シーツ交換や包帯交換も!8名が本格的な看護実習を体験
「亀田医療大学・亀田メディカルセンター訪問プログラム」に関して、神田女学園の芦澤康宏学校長、進路指導部長の志村穣先生、広報部の久保祐里奈先生と、亀田医療大学の田中美惠子学長、志村千鶴子学部長にお話をうかがいました。
高大連携を結んだ背景を教えてください。
芦澤学校長 探究型の学びに関して、亀田医療大学さまのお力を借りたいと考えたからです。アメリカの週刊誌『Newsweek』が発表する良い病院の世界ランキング「World’s Best Hospitals」で国内3位に選ばれるほど、併設する亀田総合病院さまが高い評価を得ている点も魅力に感じました。そういった場所での体験型学習は生徒たちにとってかけがえのないものになると思い、お話をさせていただきました。
田中学長 亀田医療大学としては「医療現場の実践的な学びを提供したい」というご希望にお応えできるのでは、と思いました。本学は亀田総合病院と亀田クリニック等からなる亀田メディカルセンターという実習施設と連動しており、そうした環境を高校生のうちからぜひ体験してほしいという思いから連携に至りました。
志村先生 本校では医療を目指す生徒が多く、亀田医療大学さまには大変な部分も含めて医療の仕事を体験させていただける特色があると感じました。また、4年間実践を積み上げながら技術を磨くといった面で、進学先としても魅力があるという視点もありました。
志村学部長 私自身は2022年の4月に、教育内容説明会に参加するために神田女学園さまをおうかがいしました。その際、探究活動における「知への意欲」に感銘を受けましたし、神田女学園さまが重視されている自分なりに考える前向きさは、幅広い教養と看護の専門的知識を追求する本学と相性が良いという感触を持ちました。
亀田医療大学・亀田メディカルセンター訪問プログラムはどのようなものだったのでしょうか。
志村先生 高校1年生と2年生がそれぞれ4名ずつ参加し、2泊3日の中で、施設見学のほかシーツ交換や包帯交換などを体験させていただきました。模擬講義も含め、どの生徒も普段の授業に劣らない真剣な表情でした。
志村学部長 本学としては実践的な内容を充実させるように意識しました。亀田総合病院に全面的に協力してもらい、針を使った点滴作りも体験していただきましたね。
久保先生 プログラムを終えた生徒たちが学校説明会でこの取り組みについて発表するのですが、自分たちの経験をきちんと消化していて、とても自信に満ちていました。そうした意味では、伝える力もついたのかなと感じています。
田中学長 本学は1人の教員が5、6人の学生を担任するチューター制度を採用しています。今回のプログラムでも一人ひとりの生徒さまに行き届く指導ができたと思っていますし、この学びを生かして看護師を志す人材が増えていけば、これほどうれしいことはありません。
芦澤学校長 救命救急の場面に立ち合う機会も頂戴したようで、普段できない体験をさせていただいた意義はとても大きいです。参加者の多くは「やはり看護師になりたい」と決意を新たにしていますし、将来の夢に対するモチベーションが高まる実践的な場をご提供いただき、本当に感謝しております。
高校生や大学生が感じる体験重視型プログラムの意義
神田女学園のプログラムに参加した高校2年生のA.Y.さんとI.S.さん、さらには亀田医療大学の4年生のC.N.さんが、体験重視型の取り組みの意義について語ってくださいました。
最初に、高校生のお二人にこのプログラムに参加したきっかけをおうかがいします。
A.Y.さん 看護師になりたいと思っていましたが、具体的な仕事内容までは分かっていませんでした。このプログラムで亀田メディカルセンターさまとの素晴らしい施設で実際の業務を体験できると聞き、迷わず参加を決めました。
I.S.さん 小さな頃から「医療職に就きたいな」という思いはありました。ただ、実際に自分に向いているのかは分からなかったので、この体験を通じて適性を見極め、自分に合っているのは看護師なのか検査技師なのか、それとも別の医療職なのかを確認したい思いがありました。
大学4年生のC.N.さんは、このプログラムの意義をどのように考えますか。
C.N.さん とてもうらやましく思います。医療の仕事を目指すうえで、高校生のうちに座学だけでなく、看護師の仕事を実際に体験できるのは本当に貴重です。プログラムを通じて進路や将来の夢を考えることになるはずですし、私も高校生だったら絶対に参加したいと思いました。
I.S.さん このプログラムは体験以外にも、いろいろな方と接する機会でもありました。看護師の方だけでなく、薬剤師やリハビリ技師の方にもお話を聞くことができ、視野が広がったと感じています。
A.Y.さん 施設見学も印象的で、亀田医療大学さまでは1年生から高度な医療現場で学べる点はとてもいいなと思いました。
併設する亀田総合病院は学びの場としても充実していますね。
C.N.さん 内科診療部門と外科診療部門なども合わせて、本当に多くの科があります。さまざまな臨床実習ができる点は大きな特色ですし、国際看護に目を向けている点も魅力です。4年生は海外研修で、私は今年の9月にシンガポールを訪れ、二つの病院で計3日間、実習を行ってきました。
I.S.さん 私自身も神田女学園で3か月ほど留学の経験があるのですが、海外の医療現場に立ち合えるのはうらやましいですね。
A.Y.さん 私も海外での体験は日本での仕事の幅を広げるのでは、と感じました。体験という意味では、看護師になりたい人にとって2泊3日のプログラムはとても充実しているので、今後もどんどん発展させてもらえればいいなと思います。
C.N.さん ぜひ亀田医療大学も進路の選択肢の一つに考えてほしいですね。質の高い医療を提供している亀田総合病院での学びで得るものは少なくないです。人と向き合う時間が多いので、高い技術だけでなく、一人ひとりに寄り添える看護師になれると思います。
A.Y.さん 亀田医療大学さまとのプログラムを通して「看護師になりたい」という思いが固まったので、夢に向かって頑張りたいです。
I.S.さん 私も同じです。本当に価値のある経験をさせていただきました。
高大連携の実践型プログラムに対する今後の期待とは?
「亀田医療大学・亀田メディカルセンター訪問プログラム」の第2回目は2024年12月10日からの2泊3日で実施。今後、このプログラムに対してどのような発展を期待しているのでしょうか。
C.N.さん 高校生と大学生が接する機会がもっと増えてもいいと思いました。大学生は高校生から学びの活力をもらえますし、教えることで自分の中の知識や技術が整理されるはずです。
A.Y.さん 私のように看護師を目指している高校生にとって、実践的な学びの機会はとても重要です。可能であれば、体験プログラムの日数はもう少し長くてもいいのかなと思っています。
I.S.さん 亀田医療大学さまとの取り組みが続くのはもちろん、高大連携の体験型プログラムがもっと増えていくといいと思います。経験を通してこそ、どういう職業に就きたいか目標がはっきりする可能性が高まるからです。
志村先生 8名の定員に対し、募集者が多くなるのが理想ですね。希望者は志望理由書を書いて提出するのですが、その本気度をご理解いただくために、亀田医療大学さまに選考に関わっていただくような発展もあるかもしれません。
志村学部長 今回のようにお話をうかがいフィードバックを受けて、プログラムの内容をより充実させていきたいです。また、この取り組みを通じて看護師になる目標をしっかりと掲げ、本学に入学してくださる方が増えるといいなと感じております。
田中学長 神田女学園さまは国際教育も重視されていますが、本学も海外研修を含め国際看護を見据えた教育を実践しています。ぜひグローバルな視点を持つ生徒さまにも参加していただければうれしいです。博士後期課程まで学べる環境にも触れていただきたいですね。
芦澤学校長 参加した生徒たちの多くは実践型の学びを通して、夢が明確になりました。亀田医療大学さまとのプログラムのように、高大連携の取り組みが高校卒業後の進路、ひいては将来の目標にきちんと結びつく体制を充実させていきたいです。
編集後記
神田女学園が実施している「亀田医療大学・亀田メディカルセンター訪問プログラム」は、看護体験や病院見学など五感を通して夢と向き合う取り組みです。高い医療技術に定評がある亀田メディカルセンターで過ごす時間は濃厚で、高校生のうちから夢から逆算した学びができるようになると感じました。神田女学園は約70校と高大教育連携協定を結んでおり、今後も社会に出たあとまでを見据えた発展的な探究学習に注目です。
イベント紹介
学校説明会への参加は、「学校説明会申し込みサイト」からの予約制です。
イベント名 | 日時 |
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高等学校 出題傾向解説会&入試体験会 | 2024年12月7日(土) 10:00~ |
中学校 出題傾向解説会&入試体験会 | 2024年12月15日(日) 9:00~ |
高等学校 個別相談会 | 2024年12月20日(金)、21日(土) いずれも10:00~16:00 |
中学校 出題傾向解説会&入試体験会 | 2025年1月11日(土) 14:00~ |
高等学校 出題傾向解説会&入試体験会 | |
中学校 首都模試×KANDA | 2025年1月13日(月・祝) 9:25~ |
中学校 教育内容説明会 | 2025年1月26日(日) 9:00~ |