学びは学校の外にも!ドルトンの校外学習CAC

ドルトン東京学園中等部・高等部
生徒にとって価値のある教育資源を学内外に限らず提供するため、CAC(City As a Classroom)を設定しているドルトン東京学園中等部・高等部(以下、ドルトン)。CACでは宿泊を伴う旅行行事や日帰りの体験学習を実施し、生徒の成長を促します。今回は、今年実施された「北海道CAC」と「CACヨーロッパ芸術の旅」に参加した学生4名に、その魅力をたっぷりと語ってもらいました。

北海道CACの体験で実感した農業の大変さ

今年の夏休みに実施された「北海道CAC」では、中学1・2年生の44名の生徒が11グループに分かれ、長沼町の農家に民泊し農作業を体験しました。参加した1年生のY.O.さんと2年生のK.H.さんに、参加理由や事前学習の内容、体験して得られた学びなどをうかがいました。

女子生徒
K.Hさん 2年生。入学したのは「自由な校風に惹かれたから」とのこと。
女子生徒
Y.Oさん 1年生。入学したのは「施設が綺麗で、新しい教育方法や留学プラン、ハウス制度があることに惹かれたから」とのこと。

参加しようと思った理由を教えてください。

K.H.さん 参加理由は大きく3つあります。1つ目は、私はもともと農業に興味があり、日々の仕事内容や大変さを体験してみたいと思ったため。2つ目は、異学年と交流する機会があり楽しそうだと思ったため。最後は、海鮮が大好きなので美味しい北海道料理を食べたいと考えたためです。

Y.O.さん 私は北海道に行ったことがなかったため、単純に行ってみたいという思いがありました。また、友達とキャンプをするのは楽しそうだと感じ、参加を決めました。

北海道CACはどのような内容でしたか?

K.H.さん 私が民泊した農家さんでは、キャベツ、長ネギ、ミニトマトなどを栽培していました。実際の農業体験では、長ネギの雑草処理、ミニトマトの収穫、機械を使ったキャベツの種植えなど貴重な体験ができました。

Y.O.さん 北海道CACは3泊4日でした。1、2日目は農家の方の家に泊まって、農業を体験したり、ジンギスカンなどの北海道の郷土料理を作って食べたりしました。3日目はキャンプです。自分たちでテントを立て、手作りピザやホットドッグ、サラダなどを作りました。その後、各グループが考えたダンスやクイズ、鬼ごっこなどの企画、キャンプファイヤーなどをして過ごしました。

農場での集合写真
農業を肌で感じることができた

現地での体験はどうでしたか

K.H.さん 暑い時期に汗をかきながら広大な畑で雑草を抜いたり、熱がこもったビニールハウスでミニトマトを収穫したりするのは本当に大変な作業だと分かりました。足も腰も筋肉痛になりましたが、同時に達成感もあり良い思い出になりました。

Y.O.さん 思い出に残っているのはブルーベリーの収穫体験です。農家の方が「赤い部分がないブルーベリーは甘い」と教えてくれたので、私はなるべくそういったブルーベリーを選んで摘みました。実際、ブルーベリーはどれも驚くほど甘くておいしかったです。

体験したからこそ分かったことはありますか?

K.H.さん 農業の大変さや食べ物が生産されるまでの過程を知ったので、食べ物をより大切にするようになりました。例えば、スーパーに行く際は、賞味期限が近いものや訳あり商品を買うように意識しています。また、宿泊させていただいた農家のご家族に自分から話しかけたり、率先して「何かすることありませんか」と聞いたりすることで、ご家族と仲良くなることができたので積極的なコミュニケーションの重要性に気づきました。

Y.O.さん 北海道CACではデジタルデバイスを使う機会がなく「スマホがなくても楽しめる」と気づきましたし、逆に「写真を撮るときはスマホがないと困る」とスマホの使い方について考えるきっかけにもなりました。自分で自分を管理する「自律」、料理やテント設営を自分たちで行うなど周囲の大人に頼りすぎず、まずは自分でなんでも挑戦する「自立」を学べたと実感しています。

農作業をする3名の女性
体験を通じて貴重な学びを得る
大勢の人々
ファームステイ解散式の様子

五感で楽しんだCACヨーロッパ芸術の旅

今年7月24日から8月1日にかけて、フランス、オーストリア、ドイツの三か国を列車で巡り、各地の旧所名跡や、劇場、美術館、美術学校を訪れ、ヨーロッパの伝統文化を五感で体感した「ヨーロッパ芸術の旅」。中学3年生から高校3年生の17名が参加しました。参加した5年生のY.M.さんと6年生のS.M.さんに、参加理由や事前学習の内容、得られた学びなどを話してもらいました。

男子生徒
S.Mさん 6年生。1歳からドルトンスクール東京校に通い、ドルトン歴17年目。
女子生徒
Y.Mさん 5年生。入学したのは「私服で登校できたり、髪を染めたりできる自由な校風に惹かれたから」とのこと。

参加しようと思った理由を教えてください。

S.M.さん 昔から美術が好きで、海外の芸術に触れられる機会に惹かれたからです。僕が好きな美術館訪問や絵画鑑賞だけではなく、オペラやオーケストラ鑑賞など、幅広い芸術に触れる機会が用意されているのも魅力に感じました。

Y.M.さん 小学生の頃から油絵を習っていることもあり、私も同じく本場の芸術や表現に触れてみたいと思い参加しました。実際に作品を観ることを通じて、参加メンバー内でどう感じたかなど、お互いの価値観を共有して意見交換をし合える機会にもワクワクしました。

参加にあたって、どんな準備をしましたか?

S.M.さん 美術作品の歴史や作者の経歴、音楽作品の聴きどころ、オペラの物語や背景などを学びました。そのおかげで、イタリア語で歌われるオペラも楽しみながら鑑賞できたと思います。また、生徒一人ひとりが決められたテーマを調べ、ほかのメンバーに共有する事前学習も行いました。私はフランスの「ストラスブール現代美術館」を担当し、調べた作品の解釈を紹介するだけではなく、それを批判的に捉えた独自の解釈も紹介しました。

Y.M.さん ヨーロッパの建築様式についても学習しました。特に教会建築を見る際の参考となりました。私が個人テーマとして担当したのは、シンデレラ城のモデルにもなったドイツのノイシュヴァンシュタイン城です。外観も内観も想像していた以上にメルヘンで感激しました。

集合写真
ノイシュヴァンシュタイン城では想像以上に感激しました
集合写真
ヨーロッパの広大な自然も肌で感じました
集合写真
初めて歩くヨーロッパの街並みで多くの刺激を受けました

印象に残っている体験はありますか?

S.M.さん フランスのラン芸術大学への訪問です。私は受験生なのでいろいろな大学を見ていますが、日本の大学との違いも知ることができました。また、ザルツブルク音楽祭での「ウィーン フィルハーモニー管弦楽団」の鑑賞も、印象に残っています。特に、ヘルベルト・ブロムシュテットさんという97歳の指揮者の存在感が大きく、楽団全体を操っているよう感動しました。

Y.M.さん オーストリアで立ち寄ったお土産屋さんで、現地の店員さんが日本語で喋りかけてきて驚きました。過去に北海道に1年間住んでいたそうで、出会った記念にチョコレートをプレゼントしてくれました。一期一会の温かい出会いで、とても心に残っています。

今回の体験で成長したことや変化したことはありますか?

S.M.さん 美術作品を鑑賞する際に友人と意見交換することで、自分の考えに新しい視点が加わる面白さを改めて感じ、芸術の楽しみ方が進化したと思います。昨年1年間行っていたニュージーランド留学でカルチャーショックを受け、海外に少し抵抗感を持っていました。ですが、海外に出る楽しさを再認識することができました。

Y.M.さん 現地でウィーン・フィルの演奏を鑑賞し、あまりの美しいサウンドに圧倒されました。私には「周りに感動を与えられる人になりたい」という夢があります。今回の研修で、その思いがさらに強くなりました。自分がやりたいと思ったことは諦めずに夢に向かって頑張りたいです。

集合写真
現地の美術学校の見学はこのCACならではの体験でした

編集後記

今回インタビューした生徒たちは学年が分かれていましたが、先輩・後輩の垣根なく、和気あいあいとコミュニケーションを取っていました。これは、学年を超えてつながる「ハウス」制が取られているからなのでしょう。そういった文化が根付いているからこそ、CACでも異学年との交流や価値観の共有が行われたエピソードが多数出るのだと感じました。同校の取り組みに興味を持った方は、ぜひ学校説明会に足を運んでみてください。

イベント日程

※すべての説明会は予約が必要です

イベント名 日時
入試体験【小6限定】 2024年11月16日(土)
初回者対象説明会 2024年12月14日(土)
入試対策オンライン配信【小6限定】 2025年1月8日(水)