AI時代を生き抜く力を育む「サイエンス探究クラス」

麴町学園女子中学校高等学校
豊かな人生を自らデザインし、国際社会に貢献できる自立した女性の育成を目指す麴町学園女子中学校高等学校(以下、麴町学園女子)。AI技術が発達している昨今において、自分自身で思考し選び取る力はより一層求められるでしょう。そのような変化に対し、2024年4月に麴町学園女子では、校長自らが教鞭を取り理科の面白さを伝える「サイエンス探究クラス」が開設。今回はその魅力に迫ります。

興味関心の高さはどの教科でも活きる!

まずは、サイエンス探究クラスの発案者であり、長年、理科教員として教鞭をとられていた堀口千秋校長に、創設した目的や授業の特徴などをうかがいます。

サイエンス探究クラスを設置した目的を教えてください。

スーツ姿の男性
堀口 千秋 校長

堀口校長 ここ数年、女性を含む多様な人材の活躍を掲げて、理工系学部を中心に女子枠を設ける大学が増加しています。そうした状況の中で、文理選択の際に「どちらも選べるけど、私は文系/理系を選ぶ」とポジティブな選択をしてもらいたいと考えました。そのベースとして、中学3年間では理科という教科を通じ、何事にも好奇心を持ってもらうため、サイエンス探究クラスを設置することにしました。

サイエンス探究クラスに進級する生徒はどのように決まったのでしょうか?

堀口校長 希望制で決まりました。昨年12月にアンケートを実施したところ、ちょうど1クラス分35名の希望者が出て、そのままサイエンス探究クラスとなりました。

サイエンス探究クラスの特徴を教えてください。

堀口先生 理科では実験を多く行う点と、校長である私自身が週に4時間ほど授業を行う点です。他のクラスと試験範囲や使用する教科書は変わりませんが、つまづきやすい箇所を重点的に説明し、それ以外は生徒たち自身で予習・復習をしてもらうことで、生徒たちにとって興味深い実験の時間を多く確保するようにしています。

具体的にどのような実験を行うのでしょうか?

堀口校長 植物の葉緑体や気孔を観察する実験や、消化酵素アミラーゼのヨウ素でんぷん反応の実験、反射神経を試す実験などです。最初からやり方を教えるのではなく、生徒たち自身で実験方法を調べるところから始めてもらうことで、知識の定着を図っています。

スーツ姿の男性
幅広い選択肢が持てるような好奇心の醸成を大切にしています

他コースとの違いはありますか?

堀口先生 サイエンス探究クラスの生徒は積極的に質問をしてくれます。「スーパームーンが大きく見えるのはどうして? 」「プリクラを撮ると目が大きく写るのはどうして? 」といった、生徒たちに身近な理科の雑学を紹介することで、生徒たちの好奇心を引き出しているのだと思います。

思考力を身に付けて将来の選択肢を広げる

女子の理系人材育成について思いを教えてください。

堀口校長 AI技術が発達している昨今、人間に求められるのは「こんなことをやったらどうだろう」と思考し、発想し、想像する力だと思います。サイエンス探究クラスの生徒たちには、そのような力を身につけてもらいたいと考えています。
また、世の中の仕事の半分は理系職ですので、面白いと思える職業が理系職だったときに、その職業を選べるようにしてあげたいですね。

今後はサイエンス探究クラスで、どういった取り組みを行う予定でしょうか?

堀口先生 一つは、電子顕微鏡を使ってさまざまな物体を観察する実験です。電子顕微鏡メーカーに勤めている卒業生に協力してもらい、生徒自身で顕微鏡を操作しながら、昆虫の目や髪の毛などを観察したいと考えています。
また、3学期には、日本科学未来館でノーベル賞で話題となった科学技術を学んだり、プラネタリウムを見たりできたらと検討しています。

男性教員と2名の女子生徒
長年の理科教員の経験を活かして直接教鞭をとっています

知識が定着する実践型授業!顕微鏡600倍で気孔を観察も

続いて中学2年生のR.I.さんとM.T.さんに、サイエンス探究クラスでの学びについて話をうかがいます。

女子生徒
R.I.さん 生徒会中等部の書記担当。
女子生徒
M.T.さん 水泳部所属。専門は自由形と背泳ぎ。

サイエンス探究クラスに進級しようと思った理由を教えてください。

R.I.さん 今年はどんなことにもチャレンジしようという目標を立てました。サイエンス探究クラスは、考えることを中心に授業が行われるので、思考力や語彙力が上がり、また校長先生から直接理科の授業を学ぶことができるので、理科に関する豆知識も増えると考え、進級することを決めました。

M.T.さん 私は物心がついた頃から、医療関係の仕事に就きたいと思っていて、そのためには理系の勉強が必要だと感じたからです。校長先生が実施する特別感のある授業を受けることで、元から好きな理科をより楽しく学びたいと思い、進級を決めました。

サイエンス探究クラスでの理科授業は、これまでの理科授業とどういったところが違いますか?

R.I.さん 実験では、授業で習ったことをもとに、グループで一から実験方法や予想を考えて進めていきます。そのため、先生に実験方法を教えてもらうよりも頭に残りやすく、より深く理解できるようになったと実感しています。

M.T.さん 毎回、校長先生が植物を持ってきてその特徴を教えてくれたり、先生の経験を話してくれたりと、授業を受ける度に豆知識が得られて楽しいです。また、記号や公式をただ覚えるのではなく、内容をしっかりと理解すれば、覚えようとしなくても公式が自然と身につくようになりました。

2名の女子生徒
主体的に実験に臨むことで思考力が身につきます

印象に残っている実験はありますか?

R.I.さん 顕微鏡で植物の気孔やプランクトンを観察する実験です。顕微鏡の使い方を学び、600倍などの高倍率で玉ねぎやツユクサ、サザンカ、カランコエなどの植物を観察しました。またプランクトンの観察では、それぞれ形や色、動き方や速さが違うと分かり面白かったです。

M.T.さん 雲を作る実験が印象に残っています。実験では、熱した水が入った容器に線香の煙を入れ、注射器型ピストンを引くと雲ができ、押すと透明になることを自分の目で確認できました。

より深く理科を探究する中で考え方が変わったと感じることはありますか?

R.I.さん サイエンス探究クラスでは、生徒一人ひとりが責任を持って実験するので、何事もよく観察する習慣がついたと思います。

M.T.さん これまで理科は計算や暗記が多い科目というイメージで、どこかプレッシャーを感じていました。ですが、校長先生の授業を受けていくなかで、純粋に理科を楽めるようになったと思います。

将来の目標を教えてください。

R.I.さん 私は国際関係の仕事に就きたいと思っていて、航空会社のグランドスタッフなどに憧れがあります。

T.Mさん 医療関係を目指しています。理由は、世界に役立ちたいという思いがあるからです。世界では戦争が起こっていますが、その裏で基金の方々など、見えない部分で頑張っている人を見習って私も困っている人を助けたいです。

男性教員と2名の女子生徒
サイエンス探究クラスでの学びが将来の夢につながります!

編集後記

取材当日も堀口校長先生のもとにサイエンス探究クラスの生徒がやってきて、熱心に質問している様子が見られました。「なんでだろう? 」と心を動かして考え行動することで、変化の早い時代でも生き残れる人間力を育めるのでしょう。理科が好きなお子さま、お子さまの好奇心を育てていきたいと思われているのであれば、同校をご検討してみてはいかがでしょうか。

イベント日程

※すべての説明会は予約が必要です

イベント名 日時
入試説明会(高校) 2024年11月30日(土) 14:00~15:00
首都圏模試保護者会/学校説明会(中学) 2024年12月8日(日)
【午前の部】9:00~9:50 / 14:00~14:50
【午後の部】9:50~10:45 / 14:50~15:45
入試模擬体験(中学) 2024年12月15日(日) 8:30~10:30