最新の大学合格実績について進路指導部主任の柳川周三先生におうかがいしました。さらに「特別進学コース」を指導する特進運営委員長・星昭徳先生にもお話をうかがいました。
国公立・最難関私立大への進学実績上昇!22年度の大学合格実績と傾向
始めに柳川先生に2022年度の進学実績と学校オリジナルの進路指導情報誌についてうかがいます。
2022年度の大学合格実績はいかがでしたか。
柳川先生
4年制大学への進学率は94%と例年と変わりませんが、その内訳は年々変化しています。
日本大学への進学者は51%と過半数を占めていますが近年漸減傾向にあり、一方で他大学進学者は43%と日大進学者数とは逆に漸増傾向です。
コース別では、国公立・最難関を目指す「特別進学コース」(以下、特進コース)では日本大学19%、他大学73%、「総合進学コース」では日本大学62%、他大学進学は35%でした。
「総合進学コーススーパーグローバルクラス」は日本大学36%、他大学54%です。
指定校推薦枠の利用状況に変化はありますか。
柳川先生 指定校推薦による進学率は18%となっており、利用状況に変化はあまりありませんでした。 例年人気の高い大学は横浜市立大学、早稲田大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学で、指定校推薦利用者の半分弱はこれらの大学への進学です(22年度合格者数は下表参照)。残りの指定校推薦利用者は、日本大学にはない看護学系や家政学系などが多数を占めています。
大学名 | 人数 |
---|---|
横浜市立大学 | 5名 |
早稲田大学 | 2名 |
上智大学 | 2名 |
東京理科大学 | 9名 |
明治大学 | 2名 |
青山学院大学 | 1名 |
立教大学 | 2名 |
中央大学 | 3名 |
法政大学 | 7名 |
学習院大学 | 4名 |
2022年度の高3生はどんな生徒でしたか?
柳川先生
「特進コース」はクラス全体の普段の雰囲気は静かで、学習に対して実に意欲的でした。休み時間でもほとんどの生徒が学習に取り組む姿勢が見受けられるなど、受験に臨む体制を全員で整えていました。
「総合進学コース」は授業と休み時間のメリハリを付けている生徒が多く、休み時間中は和気あいあいと友人との時間を大切に過ごし、授業中は、積極的に真面目に取り組んでいました。プレゼンテーション能力が高い生徒が多いのも、このコースの特徴です。
「総合進学コーススーパーグローバルクラス」は総合進学コースより、プレゼンテーションの経験が多いためか熟達されており、その評価は極めて高いと思います。また海外への関心が高い生徒が多く、総じて英語の運用能力が高いですね。
日大中高オリジナル進路指導情報誌が完成
今年、貴校オリジナルの進路指導情報誌『進路の手引き』が完成しました。作成までの経緯を教えてください。
柳川先生
今年度の4月に完成し、4月上旬に高校生および教職員に配布いたしました。
作成のきっかけは本校が策定した「進路指導に関する基本方針」に基づき、人生を旅し、未来を拓かんとする生徒の皆さんを導く「心強いガイドブック」にしたいという田村校長の思いからです。進路指導部と特進運営委員会が連携し、完成にこぎつけましたがこれからも生徒の夢実現に向けて、ブラッシュアップし続けていきたいと思います。
どのような内容でしょうか。
柳川先生
全部で6部から構成されています。
各部の主なテーマは、第1部が3年間の進路スケジュール・特別進学コースの学習の仕方・模試やスタディサプリの活用法、第2部が大学入学試験に関する基礎知識・大学進学に関わる必要事項、第3部が外部英語検定試験・小論文・資格の種類と取得です。第4部は医療系入試対策に特化し、第5部が本校の進路状況、第6部には模試の振り返りシート・進路学習のためのワークシートがあります。
今後の大学進学について目標をお聞かせください。
柳川先生
大学進学実績が着実に上がっています。今後も高い志を涵養しつつ学力の向上に努めながら、生徒たちが諦めず戦い抜けるようサポートしていきます。
また第一志望の堅持を図ることで、国公立大学や早慶上理など最難関私立大学の合格実績を伸ばしていきたいと考えます。そのためのマイルストーンを設定し、まずは国公立大学合格者数50名を目指します。
さらに、海外大学進学希望者については、22年度は2名でしたが、今後コロナ禍以前の水準以上に増えることが予想されます。そのため、特に「総合進学コーススーパーグローバルクラス」においては、一人ひとりの進路希望を的確に把握し、実現に向けて多様なプログラムを経験させてグローバル感覚を養うことにより、幅広い能力と意欲を礎とした豊かな学力の習得と定着を図ってまいります。
自分の道を切り開き、国公立・最難関を目指す「特進コース」
国公立・最難関私立を目指すために設置された「特進コース」。生徒たちの2年間の成長や指導方針について、また中学3年生が所属する「特別進学プレコース」について星先生にうかがいます。
「特進コース」ではどのような方針で指導されてきたのでしょうか。
星先生
大きく3つの方針のもと指導にあたっています。
1.自分の力で最新の情報を得て、自分で良い学習方法を試し、友人とディスカッションして、結果や方法を検証すること。
2.自分の成績や学習方法を客観視して、冷静な視点で必要な手段を講じていくこと。
3.教科ごとの学習方法に目を向けないこと。どのような教科でも、基礎的な内容を習得し、それを初見の問題に当てはめて問題を解決する、というプロセスは共通しているので、見た目は、数学、英語、国語と異なっていても、大きな視点で見れば同じ方法論で得意にできること。
特に3つ目の発想がしっかり身に付けば、大学入学共通テストの国公立型5教科7科目(8科目)であっても対応できます。
また近年はAIの活用が必須の時代と言われ、社会情勢や働き方が変化している時代です。そうした状況でも対応できる人間に成長できると考えています。
生徒たちの2年間の成長についてどのようにご覧になっていますか。
星先生 まだ全員ができるようになっているわけではないですが、私どもの考え方は浸透してきていると思います。その表れとして、進研模試では成績は上昇しています。
進学目標を教えてください。
星先生
学校の期待としては、国公立・難関私大に受かってほしいですが、正直、受験は個人差もあるし、運もあります。
しかし、3年間、特進コースで過ごすことによって「今まで全くできなかった初見・応用問題に手を付けられるようになった」「科目にとらわれずに、引いた視点で、技術を習得していく過程を経験できた」「自分の現状と目標との乖離を把握し、最短距離で到達するための計画を組めるようになった」というような視点が持てれば、学んだ意義はあると思います。
また、こうした精神を鍛えていくことが、学校という集団に所属すること、対面で授業を実施することのメリットだとも考えています。
特進コースで学んだことで、自分が思い描く進路を実現し、そして進路実績では「all time best」を更新できるよう指導していく所存です。
特進コースへシームレスな連携を目指す「特別進学プレコース」
国公立・最難関私立大を目指す中学3年生が所属する「特別進学プレコース」がいよいよ来年度スタートですね。指導方針についてお聞かせください。
星先生
高校での理想を実現するために、シームレスにつながることを構想しています。
そのためにも、一般的によくある先取り学習や、学習のための合宿を組みながらも、それを効果的なものにするため、根底にある理念や理想を伝えていきたいです。
具体的にはAI時代に振り回されない人間を育成することです。学習を通して将来の基礎になるものを会得してもらいたいと考えます。
生徒に期待していることはありますか。
星先生
前述の理念に賛同してくれる生徒の所属を期待します。反対に「楽(らく)そう」「特進プレに所属していれば何とかなりそう」「周りの優秀な人間に引っ張ってもらいたい」「先生がなんとかしてくれそう」というような考えがある場合は、強くおすすめできません。
生徒たちが大学付属校としてのセーフティーネットを捨てて、自分で自分の将来を切り開くことを期待しています。
編集後記
日大中高では、外部大学への進学を目指す生徒のチャレンジを学習面だけでなく精神的にもサポートするため、長年の蓄積から構築した教育システムを実行し始めています。
大学入試改革によって大学受験は大きな変革期のただ中です。そのような状況でも、第一志望合格を実現するための基盤づくりが着実に進んでいました。
イベント日程
イベント名 | 日時 | 備考 |
---|---|---|
学校見学会 | 6月10日(土)10:00〜10:45 | 事前予約制 |
学校見学会 | 6月15日(木)11:00~11:45 | 事前予約制 |
オープンスクールNichidai 日吉Day | 6月17日(土) | 時間は学校説明会ページ参照 |
学校見学会 | 6月20日(火)16:30〜17:15 | 事前予約制 |
学校見学会 | 6月29日(木)11:00〜11:45 | 事前予約制 |
※説明会の詳細・事前予約については学校のWebサイトをご覧ください。