校長からお出迎えいただく「豊山女子ファン」のための学校見学会
近年は夏休み期間中に「自由研究教室」を開催する学校が増えてきましたが、そうした形式のイベントでは実験授業が中心となるため、部活動の様子をじっくりと知る機会につながりにくいという事実があります。一方で、豊山女子で開催された夏休み学校見学会は部活動紹介がメインとなっており、全校舎を歩き回ってお目当ての部活動を見学するという楽しみが前面に打ち出されています。
学校説明会であれば来場者がホールに集まり「学校の特色を聞く」のが主目的ですが、今回のイベント趣旨が単なる説明会と大きく異なることを実感したのは、校舎に入ってすぐに校長の黛俊行先生が来校者の皆さんにお声がけしている様子を見かけた瞬間からでした。壇上から資料上の台詞を語るのではなく、一個人として挨拶されている姿から、学校見学会への期待が大きく高まりました。
普段の学校説明会はBJキャスト(誘導や懇談会を行う登録制のボランティア)が中心に活躍するのですが、今回は夏休み期間ということもあり多数の生徒会メンバーがお手伝いに入っていました。そのメンバーの多くが、10月最終週末に開催される秋桜祭(文化祭)でも活躍することになります。
来場者が在校生と懇談会を行う教室では、さっそく生徒たちだけで親子と会話をしており、小学生よりもお母さまの盛り上がりが際立つ様子が見られました。
中学受験にも有効?国語と算数の体験授業
はじめに、多目的ホールを使用した国語と算数の体験授業を見学しました。国語は有名な俳句を題材にした問題と、選んだ句を気に入った理由を文章で説明するという内容でした。言葉にすると自分自身の思いや新たな考え方に気づくことができることを学べるといった狙いがある授業でした。
中学校生活に向けて意識したい学び方として、①基礎学力を身につける、②本や新聞など周囲の言葉を意識して取り入れる、③気になった言葉は調べてみる、というポイントが挙げられました。
算数はナンプレ(数独)にチャレンジして法則性を見出すという授業に取り組みました。勘ではなく、論理的に解くことの重要性を意識づけるという内容で、親子一緒に考えながら答えを導く進め方に面白さを感じました。こういった授業方法は、中学生になってからのペアワークで思い出される場面があるかもしれませんね。
お姉さんと一緒になって部活動を楽しむ貴重な体験
豊山女子には体育部から学芸部まで、中学段階でも参加できる部活動がたくさん用意されています。しっかり勉強するのはもちろんですが、放課後の楽しみであり、学年を超えた交流の場としての大切な学びの要素として部活動内容を押さえておきたいところです。
茶道や華道といった、女子校の部活動における代名詞のような伝統的な活動も見学できました。
体育部の活動に憧れて中学受験を頑張る小学生が多い理由にも頷けるものがあります。とりわけ団体スポーツにはコミュニケーションを通した楽しみ方があるようで、体操部の場合はグループで振付を相談しながら創作ダンスを踊るといった取り組みを見せてくれました。どの競技であっても共通しているのは、メンバー間で意思疎通を図ったり、お互いを助け合いながら上を目指すという点ですね。
こちらでは、中学にたくさん用意されているクラブ活動の中でも指折りの部員数を擁するというアニメーション部、豊山女子が誇る「理数Sクラス」に所属する生徒も参加して普段の授業の延長線上にもつながっているサイエンス部、最新のデジタルデバイスを活用して今までにないアイデアを形にするコンピュータ部、絵をかくだけと思われがちなアートのジャンルを超えて自由なものづくりに挑戦している美術部の様子をピックアップしてみました。
校舎全体を使って開催されるイベントには、校舎そのものが持つ雰囲気を味わえるという、その場を訪れないと決して体験できないメリットがあります。建物自体の年季を味わいとして感じられたり、地下室や屋上、一般教室とは異なる設備を備えた特別教室が並んでいる別棟など、あたかも秘密基地のようにワクワクさせてくれるスポットがあるなど、校舎に愛着を持てる要素をたくさん発見できるはずです。そうした、ほんの小さな思い入れの数々が「気になる学校」として心の片隅に残り、受験勉強を後押しする原動力につながるのかもしれません。
学校が持つ真の魅力は「通う人」から作られる?
わが子にとって向いている学校とはどんな所なのでしょうか。受験時の偏差値で学校の良し悪しを評価するのは的外れであることは当然ながら、6年後の大学進学実績で評価するのも同様です。私学が持つ真の魅力を分かりやすく表しているのは、その代に通っている生徒たちと先生方の熱意そのものではないでしょうか。たくさんの部活動風景を見学しながら、目に見えなくともその場にある熱気のようなものを感じられる場面が多々ありました。そこで、この年代の女子だけが持つ勢い・連帯感・はかなさといった要素を伝える目的でフォトギャラリーにまとめましたので、ぜひとも矢印をタップしてご覧ください。豊山女子に持っていたあらゆる既成概念が、もっと良い方向に変わっていくことを願っています。
編集後記
既にお気づきいただけたと思いますが、豊山女子では中学生が赤いリボンを着けており、こうしたイベントで広く活躍する場が設けられています。何事にも限らず本人の気持ち次第で、すぐに個人の世界がおおきく広がるチャンスにあふれた学校です。百聞は一見に如かずとは言いますが、イベント開催のチャンスを逃すことなく、ひとまず足を運んでみることを心よりおすすめいたします。
イベント日程
イベント名 | 実施日時 |
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土曜見学会 | 2024年10月12日(土) 10:00~ |
第3回 学校説明会 | 2024年10月19日(土) 10:00~ |
秋桜祭(文化祭) | 2024年10月26日(土)・27日(日) 10:00~15:00 |
第2回 授業見学会 | 2024年11月2日(土) 8:30~11:30 |
土曜見学会 | 2024年11月16日(土) 10:00~ |