。

G.H.くん より知識を深めたくて、放課後には物理の補習を受けています。丁寧なご指導のおかげで、力学や電磁気が得意になった実感があります。

高校3年生は午前中の週24時間は必修授業で、午後の週10時間は自由に選択できます
高校3年生は午前中の週24時間は必修授業で、午後の週10時間は自由に選択できます
文京学院大学女子高等学校と合同探究授業を行ったこともあります
文京学院大学女子高等学校と合同探究授業を行ったこともあります

足立学園には年中無休で利用でき、約300席が並ぶ自習室がありますね。

G.H.くん 自習室は毎日利用しています。静かな環境なので、勉強に集中できる点が気に入っています。職員室前の共有スペースは会話しても周りにそれほど迷惑にならないので、友達と一緒に難関大学の過去問を解くこともあります。

最後に、目指している大学を教えてください。

G.H.くん 東京大学の理科一類を第一志望にしています。チューター制度などの恵まれた学習環境を活用して、合格を勝ち取りたいです。

約300席が並ぶ自習室では多くの生徒たちが自学に励んでいます
約300席が並ぶ自習室では多くの生徒たちが自学に励んでいます

「早期に目標を持てる指導」「実力を養成できる指導」が2本柱

足立学園は教育面においてどのような点に力を入れているのでしょうか。進路指導部長の三浦智美先生は、卒業生が指導するチューター制度に大きな効果を感じています。

進路指導部長の三浦智美先生
進路指導部長の三浦智美先生

進学に向けた学習面で特に注力している要素を教えてください。

三浦先生 「早期に目標を持てる指導」「実力を養成できる指導」を2本柱にしています。「早期に目標を持てる指導」は大学生OBによる講演会、国公立進学ガイダンス、21大学による校内説明会、各大学のオープンキャンパスや学園企画のキャンパスツアーへの参加と、実体験を通じて生徒の進学意識を高め、主体的に自らの進路を決定できるよう促しています。

「実力を養成できる指導」についてはいかがですか。

三浦先生 まずは授業を基本としています。さらに、夏期進学講習や高3直前ゼミ、高3国公立2次試験対策講座、高校3年生へ卒業生による特別講座、論文講座や総合型選抜講座も設け、生徒からのニーズに対して大いに応えながら「主体的に学ぶ生徒の育成」に重きを置いた指導をしています。

夏休みには、中学3年生以上の希望者による5泊6日の校外勉強合宿も実施していますね。

三浦先生 継続的に学習する自立的学習習慣を身につけることを目標とし、「学習計画→1日10時間の勉強→1日の振り返り」という流れで実施しています。2年目、3年目と続けて来てくれるリピーターも多くいます。

職員室前の共有スペースを利用する姿も多く見られます。

三浦先生 本校の生徒たちは多くが主体的に学習に取り組めています。卒業生の背中を見ているのでしょうか、学年が変わると、また次の学年の生徒たちが職員室前の共有スペースを活用しています。

それでは最後に、大学生チューター制度のねらいを教えてください。

三浦先生 さまざまな場面で卒業生の偉大さを私たちも実感しています。生徒たちも同じだと思います。家族でたとえるなら、両親よりも兄や姉の言葉のほうが伝わるのと同じなのでしょう。まさに「青は藍より出でて藍より青し」の言葉どおり、生徒たちにとってより身近な存在である卒業生は、教員を超えています。

編集後記

年齢が近い大学生チューターの存在に加え、放課後の「補習」や目的別に特化した「課外講座」、約300名が同時に自学に励める図書館など、進学に向けた学習環境が充実していることがよく分かりました。人間的成長を促す「志共育」を重視しながら、学力もしっかり伸ばしてくれるのが足立学園の大きな魅力です。

イベント紹介

いずれのイベントも学校の公式ホームページの予約サイトより要予約。上履きを必ずご持参ください。

イベント名 実施日時 備考
中学校説明会12月 2024年12月14日(土)14:00〜 11:00〜授業見学・校内見学 14:00〜説明会 15:00〜授業・部活動体験、校内見学、個別相談
高校入試相談④ 2024年12月24日(火)14:00〜 保護者のみやご家族でのご参加でも、受験生1名でお申し込みください。
小6対象中学校入試直前対策 2025年1月18日(土)14:00〜 入試対策(2科対策、適性検査対策、4科対策)