郁文館のDDPとは
DDPはオンライン教育の先駆者、スペシャリストが集結する世界的企業が開発した最先端のオンライン教材を使用した学習システムです。アメリカ姉妹校のカリキュラムを日本でオンライン受講することで、日本とアメリカ、2つの高校の単位取得と教養が身につきます。授業では、アメリカ姉妹校(プロビデンスカントリーデイスクール)の高校教師が直接指導するオンライン・ライブ授業や、国際教育のスペシャリストJAAC日米学術センター専属コーチのオンライン補習授業、さらに個別カウンセリングやチュータリングなどもあり、万全の学習サポートを受けながら、学ぶ事ができるシステムです。
郁文館中学校・高等学校の姉妹校には、国際教育に特化した郁文館グローバル高等学校があります。同校のHonors class(オナーズクラス)では卒業と同時に米国名門高校Wayland Academyの卒業資格が取得できますが、郁文館のDDPでは米国名門進学校(プレップスクール:大学進学の準備校)の卒業資格が得られます。
これにより全米中の指定校枠の利用、アメリカ大学給付型奨学金受給資格の他、総合型選抜や学校推薦型選抜と圧倒的な親和性があり、国内の難関国公立・私立大学にも活動実績として推薦することが可能となるのです。
将来に向けて中学からDDPを受講
DDPの講義は水曜日・金曜日の放課後に2時間、2年間かけて履修します。多くの学校では高校からの履修が多いのですが、同校では中学校でもスタート。現在15名の生徒が勉強に励んでいます。そのうちの1人、iP classの中学3年生、新堀寛太くんにインタビューしました。
受講しようと思ったきっかけを教えてください。
新堀くん
海外に興味があり、また親のすすめもあって今年度から受講しています。アメリカの、しかも英語での授業についていけるか不安もありましたが、始めてみるとそんな心配はなくなりました。
まだ海外大学に進学したいといったはっきりとした目標はないのですが、将来に向けて選択肢を拡げるためにも今しっかり学んでおきたいと思っています。
勉強する上で大変なことはなんですか。
新堀くん DDPで出される宿題です。テーマに対して自分はどう感じたのかを200ワード以上の英文で出さないといけないのですが、自分の考えを英語でまとめることが大変です。また通常授業の宿題もあるので、自分の時間配分が一番の悩みですね。
受講して良かったことはありますか?
新堀くん 英単語は着実に力がつきました。通常授業の英単語テストでも良い成績がとれ、また自分の実力が確認できる機会にもなりました。
これから頑張りたいことはなんでしょうか。
新堀くん まだ自分の将来はこれと決めているわけではないので、今やっていることを精一杯がんばりたいです。
海外で活躍するためにやるべきことを考える
高校のU.S.DDPを受講する高校3年生の平田さくらさんにもうかがいました。
受講しようと思ったきっかけを教えてください。
平田さん 私は理系特進コースなので、高1まで日本の国立大学に進学してから留学したいと思っていました。しかし大学進学を考えるにあたって、アメリカの大学に進学するという選択肢も増やせるのではと思い受講を決めました。
目標にしている大学は決まっていますか。
平田さん アリゾナ州立大学、ワシントン州立大学はDDPを受講することによって奨学金を受ける制度があり志望しています。もう一つはベトナムの大学でHong Bang International University。ここはアリゾナ州立大学へ編入も可能な大学なので、英語規定のスコアをクリアするために勉強中です。
印象に残ったカリキュラムはありますか。
平田さん 再生可能エネルギーに関する授業です。将来、社会の発展と環境保全の両立を目指すビジネスを実現させたいと思っているので、とても勉強になりました。
受講前と現在とでは心境の変化はありましたか。
平田さん
DDPで出会った友達の影響で、2週間のニュージーランド短期留学に行きました。喋られるようになったわけではありませんが、英語の発音が良くなり、主体的に動く大切さを学ぶことができました。
また以前よりも海外で活躍することに興味を持つようになりました。自分が将来、世界でどう活躍できるかという視点で、やりたいこと、今やらないといけないことをはっきり考えるようになったと思います。
生徒との密なコミュニケーションで学習をサポート
DDPを担当されている英語科の渡邉泰成先生(中学校)と太田泉先生(高校)に郁文館ならではの特徴をおうかがいしました。
早い段階で英語を多角的な視野で学ぶのは大きなメリット
中学校でDDPを始めた理由を教えてください。
渡邉先生 中学の英語では授業で教わる英単語などに限りがあります。DDPのカリキュラムは環境や美術、世界史、政治・経済などさまざまなジャンルを、英語でしかも多角的視野で学ぶことができるものです。海外の高校のカリキュラムですが、自分が今どのレベルにいるのかを意識しながら学ぶことは、生徒にとって将来どんな道に進みたいか具体的に考えるきっかけになると思います。
受講している生徒の成長を感じることはありましたか。
渡邉先生 英語の模試で偏差値50台だった生徒が60台にまで上がりました。特別な対策をしたわけではなく、DDPを受講して身についた英単語、ライティング力が活きたとのことでした。また英語を話すことに恐怖心がなくなったという生徒もいました。課題もあるので、受講している生徒たちは大変だと思いますが、着実に力をつけています。
「英語を学ぶ」から「英語を使って学ぶ」へ
高校でのDDPにおける郁文館ならではの特徴とはなんでしょうか。
太田先生 私たち郁文館の英語科教師がラーニングコーチとして、常に生徒をサポートしていることだと思います。この夏、課題がなかなか進まないという生徒に3〜4時間ほどつきっきりで取り組んだこともありました。普段の勉強だけでなく、相談・アドバイスなど生徒に対して密なサポートができることが一番の特徴であり強みだと思います。
受講している生徒たちにはどのような変化がありましたか。
太田先生 受講当初は「英語を学ぶ」という意識でいたと思います。でもさまざまな分野を学んだり、あるトピックについてグループで考えたりしていくうちに、「英語を使ってさまざまな学問を学ぶ」という視点に切り替わったように思います。
大学進学に向けてどのようなサポートを行っていますか。
太田先生
受講生の中には、留学プログラムがしっかりしている国内の大学へ進学を希望する生徒もいます。そうした生徒に対しては、志望理由の添削や英語の面接練習も行っています。
また、私自身も海外大学について常に新たな情報を得て、希望に即したアドバイスができるよう努めています。さらに、大学進学がゴールではなく、その先のことも見据えて、生徒たちの将来の夢に最適な選択ができるようサポートしています。
英語はコミュニケーションツール。好きを得意にして将来に活かす
DDPのカリキュラムを通して、生徒にはどのような成長してほしいとお考えですか。
渡邉先生 私は常々、物事を一つの視点で見てほしくないと考えています。私の経験ですが、海外に行った際に日本の歴史を聞かれることが多くありました。日本人として、そして、現地・海外での視点でも話せることは強みになると考えています。将来海外大学に進学あるいは留学した際に、DDPで、多視点で学んだことが活きてくると思います。
太田先生 英語はコミュニケーションツールです。人とつながるためのツールとして英語を好きになってほしい。そして好きを得意にしてほしい。現に私もそうでした。充実した将来に向けて英語を得意にするためにもDDPで学んだことが役立てばいいと思っています。
編集後記
スタート時は受講生徒5名だったそうですが、現在は45名まで増えたとのこと。中学校のDDPは3年生からが対象ですが、中1生でも興味を持っている生徒も多くいるそうです。この1年間でいかに生徒たちからも注目されているかが分かります。
海外大学に行くことだけが目的ではなく、その先の将来のために今をしっかりやろうとしている姿に頼もしさも感じた取材でした。