男子イコール数学に強いわけじゃない?苦手な数学を克服する授業

日本大学豊山高等学校・中学校
男子は理数系に強いと言われてきた時代が長く続きましたが、実際にはどうでしょうか。答えは明らかですが、算数・数学が得意なお子さまがいれば、同じだけ苦手なお子さまもいます。日大付属校で唯一の男子校である日本大学豊山高等学校・中学校(以下、日大豊山)の場合はどうでしょうか。2023年春、総合大学である日大に進学した卒業生のうち、理工学部に進んだ数はなんと103名。日大の全16学部(短大含む)の中で一番人気の進学先になっています。どうしても理工学部に進みたいという多くの生徒たちを支える数学科の先生方から、日大豊山の数学授業についてご紹介いただきます。

数学を勉強する意味って?苦手意識を克服する授業

いくら中学受験を乗り越えてきたからといっても、入学当初の学力には個人差があるのが事実です。そこで、中1の段階から数学に親しむ手法や先生方のサポート体制に着目しました。

日大豊山の根本先生
数学科教諭の根本祥太郎先生
日大豊山の中妻先生
数学科教諭の中妻弘樹先生

生徒が持つ苦手意識を取り除くために工夫されていることはありますか。

根本先生 算数から数学に変わった時点で、既にとっつきにくさを感じる生徒たちが一定数出てきます。そこで、数学を嫌いにならないためのに「日常生活の場で見られる事象」を、単元ごとに当てはめて紹介しています。抽象的なものとして捉えるのではなく、実生活に根差しているものとして意識すれば、数学に対する見方は変わってきます。

勉強へのモチベーションや自立の姿勢をどうやって維持させていますか。

中妻先生 中学生には自宅学習の課題として問題集に取り組ませています。その提出期間を守らせることで、これから必要になる「計画性の育成」を図っています。自分のために学ぶ=自主学習としての意識づけが、すべての教科に活きてくると考えています。
また、予習や復習で分からない箇所を調べる際のサポートに加えて、長期的な学習目標や成果を視覚化できるスタディサプリを活用しています。タブレットを使えば隙間時間に勉強できるので、部活動と課題提出の両立ができるようになってきます。

学習習慣が身につくまで、しっかりと目をかけてあげるということですね。

根本先生 そのとおりです。中妻先生からあったように、タブレットなどICT機器の活用が定着しました。それに加えて、授業後にその時間に使ったノートやプリント等、学習成果が分かるものを提出させています。目に見える形で授業毎の理解度をチェックする意味合いだけでなく、数学に対する学習意欲やプロセスも確認し、もしも前向きに取り組めていない生徒がいれば個別の対応をしています。
中学の数学演習は習熟度分けクラスでの授業展開をしているので、ボトム層の底上げやトップ層の伸長を図っているので安心してください。

大学進学を意識した高校の学習指導

中学初期の段階から基礎学力の定着を重視し、教員2名体制で万全を期している日大豊山の演習授業。数学検定の目標級を設定し、全員が合格を目指すといった男子の競争心をくすぐる取り組みも実施されています。
付属校のメリットである日本大学への内部進学をはじめ、卒業後の進路を意識する高校生からの学習指導についてうかがいました。

日大基礎学力到達度テストにはどのような対策をされていますか。

中妻先生 高校からは生徒本人が希望するコースによって授業時間やカリキュラムが変わるので一概には言えませんが、高校1年次から時期に応じて、授業内で短期集中型の対策演習を実施しています。また、全コース共通で取り組むのが年3回の錬成テストです。これは基礎学力到達度テストの腕試し、つまりプレテストに位置付けられます。
特進コース・進学コースは随時指名制の補習も実施します。高3になれば進学コース・体育コースの演習授業に習熟度別クラス分けを取り入れて、生徒各自の学習定着度レベルに応じた授業を展開しています。

生徒のやる気が報われる体制が整っているのですね。

根本先生 基礎学力到達度テストはとにかく問題に触れてみることが肝要で、今の学力と比較してもらうためにも、放課後に高3の希望者を対象とした対策講座を設けています。

中学受験生に耳寄りな「算数」入試対策

数多くの中学受験生を見てきた先生方から、入試本番に向けてやっておきたい学習内容をうかがいました。

入試でより良い点数を取るためにはどういった勉強が必要ですか。

中妻先生 基礎訓練が必要です。計算問題や特殊算を解くスピード、その正確性を向上させるための反復練習を、日頃から徹底して行いましょう。
それと同時に、過去問への取り組みを足掛かりにして、苦手分野の克服に努めてほしいと思います。
入試本番は時間の有効活用が合格のカギになります。普段から、解ける問題と解けない問題の見極めを意識して学習に取り組むことをおすすめします。

根本先生 計算問題は確実に解いて得点につないでください。心に焦りが生じるのは仕方ありませんが、途中式や解答の数字は丁寧に書けばミスや誤読を防げます。さまざまな問題に対応できるようにしておけば、算数に自信がつくかもしれません。

具体的なアドバイスをありがとうございます。入試本番に向けて頑張る受験生へのメッセージをお願いします。

中妻先生 中学校では「算数」が「数学」という学問に変わります。入試ではそれに前もって触れられる貴重な機会になります。「なぜ?」を日頃から考える習慣を身につけておくと、勉強の楽しさを見つけることができますよ。

根本先生 2月1日から始まる入試は全部で4回ありますが、複数回の受験が可能です。どの回でも算数の力が試されます。まだ間に合いますから、最後まで諦めずに取り組んでください。

編集後記

私自身の苦手科目が数学だったことを思い出しながら先生方のお話をうかがっていました。多様なタイプの生徒が通う日大豊山ですが、各自の学力に応じた少人数演習授業や、男子のやる気を出させる手法の数々が大きな強みとなっています。そうした取り組みは学校説明会やWEB説明会(実施済みのアーカイブ動画)でも確認できます。家族全員で参加・視聴してみてください。

イベント情報

イベント名 日時 備考
第2回 授業参観Day・ミニ説明会(中学校・高等学校) 2024年11月16日(土) 8:30~12:30 ※参加にはご予約が必要です。上ばき・スリッパをご持参ください。
第2回 入試説明会 2024年12月14日(土) 10:00~12:00 ※オンラインライブ配信もあります。
※参加にはご予約が必要です。上ばき・スリッパをご持参ください。